ぶらりと定食屋に入った
カウンターのうえに並ぶおしながきを見ていて
カツ丼をもうながく食べていないことに思いあたる
学生のころ日に三杯は食べていたカツ丼
あれから二十年か・・・ ....
シルクスクリーンのような
霧がうっすらと地表を覆う
田圃の道路走行
奥久慈の紅葉に
男体山?
その後
袋田の温泉街を抜け
歩くこと数分
瀧不動の参詣は五分
人工の遊歩道は
....
私は日本に生まれてくることができて、本当に良かったと思う。
美しい価値観。
山と海に囲まれて、豊かに育まれた自然。
互いを大切に想う、和の ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか
田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく
華 ....
香の濃いコーヒーの匂い
時間など忘れてしまいそうな一時
走るのを止めないのは
駆け抜ける風が心地いいから
旅にでるからもちものはきびだんごで
そういって後にした
数 ....
夜のまんなかで
煌々と
月は月している
そのまわりに散らばった
それぞれの場所で
星たちは星している
宇宙はなにを
ものまねして
いるの ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ
夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを
縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
放埓に道の辺を埋めては幾重にも重なり
紅く、山もみじの朽ち葉を華やかに散らして
浄土の途には細やかな初しぐれ、
ただ傘もなく二人痩せた身を苛む。
勾配のぬるい瀝青の坂道には影もなく
緋色 ....
軽やかな部屋
羽ばたくように
真鍮の鈍い光の反射
中空にあるのは
現世から浮かびあがろうと
何ものにも縛られたくないと
軽やかな意識で瞑想したいと
でも思っているのか
未熟なま ....
全寮制の中学に通っていた
六時から十時までは
途中休憩をはさんで学習室で勉強だった
中間試験が終わった十月の土曜日
その日だけは自習時間がなかった
テレビ室には二十人くら ....
{引用=off
部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。
街灯の光がカーテンを透かし
....
天気の良い
朝方だったかしら
母が
庭の小さな一角に
ありがとうの種を
植えたのを見た
それから
気になってはこっそり
母を
見ていた
芽が出て
茎が伸びて
母の背丈を ....
踏切
仮に待たされたと考えて
横切っていく貨物列車の裏側には
「さよなら」さえも存在しない
元々は一方的に出来合いとして扱われていたのだから
どこにも間違いはないと言えるのだが ....
奇妙な絵だった。
空には赤い月
青いグラディエーションの夜空に星はない。
地平産は白く
大きな駱駝が1頭
太い大きな足は象のようだ。
蹄はなく
指が3本
駱駝の顔は大きい。
....
これが何を意味するかは解らないけど、
この痛みは確実に、私の身体を蝕んでいる。
何とかしなくちゃとは思うのだけど、
行動に移す程の事でもないかと、思ってし ....
丁寧に折りたたまれてぼくの声は
秋の海の波打ち際
街路が冷たい空気に抱きすくめられる前に
こころを回収するために僕は駅へ向かった
音がいつまでも鳴り止まない海
音声もまたエネルギなのだ
....
十月さいごの日だまりが
ぼくらに光を継いでゆく
風のしたで悲しみをかまえ
いちばん好きな他人を失う
恋人の不実をまえにして
ぼくは悪くなかったのか
神様、怒って ....
横長の陽射し
オレンジ
リビングに
果実むく手と濃淡つくる
蜜みたい
トランペットの音のびる
指ですくって
夕焼け、とろろ
朱をぼかし
うすもも塗って
金散らし ....
そこには白い夜が横たわっていた。
美しい肢体の上には黒い枯れ木が今にも折れそうに、
風に揺られていた。
私はその枝をポキリと折って、
彼女の口元 ....
叔父さんと凧揚げしたのもこの川
台風一過の増水を父と見たのもこの川
あいつと夕陽を見たのもこの川
家出して夜を明かしたのもこの川
好きだった子の手作りを初めて食べたのもこの川
利根川の ....
残り少ない飴を手に取り
それを口の中に運んだ
昔々の魔法が使えた頃の日々は
それはそれは楽しそうだな
軽快なケルト音楽に合わせて
何処までも蒼い草原を杖片手に歩いた
....
いちばん近くて遠い存在として
見境のない誘惑をちゃんと咀嚼する
娯楽にカテゴライズされた挨拶たちと
唆すような評価に付きまとわれて
充実がもたらす疲労、あるいはその逆
座るべき椅子はいつ ....
僕には
人生の目的が分からない
人生をどう生きていいのか 分からない。
もう人生は冬の時期に入ろうとしている。
でも僕は 虹の彼方に
きっと幸せがアルト信じている。
IZことイズラ ....
探しているものは案外そばにあって
あちこちひっくり返したりしてるその手の
袖口に引っかかっていたりする
最後にきみを見たのはいつだったか
霧がかかったみたいにぼんやりとしているけれど
....
暗闇に蹲っている。
寒い、寒い此の場所で、
独り寂しく膝を抱えている。
目の前には、一筋の光。
温かい風が、その光から流れてくる。
....
一瞬の中に永遠があった
女の顔に夕闇があった
わたし
たちは
あえぎ、つぐむ。
怒りの中に悲しみ
嘘の中に真
光の中に闇があった
灰の中に黄金があった
王の中に奴隷がいた ....
蝶と呼ぶにはあまりにも大きな黒い羽を蝙蝠と見間違い
「哺乳類なら子をうめるのでしょうね。」
そう信じたいわたしは心臓から大腸までを綺麗に束ね、
唇で結わえて感覚的スイッチを押した。
....
あなたの死体をバックシートに積んで
ぼくらは暁の町を出た
あなたの死体をトランクに隠して
ぼくらは旅立つ
ゆうべあなたを臥床の上で捕らえたとき
あなたは叫んだ
四角い箱のなかにあなたを押し ....
分からないままに歩き続ける
たどり着く場所なんて知らない
まして此処が何処かなんて
想い描く余裕もないから
ただ流されるがままに
諦めて誤魔化して色褪せていく
その世界を壊せばよい ....
聞こえるの
まだ悲しくないあの頃
振り向けば
そんな気持ち片づけて笑ってる
遠い
記憶のまだまんなかで
夜道を
祭りのあとみたいに歩く
月明かり
....
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