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願いが叶ったかどうか
わからないまま
一年が過ぎて
今年も七夕は雨だった
短冊を結んだ笹は
燃やされて
煙になる
煙になったあと
願いはどこへ行くのだろう
いくら目を凝ら ....
パソコンに向って
キーボードを打っていたら
ブ~~~ン
という音が聴こえてきた
蚊か?
気づいた時にはもう遅い
手と足と三ヶ所 刺された後だった
痒い 痒いと掻きむしりながら
蚊の気配 ....
150707
メロンを皮が薄くなるまでガジガジカジル
安物の悲哀だけど、メロンの味がする
甘さが足りないのだと見えない星空にも
同意を求めるのだけど、我が星には
....
赤く透き通った
血の様なワインを飲んでいる
酔っているので
詩は
書いてはいけない
酔っているので
なおさら書きたい
自制心が効かない時ほど
熟成しないまま
今すぐ
投 ....
神様が作った骨の成り立ちを考えれば
猫背であることはとても自然な成り行きであるのだけど
猫背である自分をウインドウ越しにうっかり見てしまえば
あんまり素敵じゃなくて
ちょっとだけ無理をして背中 ....
はい 間違いございません
わたしが〝ラッキーストライク〟です
本家本元
「首相投卵事件」以来
多くの有名著名人ばかりを狙った
スロウアンエッグテロリスト
今や多くの模倣犯が現れて
巷で ....
人が笑っている
マユミが笑っている
マユミは母
オサムは父
オサムは死んでいる
首を洗って待ていろ、と
テルヒコに言われ
二十年、首を洗って待ち続けた
首だけがただ
....
言葉はなぜあなたにつたわるのだろう
あなたの脳内で維持されている
概念に呼応する音声あるいは文字列を
話し手と聞き手が相互にいれかわりながら
違和もさしてなく理解できる不思議
中国の ....
故郷の水産加工場で働き始めて二年になる
腹を裂いて 卵を取り出す
完全な流れ作業
嫌な仕事 本当に
だけどこんな田舎ではまだましな方
特に何ができるでもなく
コネがあるわけでもない
男相 ....
身籠って 産み落として
遠のいていった 円の扇子
縹色に染めた夜空を次元のフィルターに通して
オパールが形を整えてゆく 円から欠け円へ満ちる
側面と円柱と竹のよう
東へ西へ梯子に ....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か
床の飴色は頬に ひんやり
水飴にもなれないまま
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
冷たい窓ガラスに
一匹のヤモリがいた
わたしとヤモリは
互いの存在を
ほんの一瞬で認め合う
空気がほんの少しだけ
動いた気がした
目が合ったのだよ
確かに
あの時
人間と虫
....
――卵がない!
よりによって
妻が亡くなってから
最初の息子の誕生日
わたしは初めてオムライスを作った
息子の大好物
記憶の中の見よう見まねで
決していい出来ではなかった ....
窓を少し開けて鏡の中を覗き込む
壁と中途半端な景色に私の顔が重なる
「今朝も生きているのだ」と思えば、
、また嫌な気分になる
それはそうと、口を大きく開けて鏡を見るのは勇気がいるのだ ....
まだ 目覚めていない
血液のせせらぎを聞いている
群青の影が台所を滑り
頭の中 雀が何か啄んだ
フライパンに火を入れる
蓮の花が開くように
わたしは呼び覚ます
朝はひとつの卵から生ま ....
{引用=お隣りさんから伸びている皐月の枝に腹を立てて
お父さん、チェーンソーで切ったのよ
根元から
}
母の愚痴のほぼ全ては父のことで占められているから
電話はいつも父への悪口で終わるの ....
それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ
鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ ....
容赦なく
照りつける太陽から
逃れるように
白い日傘が路地の奥へと入ってゆく
打ち水をしたアスファルト
ゴーヤ棚が繁って日陰をつくっている
縁台でのんびり寝ている野良猫
軒下には硝子 ....
洗面器に顔を近づける要領で
わたしは水面を覗き込んだ
ひんやりした柔らかい手がわたしの頬におかえりと言った
ぷくぷく…彼はそんな言葉でおかえりと言った
久しぶりの感覚だった
あなたの手は ....
「生きて 在る」 ということを想えば
やはり不完全だ
「生きて 在る」 ただそれだけでは
感じ 考え こうして思念で交信する以外
何もできることはない
私たちはどんな姿をしているのか
....
あなたを焼く炎は
煙さえ立てることなく
空に消えて
後には
黒枠の中で
ほほえむあなただけが
残っている
空に
光りの砂
さざめき
大地に広がる
夏草の波
....
空をゆく鳥が止まっているのじゃないかって
思う時
あるよね
そんな言葉で恋が始まることもある
わたしたちが本当に見ていたのは
鳥でも
雲でも
小刀のような銀の波濤でも
ウインドサー ....
とうに手放したものを
いつでも
たぐりよせられると
隠し持っていた
古びた
麻紐
年月に擦り切れては
いない
乱れる思いに
捩れてもいない
さっぱりと乾いた紐の先には
....
ぐおんと
いしきの
たきつぼ
おちれば
あぶくに
つつまれ
呼吸の
できない
じぶんが
いた
『 尾鰭よ!』
と、つよく
念じる
「 ねぇ、きみ ナイーブ とりか ....
上司といういきものは
おそらく有袋類らしく
どこか体の内側に
たくさんものを隠せるようだ
頭の先から爪先までの
ながいながい煙草とか
ちょっと一本、と出掛けていって
ずっと帰ってこないよ ....
熱帯夜に
惑わされて腐乱した睡眠から
止め処なく垂れ流れるゲルは
黒い卵を内包していた
寝息が言葉に染まって
過去の幻像を描くとき
醗酵したゲルは悪臭を放って
野を枯らし 街 ....
おにぎりを握るてのひらで
詩を書いた
いつか
おにぎりのように
なるように
卵はひとつの理想形だ
人間もまた卵から生まれれば
これほど母親との確執に苦しむことはない
乳と血の繋がりはどんな病的恋情より
互いを束縛しその愛は動物並に遠慮がない
その点 卵は完璧だ
無 ....
他の児童の2倍のからだだったため
担任の女教師が
二人分食べていいと言った
デザートや人気のおかずではなく
余ってるコッペパンと牛乳をだ
私は腹に溜まるものがよかったので
喜んで食べた
....
ブリューゲルがすき
野間宏が「暗い絵」と表現した世界
描きこんだ風景を解釈する自由
それっていいかも
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