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日差しの刃に斬られ
だらしなく溶けてゆくかき氷の
まだ冷たいスプーンをなめながら
またひとつ星がおちたのに気づく

小豆とぎと河童と
座敷わらしとあと誰だっけ
訃報を連絡するために
黴 ....
かたつむりの王は
水辺で嘆息する

今回も失敗であった
ヒトに寄生することは容易だが
操ることも難しくはないが

あやつらは海に帰って来ぬ

一方、地上では
一人のマッドサイエンテ ....
私は待つ
暗いところでひとり
ではなくて
明るく開けた田舎の畑道で

衆人環視のもと
へんてこに腕を上げたり
無理矢理に腰を伸ばしたり
おかしな具合に首を曲げたりして

私は待つ
 ....
願えば妖精がわいて
私の願いを叶えると
思い込める程度に
私の生活は妖精だった

あの人の世界は散文で
音が悪くなった革靴を鳴らして
歩いてくると
その現実性に絶望した

あなたは ....
私が死んで
匂い高くくさって
あるいは焼かれて
熔けて

あるいは
瞬間の火に蒸発して
骨も残さず雲散霧消して
全部脱いだら

私は炭素になる予定
私たちは
だいたい酸素と炭素 ....
そのとき私は十六歳で
まだ何も罪は犯していないと思っていた

電車に乗って席に座ろうとしても空いていなかったので
つり革をつかんだ
そして
向き合った席にいる人の姿に
私は驚いて
目が ....
お姉さま。
この館に逗留してまだ一ヶ月足らずですが、
私はもうお姉さまとの暮らしを恋しく思っております。
お父さまはたいへんお優しいのに、お兄さまは恐ろしい。
いつも地下に引きこもっていらして ....
そのみえすぎる目で満開の桜の花の下をみて
ひとがみてはいけないものさえみたくせに

あなたったら全然気づかないんだから鈍感でもう
待ちくたびれてあたしとっくに腐っちゃったのよでも
きらきらと ....
火を盗ってきたから
ここで炎が燃えているのだと
プロメーテウスは言うのだけれど
プロメーテウスはおバカさんだから
火から離れて星を見ている

もちろん星はたいてい火なのだけれど
そうじゃ ....
あいつはいつも金がなくて
いつでも誰かに金をたかった
嫌われ者の
ジョン・ホーミ・ウォーター!

あいつはあいつでいいとこもあって
優しかった、野良犬にも、あたしにも
ひとりぼっちの
 ....
どこの誰のせいで、とは言わないけど、つーか言えないけれど、私はこないだからだいぶおかんむりで、イライラしまくっている。イライラを吐き出さなくてもそれほど精神衛生を悪くするということはないけれど、少なく .... 「ラブアンドピース」緑川ぴの
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=128847


アオザイの揺らめきはあのときのままではない。アオザイは民族衣装なので ....
きみの首はしろくてほそくて
手折られるのを待ってる野菊の茎
だなんて
心底バカ丸出しな手紙を見つけて
真夜中にひとり
わたしはけらけらわらった
ああそうなのねそうなんだ
だからあのひとは ....
壁には緑十字。
せわしなく響く電子音、明滅するランプ。
工場で人を動かすものは。言葉以前の。

  *

あぶらぎったシニフィエが
タンクになみなみと揺れ。
それは銀色の極太チューブに ....
朽ちた栗の切り株のそばアシグロタケ
硬くて喰えないのだけど
それなりに旨いダシがでるらしいので
ちょいとひっくり返してみたら

みたことのない黒い甲虫がいて
鮮やかな赤い星を背負って
せ ....
夕暮れの空にはむくどりが群れて
毎日あんなことしてて
むくどりは飽きないのだろうかと思う私も
飽きもせず夕飯をつくる
いや飽きてるんだけど
夕飯に飽きても
生きてるのに飽きても
生きてな ....
一日に一回
空は夕焼けに染まる。
晴れていたなら、だけど。もちろん。

夕暮れてゆく世界は私の手の中にあって
私は一杯のコーヒーを飲み干すみたいに
簡単に
それを飲み干す。

でも確 ....
ええ レモンの花は咲きません
ええ こがねの柑子も実りはしないのです

くらい森に目立つのは
変にほうけたタケニグサ
それからキノコ
ススキの穂

でもあのはるかかなた森の奥
湖があ ....
ぶちあたる。
とにかくぶちあたる。
光ってはいるけれど
安っぽい弾丸。

蛍光灯の傘にぶつかる。
窓にぶつかる。
壁にぶつかる。
いちいち音を立てる。

緑金色の背中は
あれでな ....
ちくりと腕が痛んだ。
蚊が刺したと思ったが違った。
淡い緑に黒い飾りの。
これはツマグロヨコバイだ。

きみが吸うのは
ヒトの血じゃなくて
草の汁でしょうが。
間違えないでほしいなあ。 ....
博士。あなたがあちらに行って何年になるのでしょう、
数えてもしかたないけれど。

あれから、人間は全く進歩しておりませんが、
技術は立派に進歩しております。
治るようになった病がたくさんあり ....
蜜柑の里の海辺の丘で
まるで童謡の一節みたいに
蜜柑の里の海辺の丘で
太平洋に浮かぶ船をみている

船は遠くて
たぶん大きいのだろうけど
ちいさくみえる
たぶん動いているのだろうけど
 ....
一杯の珈琲から恋が生まれることがあるなら
それが一杯の中将湯であったってかまわないに違いない
もちろん玄米茶でも胃カメラでもゾウリムシでも
かまわない筈なのだがなぜか恋の原因となるのは珈琲であり ....
私ノ耳ハ鋭イないふデアル
貴方ノ言葉ヲ切断シ解剖スル
私ノ指ハ尖ッタぴんせっとデアル
貴方トイウ存在ノカケラヲツマミ
冷タイしゃーれノ上ニノセル
マタ私ノ瞳ハ敏感ナ電子顕微鏡デアル ....
そんなにもあなたは甘味に飽きていたか

横にくわえてがりりとかじる
根ワサビの香りは
ぬるま湯にふやけたあなたの脳髄を
一瞬すこやかに澄み渡らせた

しかしあなたは知らないのだ
どんな ....
アンチ・テーゼ? 最近はあんま見やせんなあ
外海まで出りゃあちったあ捕れるかも知れんけん
あんた近海もんが欲しいだら?
活きのいいのをくれっても無理なもんは無理だに

ほんじゃテーゼ ....
青い花を探しているのだと
そのひとは言いました

私も青い花を探していたことがあったのです

ずっとずっと昔 千年のそのまた千年も前のこと
白茶けた山脈を歩いていました
足元には雪があり ....
[まめ]

こまめにつかめ
たかめをつかめ

まめにかめかめ
わかめにごまめ



[ひめぎみのかぞえうた]

いちのひめぎみ いばらひめ
にいのひめぎみ にんぎょひめ
さ ....
父はつまらぬ魚屋でございましたが、係累は多うございました。
たいそう古くから魚屋を営んでいたと申します。
けれども嫁はどこの馬の骨ともつかぬと祖母は母を貶めました。
わたしは母の係累をひとりも存 ....
[へりくつのうた]


へりくつりくつ
かたっぽのくつ
へりくつりくつ
くらいどうくつ
へりくつりくつ
なんてたいくつ





[たらたらのうた]


 ....
AB(なかほど)さんの佐々宝砂さんおすすめリスト(40)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
失う夏のソネット- 佐々宝砂自由詩6*23-7-28
ル・カルコル- 佐々宝砂自由詩2*23-6-18
待つことの、莫迦- 佐々宝砂自由詩1*23-4-9
きのうのソネット- 佐々宝砂自由詩322-4-6
あしたのソネット- 佐々宝砂自由詩122-4-6
アルビノ- 佐々宝砂自由詩621-3-17
ゴシック的断片- 佐々宝砂自由詩4*19-8-9
桜の樹の下では- 佐々宝砂自由詩6*18-3-23
プロメーテウスのおバカさん- 佐々宝砂自由詩7*18-2-17
夢の中で墓からでてきた黒人女が歌った歌- 佐々宝砂自由詩3*16-6-19
今ここにある現実- 佐々宝砂散文(批評 ...18*08-9-17
「ラブアンドピース」に対する異議申し立て- 佐々宝砂散文(批評 ...20+*07-8-8
創書日和。白_【ながい首】- 佐々宝砂自由詩12*06-11-27
工場安全週間- 佐々宝砂自由詩606-8-6
黒い針金- 佐々宝砂自由詩706-8-6
鍋が煮え立つまでの即興- 佐々宝砂自由詩12+*06-1-25
PRESS_ENTER■- 佐々宝砂自由詩11*05-6-13
ミニヨンならざる者の歌- 佐々宝砂自由詩605-5-21
カナブン(百蟲譜33)- 佐々宝砂自由詩7*04-8-5
ツマグロヨコバイ(百蟲譜19)- 佐々宝砂自由詩404-1-28
真冬に百合、白ければいいのに。- 佐々宝砂自由詩5*04-1-24
まだ生きてるひとへの恋文- 佐々宝砂自由詩404-1-6
一滴の珈琲から- 佐々宝砂自由詩303-12-28
量子力学- 佐々宝砂自由詩303-12-27
ワサビ頌歌- 佐々宝砂自由詩1*03-12-27
アンチ・アンチ・テーゼ- 佐々宝砂自由詩203-12-25
青い花- 佐々宝砂自由詩4*03-12-21
りりと☆のことばあそびうた、また- 佐々宝砂自由詩5*03-12-19
ゆうこく- 佐々宝砂自由詩7+*03-12-17
りりと☆のことばあそびうた- 佐々宝砂自由詩7*03-12-6

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