カラカラの洗濯物
風の匂いを吸い込んで
ロサンゼルスまで放り投げた雲も
そろそろ戻ってくるだろう
最後の夏が終わるけど
また会えるよね
君と君と
かき集めた砂場のすなを
そっと ....
雨が屋根をたたいている
夜は
この街の夜は いつも雨
世界を願う歌や 戦う人の歌を聴いた
胸焼けがするほどに湧いてくる
愛する人を失って家を無くしたら
私が家になればいいの きっと
わか ....
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飛べ 飛べ
おれよ 飛べ
まっしぐらに 飛べ
何も考えずに 飛べ
踏み切って 滞空する時間に
脳裏をめぐる 想いは
展開の素早さに ....
転がるように、おどけるあなた
まるでピエロみたいだった
はらはら、わたしは
あなたが演じるあなたを
ただ見つめてる
空中ブランコ、ゆれてもその手を
つないだその、手をはなしたくはな ....
胡瓜がある
美しい弧
青々とした肌
適度な間隔を開け
並ぶ突起
私の若い頃には
胡瓜は地を這い
地と接する腹は白かった
緑と白、間に黄色
あの化粧っ気のない胡瓜
最近見なくなっ ....
雨のスクランブル交差点を眺める
2階のCafeで
木目のテーブルの上に
「 アランの幸福論 」を開く
信号が青に変わり
湿った白い梯子の上を
流れ出す
色とりどりの傘の ....
・
夜
飲みさしのコーヒーの中に
砕けた夏を発見した
掬い上げようとしたら
逃げるみたいに砕けて沈み
底の方で銀色に光っている
人差指でかき回すと
跡形もなく溶けてしまった
....
B列車で行こう
一つ前のA列車は
もうとっくに発ったから
B列車で行こう
ひとつ後ろのまたその後ろの
A列車に何回追い抜かれても
バナナトレインで
バナナシガーくゆらせながら
....
削りカスが飛散すると共に
針に光沢が戻る
ぎざぎざの淵がついた葉に差し込むと
一瞬抵抗した後屈服する
雪に墓標を立てる
片栗粉のような景色のなかに虚ろに佇む
立てられた ....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする
水と油
そんな感じで
高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
僕の名前は皆月零胤 でも名前はまだない
多分それは小学五年の夏休みが折り返した
そんな時期だったと思う
空き地の隅には僕たちの秘密基地があった
それはホームレスのビニールシート ....
大塚
都電の線路沿い
ホープ軒の隣の隣にある世界飯店は知る人ぞ知る世界飯店
一番の人気メニューはぱりっとした鴨焼飯
1000円
B級グルメというジャンルがあるらしい
B級
俺が今 ....
080820
夜というのは
夜があるのは
地球人には当たり前
でも
太陽人には不思議なことで
夜なんて
何処にも売ってない
もしかし ....
果てしない闇の中
なぐさめの月を抱く
その瞳に映す僕の罪は
笑うたび優しく刺さる抜けぬ棘
欲望は満たされることはなく
偽りのぬくもりは
終わったその瞬間から
この手の中から零れ
漆 ....
私はあなたに買わされた
死人リストと
講義が退屈で死にそうだ
あなたの指揮するその
歴史を俯瞰する傲慢な
ええじゃないかに乗り切れない
平成のご時世に
タイ米を食ったのだ
この俺は
....
選んだ道を歩いている
振り返れば
違った道もあった事を思い知らされる
この道がどこへ続くのかは
最後まで行かないとわからない
今日はどこへ続いて ....
今日も地球は回っていて
誰が休もうが
巡り巡るこの世界に私はいて
犬がシャーシャー吠えたと思ったら
郵便物が届けられて
雨が降ったと思ったら
テレビに写る虹が恋しくて
何の許可も ....
あたたかな毛布にくるまりながら
君の名前を小声で叫んでみる
世界のはじっこで
群れにはぐれたトナカイやヒツジも
安心して駆けつけてこられるような
優しい距離で
いつのまにか伸 ....
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君はそこにいて
ぼくはここにいる
目線は同じ、でも
距離は5mくらい?
ホームを隔てて合図をした
君が手をふって答えた
ここがふたりの乗換 ....
実(じつ)より名を とりに行く人
きらびやかな世界
みたくて まといたくて
いつか そんなひとたちの
実(じつ)が埋まる日はくるのかな
そしたら 名を持たないあたし
小さな赤い木の実 ....
「頑張って!」
と思わず口に出してしまう
それは頑張っている他者への共感であり
ふりかかる火の粉を払おうとする
ある種の逃げ口上とも言い得て
決して自分の事ではないのだから
「それじゃ ....
髪からはずした指で頬杖をつく
汽車の窓をみつめて
腕組みしながら眠るあなたに
微笑んでみる
間違いといわれて問わずにいられない
どんな女が好みでしたっけ
もうすぐだよ おきて
少 ....
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人は眠る時
幼児のように身体を縮こませ、
頭を頷くように祈る。
その姿はもはや
眠っているのではない。
魂ははるか遠くに飛翔し
彼は祈って ....
これからぼくは
いくつのことばを殺すだろう
それを
知らずに生きぬいて
いつか必ず殺されるだろう
ことばへ死にゆく
ぼくなのだから
これからぼくは
いくつの ....
暮らすように歌う
寒ゼミの最後の声が
あかるいよるの雲の腹の
内側であふれている
世界ということばがあまくかじられて
「明日死ぬかもしれない」と
しろい猫が鳴き
び ....
いちご味のアイスクリームが
水たまりに落ちて
七色の油が
水面を走って拡散していく
その上をコンビニのレシートが
巨大タンカーみたいに
悠々と流されていく
アスファルトにひざまずいて
....
国道を南下すると
海がひらける
それは
わかっているつもりだった
潮の香りがしている
目を細めて見つめている
+
波打ち際で
砂をかく
砂をかくと
掘り起こされてしまう
....
瞳を覗き込んで
悪戯に誘いをかけてみようか
優しい風に乗せて
悪戯に愛を囁いてみようか
こころを曇らせて
悪戯に雨を降らせてみようか
今夜の三日月ぐらい薄っぺらなこころで
....
080811
4次元のポケットに石を詰めて
軽く振ってみる
4次元ポケットに石を詰めて軽く振っていたら
猫型のロボットが目を覚まし
頭の構造を簡 ....
なにひとつ 同じでいることのできない私が
潮に洗われている
洗われているのは 海なのか 私なのか
あなたの口ったら おさかなみたいに うごいて
「ほら みてごらん海蛍だよ」と、教えてくれ ....
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