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十代の頃、坊主頭のボクは
がなるように
歌うしかなかった
裡に潜む得体の知れない
悶々とした想いの捌け口を求めて
形に
言葉に
縋りながら歌っていた
生活の為に地方テレビ局で
....
愛していないと死ぬようなひとと
呼ばれたいなぁ
永遠に成熟なんてできない
終わりのない時間を生きる
恋愛を
したいなぁ
時間に縛られてもそれもいい
いつ逢っても新 ....
そういえばわたし
ハッピーになったんだった
だから夜が好きになって
バランスのいい安心を
抱いて胸を撫で下ろすことができるんだ
なにが流れているか
なにもみ ....
手を
あわせるのは
ここに
こころがあるからだ
これが存在だ
宇宙にしてみれば
悪も善も無い
けれど
悪や善のルールが
人間には必要だね
・
無事を
いのる
こころの
高さは
天だ
・
ありがとうさま
あなたの
おここ ....
引き出しの中の小銭のように
ちっちゃな幸せは
身のまわりにたくさんころがっている
一杯の酒を
楽しみに生きることだってできる
一編の詩を
楽しみに生きることだってできる
隣人との茶飲み話 ....
フライパンなあのひとが熱くしたあたし
とけて 香って まあるくなって
焦がれりゃ「おんな」のできあがり
皿のうえの色恋が放熱している
磨かれたグラスにたっぷりとミルクを注いで
にがいパ ....
冷たい風が吹く午後
サイゼリアに行こうか迷っていた
線路を越えて今日は行く
そう いつも思ってはいたけれど
今日はうどんを僕は煮込んだ
外は白い雪が見えた気がした
だけど明日はサイ ....
部屋の明かりが消えた。キッチンも、廊下も、
トイレも。カーテン越しに差し込む街灯や近所の
明かり。わたしの家だけが何事もなかったかのよ
うに、暗闇の中、どこまでも透きとおって見えた。
....
深緑の
革製ブックカバーを
五行歌ノートの
私の魂(いのち)に
掛けている
いのちを
傷つけた人の
こころは
傷つけた人のいのちも
けがしている
・
悪は
悪だ
私の悪も
でもね自然にとっては
悪も善も無いよね
・
失って かえらない
....
「ミズノちゃん、元気ありませんね…。」
「まあな…。私らでも、ショックやからな。」
旧館寮母室で朝のミーティングを終えて
ミズノちゃんが出て行った後、
若手職員らは話す
三日 ....
薔薇が咲いた夜は
遥かにむかし
遠くまで
遠くまで
時間はさかのぼる
君は薔薇を咲かせて
僕を昂らせた
永遠に昇る
螺旋階段
薔薇は
螺旋階段の
踊り ....
○「奇跡」
奇跡は
僕の足元に
僕の頭上に
広がっている
ただ
ただ
僕が見過ごしているだけである
よく観よ!よく観よ!
よく聴け!よく聴け!
○「求める」
求めるのは
楽 ....
これは独白ですよ。たぶん。嘘は混じり込んでいるとも。もちろん。想像してみたくなる。いや、自分の死なんて想像してもつまらないものですね。幾ら考えたところで当たるわけないもの。なあんて、しかし捨ておけない ....
さびしい
小石は
お日さまに
じんわりと照らされて
あたたか
いのち
ここにある
そこにない
どのいのちも
大切なまま
「おはよう。今朝も、正門前に救急車が止まってたわよ。」
「二月になって、この数日どうなってるんだろうね?」
雑木林から出て来たサバトラ猫の鈴ちゃんと
施設の裏庭へ朝食を貰いに出向く途中の ....
「な、見て。またやってはるわ…『松の廊下』。」
「ほんまやなぁ。」
午前の館内清掃へ向かう若手職員らが足を止めて
視線を投げる主任と副主任の姿
朝礼を終えた会議室から
旧館へ戻る ....
かすかな生活の、いつ消えてもおかしくない繫りの
はっきり見えていなくても、それを想い描ける
聞こえないけれど感じる
小さな部屋で、今あなたが立てるあらゆる響きを
同じ夜の片隅にある、遠く隔てら ....
○「遊び」
姪の子たち三人にせがまれて遊んだ
お手玉 鬼ごっこ かくれんぼなどをして遊んだ
疲れたが
子どもたちにとって遊びは
何ものにもかえがたい至福の時間だ
と改めて思った
子どもた ....
息をするだけで
胸がスーッとする
朝早い冬の陽があたる窓際で
窓を全開にする
まだ
人の数もまばらで
車の音もほとんどしない
街を赤く染め始めた
あたたかい朝日が ....
「ハマさん、夕食後また三十万盗難事件ありましたよ。」
「困ったもんやなぁ…。一昨日の空き巣はキクチ君やったしな。」
「今夜あたしですわ、さんざん…。」
宿直日の二十時前、事務所におられる ....
わたしが傷ついたのは斑にみる視線
....
バス停に向かう時からドキドキしている
次のカドをまがると待ち人の列ができている
心臓がドキドキしている
最後尾に並んでいる
毎日新鮮な気持ちで向かっている
....
冬眠から目覚めたクマが一番にやらなければならないのは歯磨きだ。それから税金を申告に行く。顔を洗い髪の毛に櫛をあて下着を履き替えるともうこんな時間だ。できるだけ先のピンと張った歯ブラシを見つけて蜂蜜 ....
はる、
にちようびのそくどで走ってゆく、
ひとときの、
ゆるやかな午睡、
草木は徐々に生いしげってゆく、
山沿いの線路で集約される、
一両の田舎の電車、
ちいさな無人駅のような、
ささ ....
見るものすべてが嫌になり、
瞼を閉ざす闇の中。
沈黙に勝る音楽はなく、
肌を刺す冷気よりも
痺れさせてくれる抱擁はない。
゛お前なんか゛と笑う眼差しの剃刀が、
私という果実を切り刻む ....
人のかたちと
花のかたちが
重なると
やわらかな色が
生まれる
花のかたちと
鳥のかたちが
重なると
にぎやかな色が
生まれる
鳥のかたちと
人のかたちが
重なると ....
オレンジカクテルの空が
家々のむこうに沈んでいく
どこからともなく飛来した
小さな黒い鳥の群れは影絵
ゆったりと宙に張られた電線に
互いに平和な距離を開けて
つぎつぎにとまれば
みんな
....
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