その日の激しい夕立で
空の埃も洗われて
静まり返る夜の水面に
ゆらゆらと揺れる月

僕らはそのずっと下
仄暗い水底の上
その薄明かりの中
沈んだままで抱き合って
水の中の密室で
唇 ....
(一)

「ぴーちゃん、ぴーちゃん
トイレってどこなのぉ」

河原の石をひっくり返しては
何やら探していた
まーちゃんが突然立ち上がったと思ったら
おいらの元へ駆け寄ってきた

こ ....
思い描いた
この空のむこう
今日から明日に
風を受け
行き着く先は
どこなんだろう
近づく距離だけ
未来が変わり
重なり合っては
波打つ心たち
何度も打ち寄せては
僕を連れ去って ....
水は柔らかく伸びて
青いさかなとなり
耳にふれてとけてゆく

鳥は低く弾けて
白いはねとなり
肌にぬれてしみこむ

きみの産卵する文字たちは
見たこともないのに
なつかしい、ゆらぎ ....
                 080918



テレビを見ている駄作の手前に習作が来て
好き勝手な悪戯をする
幼いのだからガマンしなさいと言われても
駄作は面白くない顔をして
兄 ....
乳母車からはみ出した者へ
薬を与え続ける
金で夢が買えるのだと
無防備な口から漏れる声を
塞ぐ優しさなど知らずに

俺は夢を買ったのだ
たまに二枚以上入ってる
ラーメンばあなら見抜ける ....
市民課の窓口に備え付けられた各種証明の
申請書を眺めていたら「独身証明書」の申
請書が並んでいる。独身であることを証明
しなければならない事態ってどんな状況な
のだろう。結婚詐欺ではないことの ....
海のきぬ擦れが耳を攫う

だれかに名前を呼ばれた気がしたから
水の色が碧から黒に変わるころに
海豚のやさしい瞳を胸に抱えて
こっそりと{ルビ宙=そら}に顔を出してみた
鳥の嘴が白の甲羅を遠 ....
ポケットティッシュに
詩を印刷して配ったらいい
一枚一枚にでも
広告の裏紙部分だけにでも
やる気ないときは
通りすがりの一人一人に
二ついっぺんに無言で突き出したりね

それでそれもら ....
大海原を駆ける

群れからはぐれた1羽の迷鳥の

その瞳に映る光景を見た


哀しげで淋しげな瞳には

大海原も

大空も

映ってはおらず

ただ遠くにいるはずの彼女の ....
ふたりで
ずいぶん夏を歩いてきたね

波打ち際を振り返ってみると
たくさんの足跡が打ち上げられていて
見えないところまで続いている
きっと想い出になる時がきたら
一斉に海に帰ってゆくんだ ....
自分に向けた
自分を壊す 自分を穿つ
攻撃的な感情


首からさげた
危ない正義 追い込まれてく
後ろ向きな感情



勇気が足りなかった
 ....
午前五時
体内時計が鳴り渡る
目覚めの渚に並ぶもの
幾本ものやせた丸太
あちらこちらと転がして
いやな朝を反芻する

 窓の外には
 晴れない空
 窓辺に歩み寄る
 秒針

夜 ....
黄昏色の空の果て
ひとりっきりの帰り道
誰を待っていたのだろう
誰を探していたのだろう
電信柱の長い影
淋しいようと風の吹く

黄昏色の空の果て
家路をいそぐ鳥の群れ
どこへ行くとい ....
「明日また暑くなるんだって」
そう聞いて
軽くため息

あれ
名残惜しかったはずなのに

夏の夜風を懐かしみ
秋の彩を待っている

身勝手で欲張りな私に
渡してく ....
止まらない針→進んで
眠りの世界だけが救いなの
湖に沈むみたく手足が→浮く
深く深く底のない闇は
朝を迎える前に
絶望で眼を隠すから

朝⇔夜彷徨う悲しみの魂
何を望むでもなくて
光 ....
いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指 ....
海の中にいた
ここは地球なのだが
靴を脱いでいるから
地に足が着かず
やわらかい席の
おしりの感触が消えそうで
前の席の 男の子 女の子
野鳥のさえずりに似ている

夏は タンパク質 ....
子供の頃と違う理由で
おはじきを呑み込む
でも重くなるばかりで
透明を手に入れることができない

たとえ半透明ぐらいまでになって
軽くなってふわりと飛んでゆけても
シャボン玉よりもずっと ....
商売女の膝で眠る
彼女は19歳
大人びた手つきで
僕の髪を撫でる

これまでの
どんな女性よりも
優しく

まるで
ビリー・ホリディの
歌声みたいに

時々僕の髪をつまむ
 ....
きみが笑うのは きっと
つぼみが開こうとする
あの一瞬に似ているだろう


きみが見るのは きっと
あの風にゆらりゆれる朝
そんなきれいなあ ....
あぜりの みちりに
うのつの そえて

ちりこむ すすりの
こうゆい まうて

ちちりん ちちりん

すずのて ようすみ

ちちりん ちちりん

すずりの てのまい

あぜ ....
わたしはね 
あなたの見方なんて 決めたじゃない?

わたしはね
あなたを信じるって 決めたじゃない?

あなたは 
色んな場所から言葉を見つけ出し
色んな色や模様を付けて ....
{画像=080914080444.jpg}

木は両手を拡げて
わたしを暖かく抱きしめた
拡がる手の先には
青々しい梢がさらに広がり
そこでは緑の子供達が風に踊っていた

寝ころんだベ ....
            080913


ガス抜きを致しますと
クエン酸
パチンコ屋のご亭主は
幼児はお金がないから
遊べないよと
すげない顔して
駄菓子屋の親父に下駄を預け
古く ....
小説も香水も好きだけど
ヤカンが飛ぶほうがいいと思っていた

空港の誘導灯も
機上から見下ろす街明かりも闇も好きだったけど
お湯を沸かすヤカン
ヤカンが飛ぶほうがいいなぁとは思っていた
 ....
生まれてすぐに言葉を食べた
降る雪のように冷たい言葉
それは小指の爪のように
やわらかく甘く
そっと僕の心臓に住まった


なんだか涙が出そうで
手のひらを握ったりしていた
つぼみが ....
草色の風過ぎ行く早朝五時半の晴天の
スーパー○○朝市の駐車場は
車と人とささやかな諦念とで 満員
ところで不思議なことに
売り子の呼び声も客の喧騒も
皆目聞こえず ほんと聞こえず
朝市に並 ....
{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}


(一)

「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」

カーバイトランプに照らされた
みか ....
エコバッグがエロバッグだったら
今いそいそとエコバッグを持ってる人は
誰もエロバッグを持ってなくて
エコバッグなんかまるで知らない人が
いそいそとエロバッグを持ってるかもしんない

で、
 ....
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