静けさが残り
(何故か見上げれば
見下ろしている)
さまよいながら求めるもの
宇宙を識るのとおなじくらい 「
人間を知るのはむずかしい 」
(意味に手をあわせ
ただ) ....
登校中の女の子と男の子が
道路を横切ろうとしている
飛び出しに供えて ブレーキに足をかける
春の陽射しの中 防寒着の子達は
車道の前に立ち止まり
急に 女の子がしゃがみこんだ
その手に ....
びいどろの中に
浮かぶ泡
気泡があるのは
不良品なのか
値下げの札がつけてあった
かなしい音が
とこしえに
びいどろに
刻まれた
唐草文様
ふるさとの野辺に咲く
名も ....
僕は病んでる自分を疎ましく思ったり
でもいとおしくもある
診察券にはだいぶ慣れてきたし
人間て病んでて当たり前なのかも知れない
検査着に着替えて腹部CTをとる
さ ....
海が
めくれてゆく
いくつもの
いくつもの
海が
めくれて
岸壁から
追い縋って
宙を泳ぐ指先に
紫貝のように
閉じる音楽
(母は海に還ったのだ
街が
たわ ....
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月の光が燦ざめく
まだ春浅き夜更けのこと
女が独りで死にました
誰にもみとられず
たった独りで息絶えて
時計の針は零時で止まったままに
....
鳳凰が月を飲み込む春の空
剪定で残れた枝がホッとする
春の土 寝っ転がって自分知る
童貞が羨ましがる猫の恋
白子干 生まれ変わって白子干
古巣には戻りたくない戻れな ....
毒のない棘
蜜のない花
種のない実
は
罪ですか
咎のない嘘
咎がない故
咎でない
のは
悪なのか
情状酌量
情状酌量
情を量るにゃ
何が要る
....
割り切っている
良くも悪くも割り切るのが早い
僕は
公式なんかすっ飛ばし
一か八かの
答えだけ弾き出す
便利な簡易計算機です
愛してました
哀しみました
落ち込みました
....
両の窓から見えるものはみな不確かで
ぼんやりと光に融け出しているようだ
心は焦げ付いた鍋のように
そのまま冷たく放置されていた
杖をついて
時が行き来する
昭和 ....
ママの手は
てんごくのにおいがすると
五つの子が
うっとりとして
わたしの手を離さない
てんごくも
じごくも
絵本のなかに
出てきたね
てんごくに
匂いがあるなんて
知ら ....
120312
ありのままの人生を
赤裸々に語る初老の男
これ以上嘘を付きたくないのではなくて
ありのままを語ることに優越感を覚えたように
笑顔混じりにい ....
魔法が解ける言葉 ソツギョウ #poem24
惚れた女の夢占いは「アンタ卒業したら死ぬ」 #poem24
校長の悪趣味な桜の木を切った #poem24
おっぱいを卒 ....
家を出る時に
ちらほらと
降り出した雪が
そう時間をおかないうちに
吹雪いてきた
三月もなかばだというのに
フロントガラスに
積もってゆく雪を
ワイパーでどける
ラジオか ....
夢見ることが
ちょっと億劫なのです
ピアノをポロんと弾くように
言葉がこぼれます
僕を待っているものがなんであろうと
きっと仲良くなれます
暦の明日に色 ....
ゴルフ焼けしたいい親父になった
今では大阪の営業所長さんだ
―僕らの音楽を理解してくれる人は
この広島に一人か二人ってところだ
だけど これだけは確実に言える
僕らは凄いことを ....
何かが叶うことを
素朴に夢見て
人間は生きている
一日一日を
地味に踏みしめてね
たった二百年も
生きれない人間なんて
太陽からみたら
それは ちっぽけだ
なんてね ....
あなたは積み上げる
与えられた積木を丹念に積み上げる
それが人生
※
親指と人差し指で作った輪の大きさぐらいな積木
いつも何かに苛立っていて
終りの無い議論を隣の積 ....
わたしは縄文の舟を漕いでいる
トチノキを刳り貫いた
粗末な舟だ
赤い犬をいっぴき乗せていた
これが最後の猟だと
わたしは思った
子どもたちは
夏の来なかった時代を知らない
もう ....
耳をすますときは
手と足が
とまる
だれにしたって表情が凝固して
仮面になる
手配写真のようにだ
音がするほうに
むける
....
{画像=120310162519.jpg}
*
ぼくくはいつもあこがれていた
顔を上げて目を瞑れば
見えてくるものがあった
*
夜になって布団に ....
あいちゃんのおちゃわんは
ぷらすちっくでできています
あいちゃんは
とうとうみつからなかったけれど
このおちゃわんだけは
どろのなかから
みつかったと
おばあちゃんが
はなしてくれ ....
かつて収監されていた何故
どの小鳥の羽根をもぎとった罪なのか
それとも母を殺し身内の愛を根こそぎに
うりとばしてしまった哀しみのせいなのか
外への出口は自働ドアだ
ド ....
東京も雨曇り
ただでさえ
灰色の町並み
この街で
いちばん青くて寂しい
そんな場所に
母はいたのだろう
車椅子に乗った
聖人が入場していた
ぼ ....
未来は、けぶる朝霧の中から、わたしを迎えにきた。草木眠る大地をならして、止まった。吐いた蒸気は霧の中に消えて行く。ドアが開くが、降りる客はいない。この機関車は乗る客しかいない。
私は未来に乗る。 ....
玄関先に
雪が積もってた
足跡をつけないように
外へ出た
銀色の球体を遠巻きにして
心臓のない子供たちが
エネルギーを待ちながら
停止していた
闇夜の風景の中
自分が生まれて初めて見た月光は
生家の隣の空き地に聳える
土手の上の屋敷の樹々
梢の葉の茂る隙間から
サーチライトのように照らされた
幼い自分の心臓を鷲掴みにす ....
むかしあるところに不思議な植物があった
あるひとの ゆびのおとが ぱちんとなったとき
その植物は ビールになった
その不思議に人々は笑い 手をとりあって 酔いしれた
むかしあるとこ ....
おんなじ言葉でも 微妙にちゃう
うちとあんたの「好き」
わかってん、唇がふれたとき
いきあたりばったりに
集まった記憶のおもちゃ箱
きょうも両手で漁ってみるが
失せものばかりが鮮やかに
輝き失せぬ幻である
誰がもちこんだのか、モダンなデザイン 花札の
母の少女時代 ....
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