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世界は回る
くるくる回る
私が悲しみで
打ちひしがれてる時も
お構いなしに
くるくる回る
大切ななにかを
亡くしたとしても
世界は最初(ハナ)から
興味無い、という様な顔で
....
眼が在り眼と映り凝視し続ける眼に
昔の戦場の消えない殺し合いか今の子供らの激しい絡み合いか
展開される焼き付けられるその恐怖
草むらの草熱れも左足にぐるぐる巻かれた包帯の中で腐乱していく肉も置き ....
あなたは今、
いろいろなことばの海を
旅したいと思っている。
そこには淡い色の薔薇の花束のブーケだったり、
あたたかな木のぬくもりの漂うキッチンだったり、
そんな風景が香ることばを探している ....
スイッチだ日常の点けて弄ぶ消しても眠らない
壁を這いまわる夜にふやけた未発声の《》は過呼吸のまま乳房を求め
夏の光に目隠しされた幼い逢引と声の影法師
皮膚下の水脈を辿る山椒魚のふるえ蔓草が覆う戦 ....
ここで出会ってしまったがために
空いたもう二度と塞げない穴
私たちは
元々は平行線だった
何かの拍子で
一つ重なり合ってしまった
これは神様も予想外
二人並んで歩いた雪の日は ....
見えない夜の身代わりに
川は蒼く蒼くなり
金いろの径を従えて
海へ海へ落ちてゆく
けだものは居る
けだものは居ない
曇の十字
光の前の小さな羽
隙間 ....
湯たんぽを使うようになって
夢の中にまでそれが付いて回るようになった
野末のだだっ広い大座敷や
寂れた遊園地のおばけやしき
はたまた性交の場面の片隅に
それは寄り添うようにいて
まだら色の ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く
半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
....
壁の向こうで
雨が歌う
今夜
雨は涙とちかしく壁に染み入る優しさで
噂の流星はみえずじまい
空のステージに
始まるはずだった
ピアノに向かって
私のためにとは
言わないけれど ....
夕暮れがそっと肩に手をかけて
淡い影が滲んでいく
ちぎれた雲の影が
ひとつずつひとつずつ
心の影のもようだなと
こつこつと
ぽつぽつと
とつとつと呟きながら
うつむくとくるぶしまでがア ....
苦しみは夜のネオンに芽生え
朝の日常に消える
そうして透明な世界は回ることができる
迷いは夜の闇に映えて
朝の陽光に存在を消す
そうして各々の生活が回り始めることができる
一人の人 ....
空蝉がしがみついていた 葉は紅く
翔び立った鳥の羽風に ゆらりと落ちた
机に頬杖をついて 知らない間に眠っていた
痺れた腕は きみの髪の感触を覚えている
川に落ちたもみじ葉の 流 ....
151215
ここの盛りそばはそばの材料は良いんだけど、打ちが悪いね・・、それにこのつゆは出来合いじゃないか、溺愛する者どおしがひそひそと不満をぶつける
その不満が ....
今しかない
今しかないんだ
スズメの大群
目がくらむほど輝く夕日
橙と黄金色に染まる街並み
金色に閃く窓ガラス
生物は黒に染まり
無生物は鮮やかに色付き煌めく
世界が反転する瞬間
....
スタッ スタッ スタッ
大きな白いイキモノが用水路を移動して来る。
僕は思わず沿いの遊歩道に立ち止まる。
スタッ スタッ スタッ
水かさは30㎝程、幅約1mの用水路を、そのイキモノ ....
生きている人は傲慢だ
やすらかに眠ってください、とは
あたしらへむけての言葉だと思うけど
ほんとのところは
生きている人のための言葉なんじゃないか
そもそも死んだ人が眠ると決めつけてんのは
....
あたしが何も気づいていないと思ったの?
優しさで
二人同時に傷つけたね
早く行きなよ
あの娘の傷は深いけど
貴方はそれを治してやれる
あたしの傷は
独りで治る
だけど貴方に ....
過去も未来も無く
ただ美しいと思った
さよならの
指先を咬む
ひずみ
カラオケで踊ってくれたPerfume思い出して急に寂しくなった
愛してると僕ばかりが言って 君は返してくれない
雪だるまのクリームパン 2割引きになってる
君からの電話がない ....
無気力な身を
もてあまし
希薄な日々の
くり返し
空白の過去
かえりみるとも
心にあく穴
不安にかられ
つかみどころのない
液体のような
現在
現実
ペン先から ....
こころもとなくなる
ここを歩いているといつも
どうしてか
砂地には
足跡は残せず
一本の根さえ張れないと思うのだ
ほってごらんと
父は言った
ほりだすそばから
哀し水がしみだし
確 ....
心は一輪の不自由な花だと思ってほしい
つまり摘まれることを拒むことができない
哀れなそれは
でも確かに一つの命だとあなたにわかることは
ないよ、ないよ、と今朝も鴉が歌ってはいるけれど
文壇の成績が神に認められ
夏目漱石は太陽になった
太陽になった夏目漱石は
吾輩は太陽であると云う小説を神に送った
文壇の成績が神に認められ
太宰治は土になった
土になった太宰治は一言
....
継ぎはぎだらけのタペストリー
隙間から柔らかな風が吹いた気がして
離島が点在する
静かな海をゆく船を夢想する
日常は羅針盤もないスケートボード
リュックひとつでバランスをとって乾いた ....
わがままな初冬のそらは
雲と風を相手にして
陽光の支配を絶えず監視している
そして
筋骨質の日本列島は
南岸添いに こころわびし ....
手を握りしめたまま、
遠く海の彼方から
やってくる風を待つ。
風は、
あらゆる氷山を突き破り、
たったひとつだけ、
この指に絡みついてくる。
このたったひとつの風は、
幾多の激流を乗り ....
風になびく黒髪があなたの横顔を隠す。
あなたは細い指で優しくその髪を撫でる。
そんな仕草が愛おしくて私は泣いた。
愛情があなたの存在そのものになった。
あなたは絵画に描かれた ....
足の爪に
塗っておいた海が
夏のどこかへちぎれて消えた
地図の上をなぞる指が
コーヒーの匂いをたどって
最果ての島に着く
ふと顔を上げれば
見慣れた街並み
寝過ごした朝のよ ....
冬の匂いがする
滴るような
透き通っていくような
人が声を聴きあうときに
吐く息によって動かされて
人の神経に届くような
さびしく遠い匂いだ
冬が降っている
根源的な和 ....
π(パイ)
二畳ほどもある焼き釜は
林檎とシナモンの焼ける
例えようのない良い薫りです
どれほどの林檎が燃え盛る炎に
くべられたか その林檎の数には限りがありません
讃えようも ....
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