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浅瀬、少し水に浸かる
動かしえない程に固形化して
微かに、揺れていた
さざなみに瞼が閉じて、
浮かぶ影に
横切る、淡水魚に
捕まえられる、その光景は
いつ ....
月雲を渡り夜を越える
原付きのオイルの匂いが公園を覆う
季節外れの猫がこちらを見ている
振り返ってもまだ見ている
深夜のガストは安全地帯
ボオっと浮かぶ夜の島
猫型ロボットがソフトクリーム ....
振動を伴う、低い響き、脳髄の共振が、俺の体温をおかしくする、すべてを投げ出して横たわる床、甘い煙草みたいな臭いの、熱に温められた部屋の空気、まだ滲む冷汗を気にしながら、少しの時間他愛の無い夢を見る ....
僕らはみんな生きている
少し笑って生きている
少し走って生きている
少しうつむき生きている
僕らはみんな生きている
生物として生きている
動物として生きている
人間として生 ....
夕暮れ
公園で
重なることのなかった影
夜に滲むまで佇んだ
ボールを蹴る音や
笑い声も消えて
ベンチにやってくるのは
大人の時間さ
ムードが僕を追い出して
帰り道
細い ....
脳みそでみんな生きてる
脳みそ、すんげー人間らしいな
目がこっち見てるまるで人間みたいに
それ、脳みそなんでしょ? すげーね
明日事故でしぬかもしれないのになんでみんな勉強してるんだろ ....
あなたは
柔らかな布団を握りしめ
誰かの存在を抱き締めるかのように
ぐっすり眠っている
二世の誓いも
三世の契りも
いりません
二番目の女でも
愛してるじゃなくても
好きだよ ....
とても土のにおいがする花壇で
先生は苦しそうな顔できれいごとを並べていた
お母さんは泣いてた
僕はまだ小学生で
マリーゴールドを眺めながら
図鑑で見た
花の構造を思い出していた
茎、がく ....
やぁ、君は、ズルいねぇ。
ズルくなくっちゃ、
生きて来れなかったから?
ちょっと酸っぱいリンゴジュースを
朝コップ一杯飲むことにしているね
甘すぎるのは、嫌いだから ....
夜になると
ひとりだからよかったと想う
トラックがゆきすぎる音が
けっこう近くで聴こえるようで
夜だから
静寂に穴をあけるように
サ──────ッ
って
アス ....
自分の限界を知っていますか
抱えきれない荷物で
溢れそうではありませんか
出口の見えない不安が
飛び出しそうではありませんか
あなたの一言で救われる人が
....
新しい名前を考えている
体の内部ではちきれんばかりに膨らんで
内臓の行き場がない
吐き気がすごい
おしっこばかりが出る
おっぱいがバキバキ
頭が首で仕切られていてよかった、けど、ぼーっ ....
神社にいる猫
神様の飼い猫
手の匂い嗅がせたら
背中を撫でさせてくれた
もふもふ
もふもふ
祈りより
心無い肘鉄喰らわされた時の怒り
湧き立つ感情の置き場所を
この毛並みに沿 ....
貴方(ここでは敢えて漢字で書かせて頂く。深い敬意を今以って込めて)を初めて見た時の憧憬は、絶望の闇に立ち尽くす私を一瞬で救い上げたのでした。
世界は常に私を忌み嫌い、神は私に何一つ真理の道し ....
あなた、また凶悪犯の本を読んでるの?
エジソンはまだ知らなかった
自分がこんな本を読むことになるとは
まあそれはエジソンではないんだけどね
毒物劇薬取扱責任者
今年の夏もまた ....
青空の青は
宇宙との境目。
太古の人も
見ていた
青空の青
繰出し鉛筆で
いろいろと
書くのだ
あなたへ
ありがとうとも
読点の無い散文詩のように
ひたすら遠くへ限りなく続くかのような山道を刈る
それは、その行為はいったい何なんだろうと
我ながら思ってしまう
幼い自分、青年期の自分、雑多な怨念、過去の病的な行いや ....
さらさらと雨はふる
そんな日はるすばんだった
家の人がいなくなると
いくつかのへやがあらわれて
ぼくをまっていた
ぼくがひとりになるのをまっていた
孤独のかんむりをかぶり
手の中にはたっ ....
過去に帰ろうとしたら
暗い海が広がっていて
もうそちらへは行けず
冷たく足を濡らした
現在地に戻ろうとして
位置情報を解放しても
検索されずに行方不明
知っている景色がないか
....
しらない街の
公衆便所の手洗い場に花が咲いていた
枯れてはいけないと思い
わたしは水をやった
小さな花だった
色はかまぼこの縁によく似た桃色で
仄かに石鹸の香りを放っていた
その ....
狂った夜は俺を、悪夢に誘おうとする、俺は唇を嚙んで、流れた血の味で正気を取り戻す、出口はいつだって自分で作ってきた、不可能だと思えるような夜にもやってみるとなんとかなった、だからもういいんだ、闇の ....
太陽の剃刀は陰部からひと脈の血を匂わせた
人肌の季節を占って結露した光の置き場に困り果て
まだ暗い田畑で骨を拾う
骨は拾われる度に肥え月や星の声を濁らせた
他者の思考の中で溶かされる甘い小舟か ....
新しいのね、と
あなたは言った
掌に産まれたての光
瞬きの瞬間にしか
見ることのできない景色
ぼくは雪だと思ったのに
裏返って消えた
ここにあること、と
ここにいること
新し ....
部屋の窓からみえる月光が
とても綺麗なだけだというとしたら
君が大人になれてない
しるしかもね
ほら、今だって
魚の掴み取り
したがったり
心地よいクッションに
寝そべって ....
外に出れない日
窓の外を眺めていると
窓辺に小鳥がやってきた
淀みを断ち切るような
透明な鳴き声
心に新しい領域が生まれる
心の面積は無限大
小鳥が去った後も
余韻が心を満たし ....
一食あたりワンコイン
千五百円の食糧で
寝食除いて十五時間
生きてくためには一時間
百円だけで十分だ
しかもまったく食材の
クオリティにはこだわらない
ハイオクタンなお肉でも
レギ ....
ごめんなさい
ありがとうさま
いつも
見守ってくれている
姿無き存在たちへ
強い甘さを舌に灼きつけ あとかたも無く消えるキャンディー
とっくに味を失ったのに なぜか噛み続けてるガム
またひとつセロハン紙をはがして くちに含んでるたわけ者
あたしの想い出は 色とりどりの5 ....
こんな歌はいかがでしょうかともってきたのが鍋のうた
お湯をたっぷりいれてから強火で強気にあっためて
ふたをおいたらあたふたと歌いだすのが鍋のふた
ぶくぶくいってる熱湯にあおられまくりのパッシ ....
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