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姿見池には
何も映らない 別名は影見池
梅と詩文を愛惜したひとが
西へ行く路
水鏡を覗き
月に宛てて歌を呟いた
古代の風景は
異国のお伽話よりもわからない
ありもしない罪に ....
鞄の中には
ひと握りの青空と
昨日捕まえた飛行機
微かなその羽音
生きていく毎日の走り書きは
遺言のように積み上がって
夏、という言葉だけが
いつまでも
うまく書けなかった
....
こうして
踊る人形は
同じ動きでくるくる回る
いいことあった
悪いことあった
朝になって
寝不足のような顔が
ただ腫れている目が
夜の怖さが
朝も怖くて
いつかの終焉と祈りが
....
日正規雇用
時給いくら、日給いくらの
疲正規雇用
乙かれ、乙欄〇
避正規雇用
壊れた椅子の脚を支えて何年
飛正規雇用
支払調書で凧揚げ、向い風
秘正規雇用
メンバーではない、知ってた ....
自分のこころを
見失う時もある
そういう時は
自然に任せます
私という宇宙の一部を
・
今日は
元気が
出ない
こういう日もあるさと
こころの日なたぼこをする
闇に沈んだ森に
すみきって硬質な音がひびいている
呼び出しのベル
からすの巣にかかげられた黒電話
ひなはとうに巣だっていって
せつな、
忘れていった羽毛がおどる
とても軽いから
命 ....
散りおちて
生垣の茂みに燃ゆる 花びらは、
貴方への想いを馳せてピンク色
今日歩む 暗き小径の
竹灯篭
すぎさるものいとし
いつものみちよるべなく
てのうちいれた指の
すぎるもの零れぬよう
はかりにかけるちのこえ
わすれてに仕舞う
いちぢくのみの爪さき
海のうちおちてくみ
ゆうど ....
この世界の
平面直進する
時間の次元に
立体垂直の次元
貫入スルその瞬間、
どろんと昇った
下弦の月
濃密に暗む黄に
輝く巨大
死体安置所目前にした感触 を
死 ....
冬靄に
鳴き交わす水鳥の群れ
細い車道のヘッドライトを
吸いこむ ささめ雨
大通りの交叉点
如月の靄 薄れ
東へ連なる街燈のむこう
仄かなサーモンピンクの低い雲
....
冬空の蒼く凍結し
しずか独り小部屋に
打ち寄せる内なる光の波
次第ひろがる遠く奥へ
波打つ光の粒子無数無限
白銀の輝き増し揺れ躍り
内なる光景の自立し
弾む言ノ葉、力 ....
オカリナを吹くことになった
メロディで三曲
選曲はわたしの自由だったが
オカリナは音域が狭いので
吹ける曲はそう多くない
「翼をください」と
「たんぽぽ」と
「昴」を吹くことにした
....
青銀色の
光る
風に
吹かれつつ
ここで生きる私
・
名の無い鳥を
見送る
名の無い私の
名の無い気持ちが
芽を出す朝焼けへ
固く結んだ唇を
解く時が来た
まだやりたいことがある
諦めないで夢を見た
何度目の朝でも
バターを塗るように
目標の四隅に
春という風呂敷を広げて
もう一度だけ飛びたい
柔ら ....
猫も杓子も
上から下に水が流れるのに問いも答えもない
食べて、排泄し、寝て、育ち、全うする
何処に産まれようが
何処で死のうが
自他画像
まず、目の前に別の顔が合って
....
なんにもない
ひろがり
ほんのりあからみ
そまりいく
磔刑の無力耐え忍び
呪言を読み聴かす
置き去りにされた夜に
〈向こう岸が見えるかい?〉
と、 ....
雨の初日
都会にも雨が降った
たくさんのものが濡れて
雨音の音や
雨水の水が
ふとした街路の様子を
美しく満たしていく
人混みの中で感じる
植物の吐息
どうしても
辿り着け ....
はだけ絡まり
伸びる枝々
繊細に
湾曲しながら
広がり扇状へと
メタモルフォーゼ
今、斜光に染まり赤々と
眼差し凝集し
陽の翳りの瞬間、
絶えること無き
生命という ....
銀杏並木
沈黙のたしかさ
煙草に火を着ける
マフラーをほどく
散らばる陽色の実
街に集散する鳥たち
風は午後を吹き抜け
永遠
く ....
ガザの人たちが切に求めているのは
食べ物なのに
イスラエルはそこへ
爆弾をどんどん落としている
神様はどうして見て見ぬふりをされているのだろうか
夜中に目が覚めた
真っ暗な部屋に夜がひとり
しんと静まり返った夜が
ぽつんと立って、
なにも言わずにずっといる
朝まで立ちつづけたら
きっと疲れるだろ
よかったら、
ボクのそば ....
まあるい串団子をほおばって、
まあるくなる、
きみの顔もまた、
まあるいお団子、
凍結した滝流れの透明な巨大、
ふと定位する白い部屋にひとり居て
清らかな陽射しに瞬きしながら息し
亀裂走り行く大地のゆるやかに確実に
ぶっとい虹の根元侵食する悪なる力動
純白 ....
神様とキスをして
悪魔と踊る
あの人を
天使はみかねて連れてった
そんなおとぎ話を
想う
酔ってるの
ごめんなさい
魔と魔を均衡させる聖性にて
柔らかく硬く冷たく熱く生き
びっくらこともんどり打って
霜柱立ち、
踏み締めながら
我 自らを意識し、
魂の深みに白く暗まる淵在り
渦巻く純白の ....
お互いさま
と
あるお方が
言ってくれて
救われました
・
からださん
いつもいつも
ありがとう
こころさんも
ありがとう
笑いながら
泣いている私と
すべてのヒトが
いなくなっても
星は光っている
ちょっと気鬱な
月曜日
交差点に
今朝は飛んで来てくれた
白い息吐く
羽黒蜻蛉
その引き締まった脚線は
二対の翅、
着膨れする ときわ木の
林を抜けて
見 ....
人生は言葉さがしの旅であるという人がいる
僕が救われた言葉は
仏教の「四苦」という言葉だ
「生老病死」の四つの苦しみは
誰でも避けられない苦しみであるということだ
僕はこの「誰でも」というと ....
夏を置き去りにして
熱は大気に溶け
甘やかな冷涼
時に運ばれ来る秋に
真紅に染まった貴女
輝き出て私を眩ませ
両手差し出した瞬間
突然到来した冷気に
置き去りにした夏の
呪詛響き渡り ....
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