吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく

窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る

{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう

指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない

埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる

モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
月の舟に乗って
子供たちは夜を往く

魔法の絨毯
空飛ぶ木馬

月明かりに照らされて
夢を喰らい
子供たちは夜を往く

月の舟に揺られて
夜はそっと更けて行く

月の舟に乗っ ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
 
アン・ドゥ・トロワ アン・ドゥ・トロワ

壊れたトウシューズをどこかに置き忘れた少女がひとり、漆黒の夢の中

そしてその静寂がわたしにまとわりつく



 
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ

それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
 かけおりてくる兵隊がいる
 指揮だけがあって四季のない顔のない
 丘のうえから
 いっせいに声があがる
 雲がわく


 あがる声には
 責任がないから自主性がない
  ....
本当の自由を求めて空を見る

名も知らぬ黒い鳥が
隊列を組んで空を渡っていった

翼があるから自由でいいねと
そんなふうにつぶやくのは
自分の翼で空を翔んだことがない人間が想うこと
あ ....
目蓋の夜、窓の外では四角い人造石の街が美しく燃えている。

 でもタバコはやめない方がよい。

目蓋の夜、見えない戦闘機が無差別爆撃をつづけ、火炎とすさまじい爆発音が窓ガラスを割った

  ....
正しさってなんだろう

正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか

正しさってなんだろう

まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
ほぼ全裸の国技 紅いやら
黄色いやら
騒いでるんじゃない

山の中に勝手に入ってきて
ジロジロみて 
写真撮って
弁当食い散らかして
ゴミだけ残して帰る
観光客たち

俺は
おまえらに怒って
 ....
 も吉と歩く


何もない冬の午後
も吉と歩く
はたちの頃 一年ほど日記をつけた
何も残せず ただ消えてゆく日々が
とてもこわかった
時間はたっぷりあったのに

いつもの散歩道
 ....
どこにも代わりのない
私だけの詩を描いてみたい
心のなかのもやもやがそう言う

私という存在が唯一無二のものならば
出てくる言葉もそうであるべきなのではないか
そうではないということは
 ....
月曜日が休みになった
連休などありえない流通業で日曜の休日も
夕方は次の日の積み込みに時間を割かれる

小学校と中学校の転入手続きが残っているのだが
嫁さんとの勤務シフトがあわない

ま ....
私は亀ちゃんを生んだ

亀ちゃんとは本人の前では決して使わないあだ名

亀ちゃんは本当にゆっくり成長していく

初めて歯が生えたのは一歳三カ月
初めて歩いたのは一歳八カ月
二歳になって ....
閑散とした海辺のペンションのように

広々と逸脱した時が迎えてくれるのなら

片手間に解いてみるのも良い

この絡まった七色の意図を


だが

雨の指で打たれ続けることばは嘘
 ....
のぞまれない悲しみは
きっとある

のぞまれない優しさも
きっとある

ひとつ残らず
のぞまれなくても
わたしはここに
立っている



言えず終いの
いたわりがあ ....
張り詰めたもの
鋭く一文字に空間を切り開く

切ないもの
鬱々とした恋の綱渡り

儚いものばっかりを見てはいけないのだけれど
儚さばかりが心のよすがだった

国家が機能しない病気の国 ....
  頭の中に
  一匹の犬が眠っている
  擦れてしまって読みとれない
  古い名札のついた小屋で



  静脈のほそい暗がりを
  血液がそっと滑ってゆく
  夜、
  ....
 
オラオラオラァ!

モダンで薄っぺらな靴なんて目じゃねぇ

ちびて薄汚れちゃぁいるが、これが歩み続けたおいらの勲章でぇ




 
ヒトが集まると
想いが交差する

いい と 悪い
二色ならわかりやすいのに

グレーが多いほど迷ってしまう

口にすれば
まちがった という気持ちが広がる

言葉はまるで
苦い ....
自分を責める

君は哀しい



君はピュアだから

君はかんたんに

傷つけられる




人を

辱しめる人って

いるんだ



 ....
深紅の薔薇を投げた夜
いくつもの吐息をかさねていた

僕達の想いには名前がなかった
そんなもてあました悲しみが
僕達は好きだった

いくつもの季節を共有し
違和を閉じ込めた小箱を持って ....
最後の猫が死んだ
冬の夜に

耐え切れなかったのだ
冬の孤独に

私は春の真似事をして紙吹雪でとむらう
おまえにみせてやりたかったよ

桜が舞う空を
せめてこの世の美しい絵空事を
 ....
突然に別れ話を切り出されマンジュウコワイまんじゅうこわい 魚編の漢字が好きだ
目から鱗という言葉が好きだ
逆鱗に触れるという言葉が好きだ
そして わたしの言葉を読んでくれるだろう そんな あなたが好きだ

回遊する魚のように
 ....
たとえば

人は誰かを捨てるとき
オブラートに包んで
口に入れる
ゆっくりと嘘が溶けていくように

胃の腑に落ちた
真実の味が
逆流して口の中に溢れだしたとき
その苦さに顔をゆがめ ....
自分の手のひらを見て思うんだ。

僕に、何かが出来ないかなって。





この手で何か、人のために

作ったり

奏でたり

守ったり

描いたり
 ....
毎週火曜日
下の娘のクラスにボランティアとして入っている

私が話すつたない英語でも
一生懸命に聞いてくれる
小学一年生の瞳には
一点の曇りも宿っていない

恐らくその瞳はまだ
本当 ....
nonyaさんのおすすめリスト(5756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- もっぷ自由詩1712-12-5
自家中毒- そらの珊 ...自由詩16*12-12-3
月の舟に乗って- 未有花自由詩12*12-12-3
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
アン・ドゥ・トロワ- 殿上 童自由詩15*12-12-2
冬に見つけられてしまうと- ただのみ ...自由詩18*12-12-1
丘にいる兵隊- 石川敬大自由詩11*12-12-1
胡蝶の夢- そらの珊 ...自由詩2112-12-1
閉ざされた眼瞼と伝わらない言葉による意識の誘導- atsuchan69自由詩8*12-12-1
正しさってなんだろう- まーつん自由詩12*12-11-30
ほぼ全裸の国技- 北大路京 ...自由詩712-11-30
【_紅葉_】- 泡沫恋歌自由詩18*12-11-30
北の亡者/Again_2012霜月- たま自由詩33*12-11-29
アルビノ- そらの珊 ...自由詩17*12-11-29
休日- 梅昆布茶自由詩2012-11-28
私が生んだ亀ちゃん- 夏美かを ...自由詩23+*12-11-27
七色の意図- ただのみ ...自由詩17*12-11-26
夢なかば- 千波 一 ...自由詩18*12-11-26
タイトロープ- 梅昆布茶自由詩1612-11-25
静脈- 草野春心自由詩13*12-11-24
オラオラオラァ!- 殿上 童自由詩24*12-11-24
- 朧月自由詩412-11-23
嘘の仮面- 多紀自由詩8*12-11-23
デスペラード- 梅昆布茶自由詩3112-11-23
絵空事- そらの珊 ...自由詩1712-11-23
突然- 北大路京 ...短歌4*12-11-23
ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで- るるりら自由詩23*12-11-23
【_遅延効果_】- 泡沫恋歌自由詩20*12-11-22
空のような、雲のような。そんな夢さ。- 元親 ミ ...自由詩17*12-11-21
50の瞳の輝き- 夏美かを ...自由詩17*12-11-21

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