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新年 開けて、街 静か
枯れ葉サクサク踏んで過ぎた森も
川沿い遊歩道歩く人達も
静けさの透明瓶底を
斜光に照らされ輝きながら
無音無音、また無音
無音、青く濃くなる天蓋に
包まれ私はベン ....
薄曇り
灰色のやわらかなシーツの上
鳥たちが矢印で年のゆくえを示す
あなたがじっと見ている
薄緑の瓶の中にオレンジの蝶
と思えば炎
お湯の中に重い身体を沈めたら
ふかふかタオルで ....
しんと静まりかえった
森の中で
無辜の民を銃殺する
糸が切れた人形のように
グニャリと地に伏して
数十万人
或いは数百万人
彼らも
私の手にかかるなら
こんなにうれしいこ ....
宇宙に永遠にかわらぬ真実があるとするならば
正しいことが絶対ではないこと
ふたつにしてひとつであること
これが分からないひとは実に幸福なひとたちだ
地球の世間の芥にまみれて ....
2015年がもうすぐ終わる
2015年は死んで過去になるのだ
2015年は1月1日に生まれ
2015年は12月31日に死んで往く
2015年の寿命は一年と定められている
2015年の前の年も ....
私は毎日重罪を犯しています
人を騙して心を盗む行為に明け暮れる日々
喪失感ではなく満足感を与えて
涙ではなく笑顔を与えます
僕が騙している最中皆目を輝かせています
僕には訴える目を向けて ....
口から耳を吐き出す。
耳は目になって排水口を流れていく。
目になった耳は明日の壁を踏みしめて
雑踏を突き進む。
耳が吸い込む声は、
いつだって罵倒と嘆きだ。
けれど耳は、
罵倒の皮を ....
かわいた裸につめたいドレス
あなたの肢体の隙間を縫って
透けて見える 十二月の行進
こっそり口を開いた嵐だ
札束を数えるように
耳を裂く静寂を値踏みして
時間が止まって感じるなら
....
誰もいない
私の目にできることはなにもない 人から
瞼を静かに閉ざされた しかし 私の
多くは 目の瞼を閉ざされることによって 開かれる
私は日が暮れて 多くは 私の中にある
....
年の暮れにすっかり見通しのよくなった玉川上水を歩く
日差しというのは本当にこんなものだったろうか
木陰を求めなくなった皮膚が季節を飛び越え
あるいは目の前の季節以外を忘れてしまったみたいだ
足 ....
目線が下がりすぎた
普段とは違う方向に
浸透が始まっている
前歯に対してできる
だけ
垂直に差し込んだパンを
咀嚼
する毎に
脳裏に溢れ出す代替案
やり過ごしたはずの情景は
ほんの ....
人類史上最大の大戦争の第二次世界大戦は
1939年~1945年迄の6年間で行われた
昭和天皇に向かい皆「天皇陛下万歳!」と声を上げて
我が日本が勝つ為に特別攻撃隊も命を投げ捨てた
19 ....
国道から路地ひとつ入ったその商店街はかなり古くからあって、そこそこ人通りも
ある。だがしかし交通の便が今ひとつ。圧倒的集客を誇れるようなキーテナントも
なく、それゆえだんだん寂しいことになってしま ....
青暗くて遠い夕方
路地から猫が振り返る
だいぶ遅い因果律
いのちの殻が振り返る
今ごろ順番かあ
これが俺の天罰かあ
からだの不調で
俺は死にそうだった
....
時の歩みに歩幅を合わせると見えてくる現実。
真夜中に息を潜めると聞こえてくる騒音。
眠りを妨げる得体の知れないものたち。
そろそろ今年も終わる。
新たな年には新 ....
真夜中に映し出された、
渇ききった林の奥の瞳は知っている。
ほんとうは、
誰にも何にも、
降る雨などないということを。
それは与える愛ではなく、
誰の胸の奥に必ず咲いてしまう
甘ったる ....
この世の吹きだまりには
決まったように列車が走っている
結論ばかりが吹きだまり
主張ばかりが吹きだまり
静寂が一向に吹きだまらない
静寂は余りにも遠い
距離の概念が消えるところに
....
夏の灼熱の熱さを
秋の黄昏の温度を
凍てつく冬の露の滴を
桜は見ている ただジッと動かずに
桜はその時、何を感じているのだろうか
辛さか
孤独か
悲しみか
何も語らずに 桜は黙して ....
冬の空の雲は本当に低くて
伯母を見舞った帰り道
北に向かって
車を走れせている
そのフロントガラス越し
遠くの雪かぶるアルプスよりも
先にたどり着いてしまいそうなほ ....
北
極星のもとに彼は立つ
視界に都市と荒野を広げて
その指先から綴られゆく言葉に
閃く叡智の稲光
西
葡萄色の雲を漂わす
美しい黄昏の瞳
彼は歌う 深々 ....
しあわせになろうと
思っている
大事な人といる時は
喋りすぎず
早歩きせず
気負いせず
気を許しすぎず
しあわせになるために
赤裸々に自分を語ってはいけない
少しばかり
....
幕開けに
ことばを持たずに臨みたい
髪を切って女という味を色濃くしたなら
フリックで弾いた間奏で涙をながして
愛をいただく年の瀬に助走する
底には濁りがある
ひとさじ掬ってわた ....
贅沢な感覚の増す 時を澄ます窮の弓が張る
移ろい四季は何者に身を委ねたのか
とても暖かい
案ずることを止めないが
四季はいつだって研ぎ澄まされた手先からの仰ぎもので
意志を持って ....
記憶体、
ざっく ザックリと 切り開かれます
映像群、
ぽっか ポッカリと 映し出されます
汽笛、
鳴ります 遠い国
流れる流れる追いつけない
洋上の青 浴びる太陽
溶け合 ....
久々訪れたこの夜の静謐
は、
昼間街中 よろめいてぶつかった男に
謝罪する間もなく殴られ 黙した
その無抵抗の余韻。
ビーズのように
煌めいてみえるから
私は掬う
その場しのぎの
粗い笊で
泥水みたいな夜のそこ
横切っていく
言葉の川
掬い揚げたら一層輝きをまして
ただの小石が詩のように光る日もあっ ....
回転しつづける君の夜に
墜落するイカロスのちぎれた翼を貼り付ける
思いつくままに貝殻を並べて手紙を綴る
離島の風景をきみの気を引く為に誇張して淋しげに
風化するものはそのままにまかせた ....
草の下の街
葉の影の底
光の板の重なりの塔から
三つの時間の羽がひろがる
子らは右を駆け
川は左を流れる
原が 水草が
光と光のまばたきを追う
水の ....
不安そうな目で僕は毎日毎日生きている。そんな僕に言いたい、子供のままでいいのだよと。
しかしながら、そんなことを言ってみても、そう呟いている自分も不安そうな目なもんだから、僕はますます不安になる。
....
運転席の位置にある
座席から見る風景は
何時もと少し違って
海沿いの街の生活を
貫くように
流れているのが
よく分かる
隣で
きみが満足気に
微笑んでいる
ありがとう
....
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