やさしさが舞い降りる夜には
てのひらの温度が少しだけ
高くなるのかもしれないね
指の透き間から流れて行く光たちは
零れて終わってしまうのでは無くて
それぞれの辛い道のりを
....
逃避するのは
悪いことじゃないですよ
カウンセラーはそういう
あたしも うまく
逃避して
現実をやりすごせるようになった
でも・・・
キミのことだけは
逃避すること ....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている
ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
あらゆる情念は鳥のように去りゆき、今やもう海の彼方
きみの温めた卵はもう何処にも見当たらない
いづれ粉砕されるのを知りながら体温を分かち
最後まで希望と名付けることはなかった
そんなきみの熱情 ....
{引用=猫讃仰フェスティバル参加謹呈}
ライオンちゃんは喉が渇いて大変だ。
サバンナでは半年も雨が降らないので、揺らめく陽炎に口を開けて待つ顔
があまり可哀相にも見えないのは、渇望と失望の間で ....
君は風船だ
空高く昇って行くのだ
目一杯膨らんで昇って行くのだ
しかし、
パチンと割れたらもうおしまい
だが
君は空の高さを思うのだ
内なる圧力を思うのだ。
僕はポンプだ
君を目 ....
第一幕 (森の妖精たち)
矢継早に、四方より登場
わたしは、碧――
贅沢に華を散らして
眩しい朝の陽を浴びた葉桜のように
濃淡の影も爽やかなみどり
わたしは、黄色―― ....
その意図あなたへ
丹精こめて織りました
今のわたしの全力です
受け取ってください
春がめぐる
Tシャツ一枚で飛び出した
始まりを予感させる陽気のただなかに
死んだ季節の影法師
....
進化の枝につかまって
落っこちそうになりながら
僕らはみんな五本指
ものをつかむための指
進化の枝につかまって
落っこちそうになりながら
僕らはみんな四本指
速く走るための指
進化の枝につかまって ....
十年まえ
ぼくらは帰り道ひとりごとを抱えていた
いまケイタイにひとりごとを奪われている
ひとりごとが減るとどうなるのだろうか
その答えはよく分からない
ゆとり教育の結果を
当時はだれも分かっちゃいな ....
ようやく僕の窓にも光が差して来て
暖かな日差しを感じるようになって来た
めいっぱい窓を全開にすれば
この病んだ部屋にも新鮮な空気が入って来て
まるで心が洗われるよう
しばらく窓辺で風に吹 ....
5
成り成りして成り会わないところと
成り成りして成り余っているところを
刺しふさぐ
ため
類人猿は歩きながら
歩きながら
空腹を覚え
傍らの虫を食 ....
人工のひかりを掻き消して
頬を青暗く染めるのは
ぼくのピアノの音だけだろう
難易度F別れの曲など弾きながら
きみ訪ねてくるのを待っている
東名高速を走りながら
....
蚊帳の蚊を十字架握り刺し殺す
中洲に立ち止まった時間
初めてなのに何故だか懐かしくて
辿った記憶の終着点には
少年が笑いながら花を引きちぎっていた
涙腺をどこかに落っことしてしまったことで
確かに愛は死体となった
....
かび臭い二月に始まる
情けない恋のうたをサチコに
ぼくはある日
茶色い少女に恋をする 髪も制服も靴下も
少女は教室で教科書をカバンに詰め
僕は黒板のようにそれを見ていた
せっかくの ....
新緑はどうしようもなくさやかに
その繁を濃くしてゆく
往来の音が木々を揺らす風のようだ
どんな死に方になるだろう
どんな生き方を不動とするだろう
唇をよこに引っ張って上げてみる
往来の景色 ....
手を洗って でかけよう
東小金井にある森さんの家に
靴をぬいで家にあがったら
マリファナ茶をのんで
空色のハンカチを洗たくする
でもその日は結局
ぼくは一人で部屋にいた
....
日曜日 桜ははけて 古城を囲うお堀の濁水が媚びさえ売らずぬるく照り返す水面の気がよく晴れた正午すぎ
ごくごくささやかに 家庭的なもののなぐさめを求めてスーパーマーケットへペダルを漕いで行く
わ ....
エスカレーターに乗ったらAKB48の特大ポスターだらけ
メンバーそれぞれがアイドルらしさ決めている
化粧品でもと立ち寄っただけなのに
ちょっとびっくしだよね
私かわいいでしょって屈託の ....
花が肉のようだ
植物のさやかな匂いだ
ツツジよ
おまえはだれなんだ
会えない恋ごころ
会えば終わってしまう
ふられているようなもんだ
あざやかな足元の花よ
おまえの秘部ならば
口つけることもいとわな ....
成り成りして成り会わないところと
成り成りして成り余っているところを
刺しふさぎて
霧に包まれた丘の上に浮かぶ洋館
その二階の出窓は開け放たれ
類人猿の咆哮が丘の下まで響き渡る
す ....
Gee,rubs you,yeah,yeah,yeah
自慰 rubs you,yeah,yeah,yeah
爺 rubs you,yeah,yeah,yeah,yeah
カアちゃん女じゃ ....
死んだ後もしばらく
髭は伸び
爪は伸びた
倒産会社の残務整理のように
皮膚はとまどいながら惰性で仕事をした
死が内側から行き渡るには
相応の時間がかかった
この人の腹を拭う
動 ....
宮沢賢治とは
修羅である。自分の存在を青い有機交流電灯の照明だとする。
人を食らって生きて行く。
焼身願望
人のためとは
赤い眼をした鷺の視線
己 誰かの視線
カンパルネルラの自 ....
夕方の空が好きだ
なぜならそれは
あたしの精神のカルテだからだ
群青に染められてゆくそのまえ
夕方の空が一瞬しらんでから青を濃くする
あたしのカルテが空に広がる
首をあげて見つめている
....
四月
{引用=Ape real et p reel
A pull eel Apple wheel}
赤いあめ玉あなたにあげる
あまいあまあい愛をあげるよ
あたしのあんよはあめんぼ ....
私は
歩いて走って揺さぶられて
変わらないものを探した
第一に人間は除外
なつかしの味も朽ちていく
建造物も壊れては
人間がつくるもの大抵
それならましてや見 ....
大阪に引っ越してきてから
足元を注意深く見るようにはなったが
以前のように、空を見上げることは少なくなったかもしれない
目まぐるしく流れていく時間に憧れて
気付けば270円の足に依存してい ....
碧く淀んだ沼の天空に
鈍く光る月明かりを
じっと受けている猿一匹
沼の水面から首を出し
辺りに潜む得体の知れない瘴気を伺い
この沼が池だった頃の
(猿の)古老の話を思い出すも
早くこ ....
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