夜明け前の契りに心がざわついている。
 それぞれに瞳を持つ全身の細胞が私の眠りを妨げる。
 これはいけない。
 開いた目の奥で過去の夢を見てしまう。

 見慣れた天井の染みが蜘蛛の巣に ....
私が帰る家は、
ここではなくて冬にある。
冬の明け方近くに外に出ると、
街全体が私の家になる、
家には誰も乗っていない
ブランコがあり、
北風に吹かれて揺れている。
私は自販機で温かいコ ....
海に行きたい
夏の海に

あなたとの強い想い出の大抵は冬で
冴え渡る多摩の空の下から富士を望んだり
電車に揺られ詩的なものを探しに出たり
さよならを言えずに雑踏で握手を交わしたり
冷めな ....
あちこちに 弱音を吐いて歩く


だまりたい


自分の傷を みてみてって ひけらかす


だまりたい


大切な人との秘密も 口走ってしまう


だま ....
強く抱く溶けて消えれば雪女  ひだまりの

冬に
春をおもうのは
にんげんだから

そもそも猫は
冬という言葉の意味を知らないから
まるくなってねむるだけ
ふゆ、と呼べば
ニャッと短い返事をするのは
冬、と ....
{引用=生きながらえて帰れば 非国民と呼ばれ
生きていたら 厄介者扱いされ
息をしていたら 珍しがられ
長生きをし過ぎると
見なくていいものまで見えてしまう

あなたの青春は何色 ....
公園の雪やまを
手作りのコメ袋そりですべる
子どもたち 
一年生か 幼稚園か
寒いも楽しい
声がひびく
日差しにきらめいて
晴れ間の青にとけてゆく


眺める距離は時間
心は容易 ....
どれくらい時間が経っただろう
もうずっと
海の見える街で
透明な観覧車に乗り
まわっている

昼間の
高い位置からの眺めにみつけた
泳ぐ船体はすこしずつ南方へ向きを変え
遠ざ ....
墓穴までひとりで背負う雪だるま なんの魂胆かしらないけれど 鬼って悪い奴じゃなかったよ
たましいにも ふたつある魂と魄って書くんだって
どうやら 魂は精神を支えていて、魄は肉体を支えているらしいよ
どちらにも 鬼がいるよ ....
冬が通りすがりに蜜柑をひとつ
窓辺へ置いてったようだ

不用意なこころはすぐ凍傷にかかってしまうから
ちょっとした季節の気遣いにも丁寧に礼を言おう

ざわざわとした毎日を蹴飛ばし
転がし ....
白い都会の硬い土塁の中
あなたが灯をかかげれば
わたしは虹を灯す

遙かなやまの森の中でも
あなたが歌えば
わたしもさえずる

海の彼方の小さな島で
あなたが跳ねれば
こころは ....
ビニールテントのテラスから遮断された人と人
店の中でこじれる男女の恋愛騒動が綺麗に片付くころ
会社のやり方が気に入らない中間管理職同士のマグカップは 
同じ濃さの苦さで話をかき混ぜ 飲み干すこと ....
入り口ふたつ出口みっつで
どこから入ってどこから出るか
選択可能な未来はむっつ。

のぼり梯子ふたつ落下ロープみっつで
どこから登ってどこから降りるか
選択可能な未来はむっつ。

未来 ....
 
言葉はいつも裏切るから

唇をあわせて

せめて、ぬくもりをちょうだい



 
「仕事、首になった」
今にも泣き出しそうな顔で、
「別れてもいいよ」と言ったきみ


半年探して やっと仕事が見つかったから
長い間 待たせてごめんねって
プロポーズさ ....
午後八時になると
地下の廊下と階段を降りていき
つきあたりの牢にアイオンスはいる

アイオンスは
青い毛皮に
五本の足と三本の尾を持つけど
顔だけは犬に似て整っていて
嘘ばかりしゃべる ....
エネルギッシュなはずの街を見回しても
私以外は答を導くことが出来ない

時計が回るだけの何の変哲もない日常
下を見ても上を向いても川は流れる

なぜ いないのか
なぜ おまえだけがいない ....
吐く息で散り 
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
瞑る心臓 跳ねる魚
口いっぱいに頬張って
ダシテ マタ クリカエシテ
僕は確実にろうそくより青 ....
深雪晴見上げた頃は恋でした 旅人が蜃気楼に眼を奪われるとき
北極の海を渡る鯨の親子は水平線を越えた
ちから尽きて風が砂粒を運ぶ
まぼろしと磨きあげられた凸面鏡(レンズ)
囁きが星座を紡ぎ舵をきる
真夜中の帆先をみ ....
火がないのに
いつでも
沸きたてのお湯が出てくる
昔、むかし
食卓の上に
魔法瓶という魔法があった

ただいまと
帰ってくる
冬のこどもたちのために
とても温かい飲み物が
瞬時に ....
猥雑な今日が
冬に凍りつき
床に転がされている
意味など
求めなくなった
そのほかの
どんなものにも
そんな気づきが
人を
どこかへ連れて行ってくれるなんて
寝言も
いい ....
 美智とは完全に疎遠になった。ラインもしなくなった。絶対出席しておかないといけない授業で見かけるだけの関係になってしまった。そのたびに嫌な感じがどんよりとあたしに刺さった。この感じは企業面接を受けても .... 鬼の面つけ合って豆投げ合って些細なケンカして抱き合って 現実という時雨が降る朝に
大地が感じるのはどのような温度か
木の枝葉は水滴の重みに耐え
明日の太陽を望んでいる

今、曇った雲の切れ端から
太陽の光が漏れている
影と光が織りなす景色に
 ....
 フランス語には名詞に女性とか男性とかがあるけれど、それはその言葉がほんとうに男とか女とかそういうことではなくて、ただふたつに分けるために男と女という概念をつかっているだけだ、とフラ語の教授が豆知識み .... 朝が
気持ちいいことも

夜が
切ないことも

ぜんぶ知ってる

生きていると
知りたくないことも
知ってしまうものだ
目をつむると見えるものがあった

遠くの山頂に輝く光
道は途中で草むらに隠れ
どこまで続いているか見えないけれど
どこかに沢が有り
林間に小道が有り
小動物の通る道など
きっと到達する ....
nonyaさんのおすすめリスト(5756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
前夜- ヒヤシン ...自由詩5*16-2-6
冬の家- あおい満 ...自由詩4*16-2-6
2016SS- たちばな ...自由詩14*16-2-5
『だまりたい』- 座一自由詩10*16-2-5
強く抱く溶けて消えれば雪女- 北大路京 ...俳句116-2-5
冬すみれ- そらの珊 ...自由詩1316-2-4
白紙の回答_ーあなたへー- 為平 澪自由詩1016-2-3
ぬくもり- ただのみ ...自由詩9*16-2-3
観覧車- 自由詩13*16-2-3
墓穴までひとりで背負う雪だるま- 北大路京 ...俳句316-2-3
鬼の豆ください- るるりら自由詩18+*16-2-2
蜜柑- 梅昆布茶自由詩10+16-2-2
あなたに- イナエ自由詩15*16-2-2
都女- 為平 澪自由詩9*16-2-1
_未来の数- くろねこ自由詩3*16-2-1
せめて- 殿上 童自由詩14*16-2-1
『たとえば_キスできる範囲にいること』- 座一自由詩4*16-1-31
アイオンスはないてない- 村乃枯草自由詩1116-1-31
おまえだけがいない- 宣井龍人自由詩12*16-1-31
抱かれて抱いて- ただのみ ...自由詩17*16-1-30
深雪晴見上げた頃は恋でした- 北大路京 ...俳句316-1-30
惑星- アラガイ ...自由詩12*16-1-29
おとぎばなし- そらの珊 ...自由詩2216-1-28
不眠の内訳- ホロウ・ ...自由詩4*16-1-27
殺されるひととすれ違う(2/2)- 吉岡ペペ ...自由詩216-1-27
鬼の面つけ合って豆投げ合って些細なケンカして抱き合って- 北大路京 ...短歌416-1-26
現実- 鷲田自由詩416-1-26
殺されるひととすれ違う(1/2)- 吉岡ペペ ...自由詩216-1-26
成虫- ガト自由詩3*16-1-26
「目をつむると」_ー歳を取るとはこういうことか(9)ー_- イナエ自由詩15*16-1-25

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