かあさんと旅した町は
あいにくの曇り空

灰の四辺に囲まれて

虹のリボンが
ゆれてます

ねがいよかなえと
ゆれてます


愛情はピンク 健康はみどり
お金は ....
―朝

ビルの階段を降りて行くと
何かの軋む音がする

たくさんの
時間の積み木が
押し合い
こすれ合って
順番を決めている

―歩道を歩く

山桃の並木が
慌てて生え ....
暗い薄墨色の空を
綿ぼこりのような
存在感のない雲が満たしている
空がすごく低い

薄い夜空から落ちる雨が
僕の身体に滲みこんでいく

街灯に透ける僕の指
二重にブレてぼやける
街 ....
控えめに訪れる
波の繰り返し
耳鳴りは怒りを洗い流して
眩い光りの群れが
手のひらで踊り出す

地平線で別れた
青と蒼が
波打ち際で
何億年ものの歴史を
そっと置いて行って
未来 ....
朝、仕事場のブチョーと一緒になってしまい、ヒジョーにメンドクサイ気分で会話を交わす。
ナゼかしきりにトラック運転手を勧められた。
何だ?ヤメて欲しいのか?

久しぶりに会ったあのコはちょっ ....
カギはかけてないのに

なんでだれも入ってこないの


ユーアーウェルカム

発音は完璧なのに



帰国子女の
「チュッパチャップスなめるとRの発音が良くなるよ」 ....
とおい秋に
実るものはなんだろう
わたしが実家の門を通るときに
ふと、かいだ
祖父が築いてきた
歴史のにおい
短いとも長いともつかない


毎朝はやく
仏壇に水をあげる、祖父
 ....
風の中で震えていた瞳
あの日突然奪ったくちびるを
二度と忘れはしない

美しい少女よ
一生分の愛を君に捧げよう

自分勝手な愛で
君を愛し続けることを許して欲しい

例え永遠にこの ....
そうゆうんじゃない
肌に頬を押しあてて
脈打つ血の
ほんとうの色が浮き出すのを待ちながら
したい理由をききたい
耳もとで
吐く息にまぎれ込ませて
「どうして…?」とききたい
衝動にもゆ ....
? 蝶

シ/モクレンの一秒は
蝶の魂と同じ

奇妙に歪んだ美醜の契りが
爪先で蠢いて翅にかわる


うす紫がゆっくりと溶け出し
バスタブの温度を下げる

浴室で眠る蝶の夢は
完全に対称 ....
?さなぎ


蝶になる夢は決して見ない
蝶はさなぎの絶命

羽化を怖れる振り子は
細かく震えつづけている



?さなぎの夢

夢を見た
全ての扉の色彩を留めたまま
完成を拒んで
壊れ ....
宅配便の到着を知らせる呼び鈴に立ち上がると
私の下半身を跨ぐように放屁ひとつ
あけすけな音と不摂生な臭さにパタパタと手にした雑誌で扇ぎながらも
これが夫婦ってことなのかと改めて考え直すまでも無く ....
霧につつまれた煉瓦通りを突当たり、
古いビルの地下にその店はあった
暗い夜の匂いが滲みついた長尺のカウンターには、
いつしか様々な顔と顔が並んでいた
俺は雑音の混じるオスカー・ピーターソンのピ ....
さくら さくら

遠い さくら

僕の心

どこに消えた

さくら さくら

花の声

追いかけて

君へ届け

命の香り

透ける刻を

風に揺れ ....
チェーン店のカレー屋で 
「グランドマザーカレー」
を食べていた 

自動ドアが開き 
ヘルパーさんに手を引かれた 
お婆さんが店に入り 
隣の席にゆっくり  
腰を下ろした 

 ....
拍動し続けようとする循環器
食べ物を消化しようとする消化器
呼吸し続けようとする呼吸器

その自動性はいつインプットされたのか
何処に記憶されているのか

脳に?
臓器に?
細胞に? ....
遊び明かした夜も終わり
よそよそしい朝の光が
地上を照らしている
空気はまだひんやりと
あたしの火照った心を冷ましていく
刹那、
解散という空虚が胸をよぎる
そんな夜明けを嘆いた

 ....
ひとりで育ったホルトの花
透明な花粉にむせて
おとうさんは毎日
緩く息を止めた
時々家に来たトロバスに
一緒に旅立ちを(そっとして置く事を
決めた親友も、乗り続けている
ぼくはなぜ何人も ....
カルピスの底みたいな白濁色に
おぼれてしまう人を笑うことなど出来ない


明かりがいつも灯っているわけではなく
でも闇ばかりというわけでもない
はっきりしない色に囲まれて
遮られた視界を ....
 
 
 
枯れた花と風の色が
変わりそうでずっと見ていた
 
流れて行く雲の顔は笑っていた
そんな気がした
 
 
このまま世界の中に
紛れてしまえたら良いのに
 
壁の空 ....
空だけが高い 世界の隅っこ

風が通ることも難しいくらい
君の息遣いが近い

呼吸と伴に薫る 林檎ジュースとカレーの匂い

あれ?

ねぇ君
昼休みに食べたの?

不安な顔はしないで
別に気持ち悪くな ....
そう思い込ませているうちに、お前ソコは放っておいちゃダメだろ?

ってトコまで考えなくなってる。俺は考えるのが好きじゃない。

このままじゃイケナイなあ。

でもそんな事とはカンケー無 ....
 男は、レミオロメンを知らなかった。いや、そればかりかサラ・バレリスもブランディーさえ知らなかったのである。しかしそれが彼の生活にあえて格別の影響を及ぼすということではなく、ただ美しい天使たちの歌声か .... ペットボトルの風車がきゅうきゅうと鳴った
日だまりの静寂
文化住宅の隅にさっと過ぎる影
いつまでも続きそうな
退屈で穏やかな時間
揺らぐ平行感覚
ここが向こう
ここが空
地面から放たれ ....
長い長い、ゆめが落下して
重さを忘れたわたしは、大きな幹の鼓動を聴いている
その音と音のリズムが春の速度と似ていて
甘い甘い、きみも落下する
そこらじゅうに溢れているのは、
多分、今年の
 ....
よっこらしょ

そんなことばが口癖となった
ひとしきり身の回りの片づけを終えると
臨月の大きなお腹を抱え物干し台兼用のテラスへ這い登る

白いペンキを塗り重ねた木製のデッキチェアに身を委ね ....
季節を生む長針は
花の踊りを軽やかに刻み

日常を運ぶ短針は
轟音の突風で
踊り子のフリルをゆらす


瞬間風速
一面に立ち込めるのは、この春の香り



シャッター音
静止する時間が ....
(地下の喫茶店ではジャズが流れ)
しかし、あれですな。
どうしました?
最近の禁煙推進運動にはほとほと困り果てております。
そうですね。
我々喫煙者の肩身がとんどん狭くなっておりますよ。 ....
              090315





灰皿は
投げつけるものと決まっておりまする
灰皿をザリザリ擦り
ザリザリと
ザリザリがザリザリと
ザリザリするから
地 ....
ほ     {引用=すこしゆるむさま}ほっ    {引用=もっとゆるむさま}
ほう    {引用=すこしのびるさま}ほうほう  {引用=もっとのびるさま}
ほ ほうー {引用=かなりのびるさま}
 ....
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