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梅雨(つゆ)の隙間の
木洩れ日のもと
常日頃は見向きもしない
街なかの原っぱに
うずまきただよう
黄いろいエナジー
それは それは
卒寿と ....
「あすは曇りがちで
午後には雨となるでしょう」
そういう 予報を耳にして
その日は 予定を変えたのに
水無月の気圧はあまのじゃく
俗にいう梅雨の晴れ間がのぞきこ ....
(呼び名は市道というのだが)
わが家に接した舗装路は
歩道と車道の区分なく
往きかうかげは
乏しく淡く
そのうえ しばしば
三毛猫さえも巡 ....
優柔不断に打ち過ぎた
卯月 皐月が素通りとなって
セイロンサファイアの
鳴神月を出迎えた
寒がりな卒寿のおひとりさま
広場の木立ちには
回遊の子雀 ....
うずくまっていた
卯の花月がながされて
田の草月にめざめるとき
老残は猫背を反りかえし
両手をかざして
なかぞらに満ちあふれる
かぜとひかりと星をま ....
風と光が蘇えってきた
早苗月は 青天井の昼下がり
小公園の原っぱから
ただよってくる
それは それは
卒寿のおひとりさまには
真 ....
最近 どうしたわけか
卒寿となった おひとりさまに
わけもなく
にじみでてくる泪がある
それは・・・・・
....
穏やかな風と光が
丘のひだにあふれて
卒寿の猫背を包みこむとき
おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる
はるかに過ぎ去った
白い季節の ....
冷笑しないでください
卒寿(おいぼれ)ともなると
ゆめとのぞみは萌えにくいのです
青い年
とちがって・・・・
謳歌はうまく唄えないのです
赤い「根明」(ねあか)の齢(よわい)
と ....
庭木がかもしだす
日陰と日向が
その鮮明度を増し
遥かに漂っている
卯月の雲も
田の草月に移行するとき
いままで眠っていた
老残の ....
浅いひびわれができた
ベランダの三和土でみる
一匹の蟻
単なる散策なのか
それとも
餌を探すためなのか
まるで卒寿となった
おひとりさ ....
広場の木立ちが さけんでいる
黒い北風の渦まくなかには
行くなゆくな と
両手を振って
だが・・・・ ....
冷笑されるでしょう が
卒寿となった いま
すがりつくしか ありません
過ぎてしまった
脆い群像の 淡い言動のかげ に
卑下されるでしょ ....
芥子色の北風をついて
冬至の太陽が
レースのカーテンに
無味乾燥の原版として
いろつや褪せた
庭木のかげをはりつける
卒寿と ....
いまごろになって
やっと
起床直後の呪文が
癖となった
仏壇にたてかけた
亡妻の遺影に
「おはよう」と
口 ....
昨夜の夕食は
なにを食べたったか
なぁ
あぁ そうだった
カレーライスだった か
いぃ ....
いつのまにか
お盆も お正月もなくなって
在り難い
卒寿にたどりついた
アデノイドのおひとりさま
隙間風が
....
余命と寿命のあいだを
日々往復している
卒寿となったおひとりさま
にとって
それはありがたいことなのだ
往復切符の
砂時 ....
わがままな初冬のそらは
雲と風を相手にして
陽光の支配を絶えず監視している
そして
筋骨質の日本列島は
南岸添いに こころわびし ....
東海は 渥美半島の 砂山から
真昼の渚に 乱舞する
海鳥たちを ながめるとき
太平洋を覆いつくす
「悠久」のふた文字が
こころにしみて
....
東海は 知多半島の 里山に
野の鳥かげがうすれるなか
昼夜の区別もとぼしくなって
背の伸びきった「時」はただよい
間の伸びきった「空」が拡がっている
....
夏 熱苦しかった 公園の立木は
秋 身軽くなって
梢をより軽やかに おどらせている
そして 庭木の葉先も
背伸びし終えて ほほえんでいる
野の鳥たちにむかって
招待状を提示するかのように ....
いつのまにか
齢(よわい)は噛み砕かれ
おカネが 卒寿の勲章をたずさえて
ころげこんだ
おひとりさまのふところに・・・・
このうえの無い因果となって
あぁ
ことしは冬将軍の目覚め ....
卒壽となったおひとりさまは
なかば めざめの大脳をさそって
朝食後
ウインドーズをたずね
蒼白なワード面をひろげてみました
すると 第一行には
詠嘆の麗句が
そして 最終連に ....
なぎさでさわぐ波濤のように
名前まけする 小公園の
こだちがざわめく 晩秋 に
卒寿となった おひとりさまは
もっぱら せまりくる
おのが身の陰影(かげ)に追われる
甲高い鳥のさえずりと
....
陽はやわらかにあふれいで
光はしずかにふりそそぎ
こがねのなみがおさまった
神楽月は わびしい街はずれ
原っぱの片隅で おとなにとっては
意味もなく くりかえされる
こど ....
ヘクトパスカルがひとやすみしている
ゴーデンサファイアを紛失した
神楽月の昼さがり
腕ぐみ─まどろみ・・・
なまあくびして
なみだをふきだし
視野をひろげ ....
紺でもない
青でもない
空は空いろとなって
白い雲をそだてている
そ し て
やさしく みつめている
卒寿となった
....
晩秋にただよう
すっぽんぽんの朝の冷え込みを
なだめ すかそうと
(北の高血圧の隙間から)
まつ毛をかわかして
ものしずかにふりそそぐ
神無月の太陽の優しさに いま
鴉 ....
庭木のこずえが
暮れ六つどきの
かわいた秋風にゆれている
しのびよる冷気と
弱気なひかりにさえ おどされる
卒寿のお ....