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いいえおじさん心の
じゃなく
心は闇なんですおばさん
そこに光は射すでしょう
頭蓋骨の中
風さえ入って来るでしょう
明るい気分が領します
色彩がこぼれ温度がながれ
音声がはずみ意味がお ....
 冬
誰もが道行く姿に目をみはった
くすんだ家並の下町
それは何よりも奇異に映えた

女は山の手の私立病院に通う
病人ではない、看護師で
給料とボーナスを貯めて八年
恋人のひとりも作ら ....
海底が隆起し水位が下がって
エベレスト界隈が空中に生えた頃
ナマズは汽水に放り込まれて
激烈な減圧に体を硬くしていた

それから雨が際限なく降り
雷鳴をも呑むほどの洪水が引いた頃
ナマズ ....
しげ子には
何ひとつ起こらない
小説や映画の出来事は

重子は
それを不幸と考え
不当に感じている

茂子は
ひとり置き去りにされ
日常に縛られていると

繁子は
ドラマツル ....
[妖怪(尻)べった]
  肥大臀部を横向きにした姿の妖怪。
  戸建の階段のカーブや集合住宅の脱衣所などに潜んでいる。
  これを見ると妻に萎えてしまうようになる。

[妖怪ココゾ]
   ....
春の風は遠くから来ます
夏の風は遠くへ行きます
あこがれ、とは違う
何処か知らない所へと
私を誘います

秋の風は通り抜けます
冬の風は通り過ぎます
喪失を知らしめ
懐かしい者どもと ....
四月
夜来の雨が軒を叩いて
やんだかと思うと強まって
千の靴音を撒き散らすと
再たふと空のどこかに引っ込んで
猫のように耳を澄まして
南の果てから吹く風の
雄々しい声を聞くようで

 ....
むかしむかしある所に
哀れなおんながありました
たいへん貧しく生まれたので
おんなは
人に何かをもらうことしか
考えませんでした
自分は哀れな身の上なので
情けをかけてもらうという心得で ....
{引用=進歩は昔話を撲滅する}
 あんたの事は食わしちゃる
 あたしが部屋で何しとるかは
 詮索せんといて
 覗きでもしたら出て行くきね

女房のオツーはそう言って襖を閉め
日がな何事か ....
スー・チーは全くかしこい
十七歳のおばあちゃんなのに
この冬から
おとがいを同居人の鼻の頭に擦りつけて
痒みを解消する手管を見つけた
たまに唇を舐めてくれるようになったのは
やっと同類と認 ....
寝息を立てる背中に心の中で呼びかける
世にも優しい人
ベニヤ板で塞がれた窓に蒼い月の光を描こう
今は夜中、外は涼しいはず
都会も眠り、時の歩みも止まったよう
月光と小さな鉢植が要る(習慣化の ....
カネさえあれば何とかなるって世界も
イヤだな。
少しずつでも貯金しなさいよ、なんて
他人に説教しといて考えている
ハイジみたいに暮らしたかったのに
パンプス履いて小走りで
山からどんどん離 ....
青い空を切り取って
それも丘に埋めたのだ
まるでお前の目のような
きれいに澄んだ青空を
果てなく自由な青空を
閉じたお前の目の為に

春が来れば
硬くお前の口一杯に
詰まった土も温も ....
{引用=パラダイス通信}
サントスのタコスは那覇イチおいしい
のが当たり前
半世紀以上やっている
私も6回ぐらいは食っている
親戚だから
サントスじゃない親戚が食え食え言うし
トルティー ....
ベンチに四人家族が
あの夏を集めて
薄い木立の向こう
ジェットコースターの嬌声が上がる
奇妙な家族は動かない
リストラを告げられなかった父親は
濃紺のコートを着
行き交う家族づれのさざめ ....
さかんに水が降りますね
明日に蓋でもするように
おびただしく注いでおります

地面の下はどうなっているだろう
私はこんな時決まって
泥濘に埋もれた兵士の白骨を連想します
それから恐竜の化 ....
まるちん・るったー
ヴィッテンベルクで思索の散策中
村の娘をやっちゃった
長いおくれ毛、まあるいお尻
めくれ上がった唇が
まるちん・るったー 
そそったと

まるちん・るったー
女子 ....
空のツリー
その足元に水族館だと
日本人は好きだな
サンシャイン市にも作ったっけ
新名所には水族館
呼び水の呼び水
徒に易くは帰すまじ
展望ついでの家族巡礼
妖しく爽やかデートスポット ....
協議離婚し幼い娘を引き取った母は
幸福追求やまない女であって或る日
男と出会い同居を始める

こうして連れ子という不利は
夜な夜なまぐわう男女の力関係で決まる
小突き回され足蹴にされ
飯 ....
りっぱってなーにー
地位のことー?
社会的地位に付随する事どもー?
ラッパとちがうのー
それラッパとちがうー

りっぱってなーにー
お人柄のことー?
人に見せてる人柄のことー?
お面 ....
わたくしが
ブロッコリーの作付面積比、堂々の全国第三位
この{ルビ片岩志=かたいわし}村の長となった暁には
まず、村名をブロッコ里ー村に変え
村民の皆さんにはブロッコリーの里の住民
ブロッコ ....
オレは傷つきやすいヒトだから
オマエの言う事なんかに耳は貸さない
アスファルトの無限の連なりに出過ぎた
赤いコートの物乞いの過ぎ去る一瞬に
一瞥を投げるのみ
カーラジオの蝿・蚊の軽い唸りや
 ....
夜は雨
どこからか雨
水を弾くタイヤの音
通りの向う
どこかで屋根を落ちる滴

私はここにいて
眠る人のことを思う
生き満たされぬ人を思う
又ここにいて
眠れぬ人のことを思う
燃 ....
やがて再び北風の中
道端のネコヤナギの蕾のように
やさしい春の指先が頬を撫でようと
いつか一つの曲がり角の先
私を包み、光へ導くような
誰もが期待する運命が待っていようと
もうこれ以上一つ ....
車庫へ還らぬバスは
停留所にも停まらない
ただ辻々で
わずかな客を乗せて行く
代金は要らない
誰もが代償を払っているから

今日は五人だけ乗っている
眼鏡を失くした男と
手紙を置いて ....
目を瞑っても嫌な事はそこに在る
目を瞑っても轟音からは逃れられぬように
耳を塞いでも恐ろしい事は起こっている
耳を塞いでも嗅覚は異臭をとらえるように
鼻をつまんでも根本事由はごまかせない
鼻 ....
?. ヘンリー?
 {引用=His Royal Harness Prince of Wells United King-damn In Gland} 
ヘンリーって変なやつ
変なやつ 変なやつ
 ....
小さな虫が
私の絵の中で死んでいる
6号カンバスの隅っこで
描きかけの絵の具に肢を取られて
チタニウムホワイトの上で死んでいる
ささやかな着地の代償として
ささやかな苦悶に果て
ささやか ....
 テーマ1   台風15号

 地上を泳いでいるこんな日は、淡水魚の渓流での苦労がよくわかるというものだ。
 尚も傘は無効なのに、{ルビ長刀=なぎなた}の如く構える人が圧倒多数なのは、濡れを厭う ....
およそ百年前
大学二年の一人息子を交通事故で亡くした時
既に寡婦であった資産家の江古田夫人は
今度の悲嘆には到底耐えられないと思った
そこで息子のDNAを研究機関に預け
一年半後
スーパー ....
nonyaさんのsalcoさんおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アノミーちゃん- salco自由詩1114-12-19
スプーン- salco自由詩1514-12-4
ナマズ- salco自由詩1714-10-15
しげこ- salco自由詩12*13-6-17
妖怪辞典(抄)- salco自由詩13*13-5-22
便り- salco自由詩29*13-5-16
- salco自由詩9*13-4-7
砂をんな- salco自由詩18*13-2-26
鶴の恩返し- salco自由詩31*13-1-22
相性- salco自由詩11*13-1-9
世にも優しい人- salco自由詩13*12-10-13
経済SM- salco自由詩7*12-9-25
兵士の為のピエタ- salco自由詩19*12-9-14
せんだのギャグはどっかよそでやれめんそーれ- salco自由詩6*12-9-12
ゆうえんち- salco自由詩7*12-8-13
黒アンモナイト記- salco自由詩10*12-7-21
検証_淫らはマグダラか馬鹿野郎- salco自由詩6*12-6-30
水族- salco自由詩9+*12-6-9
お猿の森で- salco自由詩5*12-6-1
アーデルハイド、おやめなさい- salco自由詩7+*12-4-27
次期村長選マニフェスト- salco自由詩11*12-4-23
運転- salco自由詩6*12-4-14
脈絡- salco自由詩28*12-3-25
無理なお願い- salco自由詩14*12-2-26
- salco自由詩31*12-2-11
- salco自由詩19*12-2-4
Grade_BrightenⅠ,Ⅱ- salco自由詩10*12-1-15
- salco自由詩9*11-12-29
大いなる野望_2011年版- salco散文(批評 ...3*11-12-16
江古田家臍次第(えこたけへそのしだい)- salco自由詩15+*11-11-20

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