樹齢いくつとかわからないけれど
ぼくより長く生きていることは間違いない
その身体のあちこちは皮をはがされ
表面に色の濃淡を作り出している
そんな老木のたくさんある枝のたった一本に
か ....
ふと目を上げると向かい側には同い年くらいのひと
高尾山にでも登るのかいかにもって雰囲気で
ひと待ち顔でおしゃれなデイパックを開けたり閉めたり
わたしと言えばパン教室のお友達を待っていて
忘 ....
支配される
夜で
寝床で
ハロゲン灯の橙の中に
うずもれて
心臓のかたちをからだじゅうで描く
まぶたを閉じて
息を受け
からだじゅうで
泣く
いつも
おいてゆかれる心がまえを ....
{引用=走って
走って
狼に追いつかれないように
走って
走って
森の奥へ奥へと
走って
走って
走って!}
「森の奥へは決して行っちゃいけないよ
おまえのような若い ....
低気圧は急速に発達しながら
日本海を進んでいるんだという
静岡県では
注意報ではなく警報が出ているんだと
アナウンサーはいう
こんなに激しい雨
全部洗い流せばいい
泥、花、
眉 ....
駐車場をながめていた
どこからか猫のなき声が
マーフィを探すように
二人で目を動かしていた
俺は今どこにいるのか
愛人のマンションにいる
そんなこと聞いてない
....
私達が生まれながらに持っているコレは、とてつもなく重い。
ソレは最初、両親が支えてくれる。
私達が一人で歩き出せるその時まで、
ずっと抱え続けてく ....
人生はゲームだ
このステージに産まれた瞬間に
ゲームはスタートする
プレイヤーは自分自身を操作して
攻略を開始する
プレイヤーによってエンディグはバラバラ
けして同 ....
飯能市街を抜けて山間へ
僕の運転する車は
滑らかに進んでいく
しだいに狭まる谷を抜けると
山間の集落が現れる
カヌー工房とか
材木屋とか
しゃれたパン屋とか
横目に見ながら ....
傾いた日常の上
遠くへ消えてゆく遊園地
小さな観覧車が今日だけは大きく見えた
カタン、と揺れて 世間に揺られて
ただ西へ吸い込まれる
静まりかえったホームを歩く
冷たくなった1 ....
タールに浸した翼を
バサバサと音を立てて
羽ばたこうとしている
悲しみはついに水源に至る
さるご婦人から頂いた
ラヴェンダーの香水を
春先に洗面所で誤って
落として割ってしまって
....
ぶらりと定食屋に入った
カウンターのうえに並ぶおしながきを見ていて
カツ丼をもうながく食べていないことに思いあたる
学生のころ日に三杯は食べていたカツ丼
あれから二十年か・・・ ....
シルクスクリーンのような
霧がうっすらと地表を覆う
田圃の道路走行
奥久慈の紅葉に
男体山?
その後
袋田の温泉街を抜け
歩くこと数分
瀧不動の参詣は五分
人工の遊歩道は
....
私は日本に生まれてくることができて、本当に良かったと思う。
美しい価値観。
山と海に囲まれて、豊かに育まれた自然。
互いを大切に想う、和の ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか
田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく
華 ....
香の濃いコーヒーの匂い
時間など忘れてしまいそうな一時
走るのを止めないのは
駆け抜ける風が心地いいから
旅にでるからもちものはきびだんごで
そういって後にした
数 ....
夜のまんなかで
煌々と
月は月している
そのまわりに散らばった
それぞれの場所で
星たちは星している
宇宙はなにを
ものまねして
いるの ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ
夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを
縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
放埓に道の辺を埋めては幾重にも重なり
紅く、山もみじの朽ち葉を華やかに散らして
浄土の途には細やかな初しぐれ、
ただ傘もなく二人痩せた身を苛む。
勾配のぬるい瀝青の坂道には影もなく
緋色 ....
軽やかな部屋
羽ばたくように
真鍮の鈍い光の反射
中空にあるのは
現世から浮かびあがろうと
何ものにも縛られたくないと
軽やかな意識で瞑想したいと
でも思っているのか
未熟なま ....
全寮制の中学に通っていた
六時から十時までは
途中休憩をはさんで学習室で勉強だった
中間試験が終わった十月の土曜日
その日だけは自習時間がなかった
テレビ室には二十人くら ....
{引用=off
部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。
街灯の光がカーテンを透かし
....
天気の良い
朝方だったかしら
母が
庭の小さな一角に
ありがとうの種を
植えたのを見た
それから
気になってはこっそり
母を
見ていた
芽が出て
茎が伸びて
母の背丈を ....
踏切
仮に待たされたと考えて
横切っていく貨物列車の裏側には
「さよなら」さえも存在しない
元々は一方的に出来合いとして扱われていたのだから
どこにも間違いはないと言えるのだが ....
奇妙な絵だった。
空には赤い月
青いグラディエーションの夜空に星はない。
地平産は白く
大きな駱駝が1頭
太い大きな足は象のようだ。
蹄はなく
指が3本
駱駝の顔は大きい。
....
これが何を意味するかは解らないけど、
この痛みは確実に、私の身体を蝕んでいる。
何とかしなくちゃとは思うのだけど、
行動に移す程の事でもないかと、思ってし ....
丁寧に折りたたまれてぼくの声は
秋の海の波打ち際
街路が冷たい空気に抱きすくめられる前に
こころを回収するために僕は駅へ向かった
音がいつまでも鳴り止まない海
音声もまたエネルギなのだ
....
十月さいごの日だまりが
ぼくらに光を継いでゆく
風のしたで悲しみをかまえ
いちばん好きな他人を失う
恋人の不実をまえにして
ぼくは悪くなかったのか
神様、怒って ....
横長の陽射し
オレンジ
リビングに
果実むく手と濃淡つくる
蜜みたい
トランペットの音のびる
指ですくって
夕焼け、とろろ
朱をぼかし
うすもも塗って
金散らし ....
そこには白い夜が横たわっていた。
美しい肢体の上には黒い枯れ木が今にも折れそうに、
風に揺られていた。
私はその枝をポキリと折って、
彼女の口元 ....
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