日本でホームレスであるということ
マズローの欲求でいう生理的欲求を満たし
安全欲求をかろうじて満たしているひと
かろうじてとは
安全欲求を完全に満たしてしまえば承認欲求のステージにいってしまう ....
# プロローグ
太陽の陽射しとご主人様の肌触り
どちらもあたたかい
ひざの上で寝たふりをする特技は
生まれついたもの
薄目をあけて見わたす庭はいつも
かがやいていて眩しい
さあそろそろ出かける時 ....
入ったときは営業職のエリートで
国内海外飛び回り、
買い付けた資源や文化の紹介
もちろん行かない所は無い、
西はジブラルタルの突端で
愛を語ったこともある。
東は ....
ためらいがちな足音へ
黒猫がライ麦畑を横切る頃に
まあるくなりたい
ひだまりのにおい
そのままのひだまり猫は
午睡したまま動こうとしないですね
向日葵の群生
その下を駆け抜ける
....
今夜もまた 不意になった想いがひとつ
出店の焼きとうもろこしと一緒に胃の中に消えた
溶けたでんぷんは腸を渡り吸収され
明日を生きる活力となって
新たな恋に動かせてくれるだろうか
みんなで始め ....
嵐のまんなかで
ページがくられるように
きみは離れていった
永遠なんて言葉で
さよならしたふりをするのなら
ふってくれたらいいのにね
もう二度と会えないひとなんて
ほんとうにいるのだ ....
ねえねえねえってば
私がパソコンの画面指差してるのに
あの人は我関せずとばかりに出かけてしまった
公園の桜でも眺めに行ったのかな
パソコンの画面に目を戻せば何だか騒がしい
う〜ん ....
{引用=・・・私死ぬのね
はらはらと満開の桜が散る中
私死んで行くのね・・・}
最後まであなたの愛にすがって生きていたかった
少しは私に愛が残っていると思っていたのに
結局あなたは私 ....
絨毯に虹ができていた
ガラスのテーブルのせいだろう
この世はひかりで出来ている
否、この世はひかりで見えている
否、この世はひかりのようなもので出来ている
テーブルはガラスで出来ている
虹 ....
黒光りする盧舎那仏は
大仏殿のひんやりした空気の中に
佇む自分を見下ろしている。
盧舎那仏に見られている
自分だけではなく
その場に佇むすべての者に
注がれる大仏の眼差しは
見る者からは ....
どういう仕組みか知らないが
ペットボトルに羽虫がいた
難儀な自殺と考えた
助けようとも感じたが
入り口は小さいし
はさみで切るのも億劫だ
干からびたボトルを放置していた
という点
....
今ならもう、誰もみてないからさ
安心して咲いてくれ
みんな毎年見てるはずなのに
忘れちまうんだとよ、お前らのこと
俺もお前だけは
忘れないよう覚えておくからさ
だから、また ....
{引用=
繋ぎたい手をわざとに隠す
距離に焦がれる眼球を
胸に取り込んでベッドまで持ち帰る
ランプの灯りに意識を漂わせて
アルコールを一口舐める
(あの丸くて柔らかいの欲しいな)
(ホル ....
情事のあと
ホテルを出て町をぶらつきたかった
春の夜風がよくなぶってくれている
高知の町にいても
坂本龍馬に思いは馳せない
川面にはさざ波がたっている
それはそう見えるだけで
た ....
青い雨と蛍光灯の光が見える
朝めざめてまだ空いている車中で
ぼくのまだ冷たい鼻を中心に
きょうも世界を考えはじめている
命を使いきることを課していたら
不倫なことはしたくなくなる
どう ....
{引用=からだの奥から
たらたらと
わたしが滴り落ちていく
産声とともに泣いた日の
わたしの初めの一滴を含んだ雨で
シーツを洗いたい
足跡にそって
てんてんと広がった池を
みじめな ....
空にはまあるい月が照り、
山には桜の花満開
それを眺めるウサギの背
一緒に踊ろu とタヌキ数匹
その囃し歌 wo
井の中の
蛙が聴く
こんな満月の宵に
夜桜満開
浮かれた蛙 ....
はろー はろー
わたしはここにいるよ
きみがしってるわたしはここにいる
だからさがさないでね
おやすみ ぐっない
いいゆめを
女たち二人が男に言い立てている−−
女1:その言葉があなたのものである証を示しなさい
女2:言葉はあなたのためにあるのではない
女1:あなたが体験したものはあなたが体験したも ....
いくら考えてみたって、それは
途方もなく大きな壁だし
やっぱり誰かの覗き穴なのだ
漏れてる光は淡くて黄色くて
きっと幸福を形にしたものなんだけど
爪あとに似た影も見えるね
だからき ....
これって何かの間違いだったりして
夕方近くに先日面接受けた問屋さんからの着信
胸の震え抑えつつ電話に出てみれば採用しますの吉報だった
他の誰かと間違えていないよね
いつもの野良猫に ....
雪の降り積む
季節の頃に
じっとつぼみを
育んできて
やわらかな光が
いま やさしく包む
きょう、桜の花が
咲きました
これからずっと
幾年も
ふたりでいつも
過ごします ....
コンビニの袋をちりちりいわせながら歩いていた
夜風のなかに小便のような匂いがした
あたりを見回すとその匂いはツツジの群生からこぼれていた
それは甘くて涼しいヨシミの匂いにも似ていた
連休ユ ....
君に対して
誠実な言葉を口にすることが
できなくなったのは
君が僕を軽く扱うから
それは僕が
気が付かないまま
不誠実な行為を繰り返して
いたからなのか
ゆっくりと壊れてゆ ....
新雪の上にあし痕をつける代り鮮血を垂らす
雪の原(畑で可)に裸の女3人をしゃがませる
1の女は経血を垂らす
2の女は死産児を産み落とす
3の女は陰部にナイフが刺さっている
3人の女の流血 ....
赤色のじゅうたんのうえを靴音をしのばせながら歩く。
五歳のポールは早くも昨日の夜からカルナヴァルの予感を感じていて、鏡の前で衣装あわせ。
おしゃまな彼は、オペラ座の舞台で道化を演じる花形ダンサ ....
そのメーカーはあった
コガネイ係長の言うとおりだった
最初にかけてみたメーカーがそうだった
そこのなら、移設でもシステムやりかえでも、何でも出来ますよ、元そこの社員の設計がうちにはいますから ....
圧迫 閉塞 窒息
肺をもがれたみたいで
息が出来なくって
縋るように窓へ駆け寄り
愕然とする
そこにも また
目の醒める様な拒絶があった
月が綺麗ね
あなた
三日月であろうと
半月であろうと
喩えば新月でも
夜空見上げて
語りかける
まるであなたが
横にいるかのように
月が綺麗ね
あなた
雲に隠 ....
耳の中、ゆっくりと流れ込んでくる群青色の金属音は
きりり、きりり、と子守唄気取り
前に進めば、曖昧なクラシックが見えてきて
立ち止まれば、冷えきったエレクトロニクス
遠い国か? い ....
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