すべてのおすすめ
影の尾が地に触れ
うたっている
忘れかけていた蒼が
目を馳せる


特別に
彩られているはずだった
その衣は
どの空を刻んでいるのか


手のひらは白く ....
夜明けに立つけだものが
空を掴んでは離している
虹の足音
虹の足音


月は森に居て
径は光に流され
まぶたは眠り
さらに 昇る


何もない昼の空
 ....
夜の泡の音
虫も草も聴こえぬ径
遠く流れる星の瀧
夜の泡の音


欠けた鏡
隠れた鏡
持つ手が映る
夜も映る


発つ光
着く光
手のなかの氷
 ....
氷山にあいた窓に
鳥と気球と蝶がいて
空を見たまま飛べないでいる
ひとつ 逆さのアルファベット


雨の隣には雨
その隣にも雨
雨のむこうの雨
雨のふりをした雨
 ....
これが言葉になった言葉
話しようもなく
離しようもない言葉
待つもののない
またたきの言葉
便器の渦から助けた蜘蛛に
自己満足という名をつけて
窓も餌も無い場所に張られた巣を
ぼんやりと眺め泣いている左目
うなじから首から目から羽を吹き血を吹きながら辿る足跡



蜘蛛は蜘蛛何も残さず何も見ず虫を喰みただ夏に凍える



ふところの火を手に結び手をひらき何も無い日をかき分 ....
唾を唾で
瞳を瞳で抑えながら
においの無い人ごみは
鉄路に影を残してゆく


ひと粒の胡椒が
紙の上を転がり
拾おうとするたびに終わり
つまんでは落とし またはじまる ....
息に揺らぐ火のなかから
手をつなぐ手は現れて
熱から蝶を持ち上げて
小さな火傷を増してゆく


ひかり 涙 ひかり 涙
好きなものを嫌いになる
内と外 ひとりのひと ....
壱と零を
零と壱を行き来する
それでも
大きくなってゆく


去っては戻らぬものの影が
ふくらはぎにわだかまり
水草のようにまとわりつき
触れては離れ 触れては離 ....
透明な砂地の樹が倒れ
枝が根に 
根が枝になり埋もれている
影が打ち寄せ 去ってゆく


空の名札が剥がれ
旋りながら落ちてきて
やっと捕らえることができても
暗 ....
粉を追えば裏切られ
塵を追えば打ち捨てられる
わたしが蝶に着くはずもなく
蝶がわたしに添うはずもない


わたしには有り
わたしには無い
表も裏も
透り たなびく
 ....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく


うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち


昇るもの ....
こうやって部屋のなかから窓の外を見ていると、雨の中でしか生きられないけものになってしまったような気がする。穴ぐらのなかで、ひたすら雨を待つ。エサはあるのだが、自分のツメで獲物を引き .... 隻眼の花にこぼれる
はじまりの波のはじめから
めぐる魚からほどける光
片方の目はまばたいて
沈みくるものを受け入れる


敗れつづけてなお勝つものがあり
不幸せの上に成り立 ....
道端の一本の木に
子どもが何百人も隠れていた
東の方から来たのだという



水がほしいというので
水をあげていたら明け方になった
狭い場所と
大きな音が嫌いだというので ....
夜は速い
夜は速い
これから向かう世界のすべてが
わずかに低く傾いているかのように
夜は速い
夜は速い
背に積み重なる力のように
夜は速い
夜は速い
誰かに遠去けられているか ....
指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら



傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える

 ....
朝は暗く
雨はまぶしく
片目をつむる



痛みのかたち
指でたしかめ
頭のかたち
指でなぞる



何を恐れているのか
頭は
握り拳のままでいる

 ....
小さな部屋から
見上げた夜空に
架空の乗り物
架空の星座
笑みのように燃えては飛び交う
カーニバル
カーニバル コンテニュー



小さないのち
小さなかたち
散り急ぐ ....
暗がりのなか
細い光に照らされて
一匹の蛇が泣いていた
目を閉じたまま
わずかに汚れた白色に
かがやきながら泣いていた


蛇から少し離れた場所に
ひとりの少女 ....
AB(なかほど)さんの木立 悟さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どこまでも昇る水- 木立 悟自由詩423-2-13
左目_この世の果て- 木立 悟自由詩921-8-14
抄えずに_抄えずに- 木立 悟自由詩2+20-8-14
水光片- 木立 悟自由詩620-5-22
ノート(ふりくる)- 木立 悟自由詩318-10-27
ノート(空白)- 木立 悟自由詩418-9-15
むこうへ_むこうへ- 木立 悟短歌1018-6-18
筆と響き_Ⅱ- 木立 悟自由詩718-1-3
宙とひとり_Ⅱ- 木立 悟自由詩517-12-18
つもる_かたち- 木立 悟自由詩217-4-17
ひとつ_海辺- 木立 悟自由詩1017-1-20
ひとり_器外- 木立 悟自由詩417-1-15
午後の声- 木立 悟自由詩2007-5-10
雨(1986.8・4)- 木立 悟自由詩1206-3-2
ひとつ_小さな- 木立 悟自由詩405-5-21
ノート(入学式)- 木立 悟自由詩704-11-11
ノート(夜の速さ)- 木立 悟未詩・独白404-9-2
かがやきと指- 木立 悟自由詩504-8-25
ノート(歩く)- 木立 悟未詩・独白304-8-18
ノート(カーニバル)- 木立 悟未詩・独白504-7-22
ノート(夏の蛇)- 木立 悟自由詩804-1-15

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する