すべてのおすすめ
いろいろな物事を私は
楽しんだり味わったりすることを
覚え始めましたよ。
今を
生きるために
こんにちわ、
北風さん
扉のない家にようこそ
ひとつしかない部屋には
暖炉があって、
メラメラとよく燃えているだろ
冷っこいおまえさんを
ポカポカにしてあげたいから
しばらく暖 ....
幸せはいつだって
いつだって 朝霧の向こう側
いつだって いつだって いつだっけ
遠くのほうにぼやけて見える ポプラが
ポプラが大風に揺れて 綿毛が飛び立つ
土が歌 ....
蒼の
清澄な冷気に
ゆっくりゆくり
亀裂の走る真昼時、
他人行儀な
真白い街並みが
うねり押し返す天地の圧
剥き出され立ち止まり
ふと内側から
アスファルトの
ベロリ
....
夏の日の
薄い日暮れに
山裾を 退屈な貨物列車がめぐる
段々畑に
くっきりと動いている
働く人の影
歌を忘れたら何が残るだろう
長い貨物列車のリズムを
....
やわらかい、
手でひきながら、
にぎわいへとみちびく、
そのひとみに、
よく跳びはねる、
活発な、
ちいさなウサギ、
が、二ひき棲みついて、
だから、きみはよくまばたきをする、
その ....
豪雪地帯の雪は
人の命を奪う
時もある
白い悪魔だ
キレイな
永遠にありがとうだけど永遠に
変わり続けることに
変わりはないのです。
かなかなの歌を
うつらうつらと聞きたい
溢れ出る悪意の
果実を丸ごと搾り切り
奥底から表層へ
広がる原野 聳える岩峰
足元は見えずに
痕跡だけ
浮かび上がり
粉々に四散する
声の断片
不機嫌な朝に夕べを夢 ....
陽 翳り
枯れいろの
シロツメクサも凍てつく風に
負けじと見ゆる
ふくら雀の いとおしさ
体温が微かに響く
駐車場の隅に捨てられた
古い型の深海に
街灯のあかりが
とっぶりと落ちていく
コロナの夜は
静かに進む
階下から聞こえる
くぐもった洋画の声が
唯一の栞だっ ....
{引用=
そのことについて
その後のことについて
しゃがんで空を見た
そこには何も無い。
そのことがそのあとにあったのであれば、
その前のことを想像しま ....
晴れた日には
ゆで玉子を咲かそう
カワウソと並ぶ
いきいきと生きた
意匠の意味を
いっそ、もう河原に置いた
木魚を叩く暴徒を
許そう
宇宙人も許す
一切赦す
半熟の黄身が溶け出すく ....
わたしはわたしたちは
感覚直観される此の世界次元で
夢を観て居る、のではないか
とそう私は
時々 想うのです。
純白の頬を手で触れて
氷山の漂う
海原深く
沈んでいく夢を観る
一瞬から醒め
眼見開けば、
孔雀の鮮やかな羽ばたき
一閃する輝きの矢、
夜陰の街並みを
大勢の南国の人々
....
〔前回までのあらすじ〕
ペットショップで。一目惚れした。白い犬。彼=ダンスケ。
を。買い取った。年金詩人の。Kは。その後。彼の。養育
費を稼ぐために。海水浴場で働くことになった。
三月 ....
始発の朝に
腹を割いたら
群青があふれだし
膝をついたまま
脱落を選んだ
履歴書はよく燃えて
約束された未来は焼失した
何者にも名づけられない自分が
裸で社会に投げられ
すりむい ....
誰かに教わったわけでもなく
ひれもないのに
泳ぐ術を知っていた
不思議
暗闇の水は透明なはずなのに
烏賊墨いろ
触れる
包まれる
抱きしめられる
身ひとつだけの
図式
へその緒が ....
タイムマシーンに乗って夜に覚醒
ふわり浮かぶ白い頬のその感触
また逢いたい人の柔らかな熱
利他主義の反対、利己主義
エゴを競いエゴを注いで
資本主義、
何が飛び出すか分からないぞ!
....
桃の実の、そのなめらかな白い{ルビ果皮=はだ}は
――{ルビ赤児=あかご}の{ルビ頬辺=ほつぺた}さながら、すべすべした肌触り、
桃の実の、その果面の毛羽立ちは
――{ルビ嬰児=みどりご ....
行き着くところは
決まっているので
どこに転んでも大丈夫
苦しむだけ苦しんで
楽しむだけ楽しんで
自分のなかの
おまえとの
秘密には
傷もあり
宝もあり
鳥の声もなく
ほおづきの花だけ白く小さく
風もなく 空に色はなく
ひたすら降りこめる小さな庭に
女である事も、忘れて居る
犬は臭い
お隣の犬は知らないけど
少なくてもうちの犬は臭い
フランス製のシャンプーを買ってきて
風呂場で洗うが
ひと月もたつと臭い
犬は臭くて当たり前だけど
どうしても我慢できないのは
....
バスターミナルで
ステップ降りるパンプスに
纏いついてくる
外気の 重み
耳の端 掠める
年明けの駅前で戯れている人達の談笑は
夜陰に白いレース開いた
烏瓜の花
....
七回忌を過ぎた夜
寝入る微睡に
だれかの 手が触れてきて
髪を撫でるのです
幼い頃 してもらった様な
手のひらの温もりは貴女なのだ
と 気付き
うっすら 消 ....
内蔵が結晶化する
ラピスラズリの夜
膵臓に付随する
未発達の器官は
白鳥の飛来を予感する
湖を遠く離れ
過去世から持ってきた水色の宝石
泣いたって
聞いたって
わからないこ ....
僕の住む街に雪が降る
まつ毛の上で休む間もなく
空から落ちて来るものは
どうして冷たいのか
答えが欲しい訳じゃないのに
掴めなかった手が
いま僕の体温を奪って
消えていく雪のように
....
濃密に暗まる碧天に
久保田くんの顔、
巨大に貼り付き
びっくりする僕に
久保田くんから
十年ぶりに
電話掛かって来て、
オマエの顔 空に貼り付いてるぞ!
と叫んだら、
だ ....
大寒の朝
フロントガラスにいくつもの
小さな雨粒たちが
縦に並んでいる
球体の接地面で
ふるふると
ふるえてる
ああ、ここにあったのだ
糸から外れても
ばらばらにならないで
ここに ....
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