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反芻する燦き
一瞬に繁茂する刺の立体に
軟い平面を見つけたと喜ぶが
巨視による立体構造の発見に
落胆する背中をみて育った子
ゴーフレットを手に取って
割れる音に音階を
割れた形に幾何学を ....
人は
誰でも
複雑だ
ただそれが
表に出るか出ないかだろう
・
人のこころを
傷つけて
私も傷つく
ごめんなさい
あなたへ
・
人と人の
縁も
ふしぎだ
....
岬に立つと
陽の輝きが急に増す
気がつけば波間に閃めく舟も
ずいぶん遠かった
入道雲のわき立っている水平線
みづ色の{ルビ礫=こいし}のように光る舟のそばで
一羽のかも ....
ある日風が吹く
身が軽くなり自由で
ここがどこかも忘れて
唄いだす
上手いかどうかは
関係なく
好きなだけ
唄えなくしたあの人のこと
やっとどうでもよく思えた
唄は風に乗 ....
夏が押し寄せてきた
ブルーのイメージ
ブルーだけど薄いブルー
暑さだけで考えればレッド
全体的に考えればブルー
夏は海というイメージ
青空というイメージ
ブルーで包まれている
....
夏休みだと言うのに
恋も夢もお金もなくて
カラオケ帰りに
パピコはんぶんこしてる
のんちゃんと私
暑いって言ったらデコピン!
って言ったそ ....
陽が暮れて
街灯が照らす
ベンチにポツン
もう来ない
来るかもしれない
動けずに
待てば待つほど
暗がりに浮かび上がる
{ルビ画布=カンヴァス}の中に
(夏目漱石『三四郎』三)
海がある。
(詩篇一〇四・二五)
海辺のきわまで
(エリノア・ファージョン『町かどのジム』ありあまり島、松岡享子訳)
....
お祝いを あつめたから お祭り
あつめて こねてかためて 高く
火を点す
足もとに藁つんで
焼けた 爛れた どぉんど昇れ
マイマイの空家は渦の声
ことば忘れて かぶせ 転がす
あわい ....
乾いた金属音に、たるみ切った意識が醒めても
しぼんだ脳は白球の行方を捉えられない
職人が切換える幾つもの映像が
先へ、先へと白球を追いやるから
僕は冷房の檻に這いつくばったまま
コピー紙の裏 ....
激しく降った雨で
低い土手の生い繁る雑木は
いっそう緑濃くなり
駐車場の水溜りをよけながら
歩くスカートの裾が
まつわりつく
建屋の脇には短い竹林の小径
聳り立つ ....
陰影の先端
あなたの問いかけ
あなたへの問いかけ
か細い海はある朝
空白に塗りつぶされて
涼しい駐車場になった
壊れた何かが転がっている
見入ってしまった
初夏が立ち止まる
....
人生はであいである
必死に努力ができることにであった人は
幸せである
心から信頼できる指導者にであった人は
幸せである
であいは
待っているものではなく
自分から求めていくものである ....
(君のくちびるは、まるで明るいフルーツパフェのてっぺんに添えられた、砂糖漬けチェリーのような紅さだね)。のような視線。照れながらすこし俯く、見事に染め上げたホワイトブロンドの頭髪をあかるい指さきで搔き ....
帯の背中に団扇を挿して
下駄を鳴らす
屋台が並ぶ道は
人が溢れて賑やか
すみません、
ぶつかった人を見上げて
耳の先まで熱くなる
先輩、
よぉ、と言って
和かな所作で ....
まなざしの射程に入る
からだの一部。つまさき、へその緒、
暗い部屋をなめらかに浮遊する蛍を
捕まえようとしても、ゆびとゆびの間をすり抜け
まなざしの射程を抜ける
夜空のかけら。目を凝らし ....
涙の夜に
生と死を思います
涙の夜に 涙の夜に
生と死を思います
ふるえる心は
生と死を
深く思ううちに
心の奥の魂が耳を澄ます
銀河の岸の星の死と
(とても悲しい時は何も手に付 ....
生きるために
お歌を歌う
蜩の
いのちの
歌声
※ 蜩=ひぐらし。別名、かなかな。
・
私にとって詩とは
死を含んでいる生(せい)です。
詩とは例えば、
草むしりの草 ....
眠り草の花が開いて
悲しみが萎れていく夜
「月が綺麗ですね」って言って
比喩の中でかくれんぼする
暗がりでにゃあって鳴く
黒猫みたいな詩人に ....
負けて
悪いと
誰が決めたの
負けるが
勝ちかな?
○「清涼剤」
ブッダの言葉は清涼剤である
*なんでも与えられていないものを
取ってはならない。
*死んだ人々はどうにもならない。
悲しむのは無益である。
*自分を苦しめ ....
洗い流しても洗い流しても
消えてくれないソイツらが
擦っても擦っても
剥がれ落ちてくれないソイツらが
いつまで経っても
俺を眠らせてくれない
ソレは
体の周りの空気の ....
正義なんて無いよと嘯いたソイツの目には
うっすらと涙が溜まっていて
それをみた俺はもうなにも云えなくなって
寂しさを
「寂しくない」と云う夜の
効きすぎているエアコンの風 ....
診察券と保険証を出して
呼ばれるまでソワソワ
定期検診だから怖くない
そう思ってもドキドキ
歯茎の隅から隅まで
器具で突かれチクチク
歯茎チェックはOK
次は歯のクリーニング ....
魂といういのちは
生まれる前から
欠けているから
何かを求め続けるのだ
愛はここにあるのに
・
このからだは
愛で
出来ている
いのちの
結晶
・
ありがとうさ ....
ほどけた
こころに
愛がひとり
ぽつねんとして
つぶやいている
・
月光
澄みわたり
ひとりではないと
万有引力を思う
私のこころは
・
こころの闇を
照らす ....
日照りつけて
前方に霞む百日紅には
二匹のクマンバチ
ふと足もとを
蜻蛉のちぎれた一枚羽が
微風に 晒される
古道の低い石積みの傍、
生い茂る樹木の根元で
....
真夏の日中に上空を塞いでいた、ひとつの低い層がなくなって、青春の夏はより遠くまで反射して、よりいっそう真夏の夜の夢に届きやすくなる。より受信しやすいように部屋のなかの灯りをすべて消す。多分に雨の吹き荒 ....
空にはモクモクと山のように雲が聳え
熱風に包まれる
公園でバットがボールを打つ音
子供たちのはしゃぐ声
蝉がミーンミーンと伸びやかに鳴いている
わたし 雨
私あめ 時々 あられ
心ゆられ
たこ糸のさきに むすんだ釘を
しずかに 夜に沈める
口の端に くわえた糸に
声をつたえる きみに聞かせる
わたし 雨
夜から ....
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