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その少女の心にとって
世界はちいさな鳥籠のようなものだった
清潔な場でなくてはならなかったし
少女も清らかな心を懐いて
完全無欠な美しい絶対の四季の森の湖面に
常にさやかな漣をつくる風のよう ....
冬が好きだ
大好きだ
雪に歓べる東京だからかもしれない
それにもぐっていられる
隠れていられる
その他大勢のはずだと
きちんとしなさいうぬぼれるなと
もしかしたら
の恐ろしさの数数から ....
扉のそとの明るい闇に
つっかけ一つで飛び出すと

石焼きいも屋さんがいた
おいちゃん、わたし千円持ってる
三つあげよう 特に美味しいのを選ぶからね
家には人間は一人しか待っていなかったけれ ....
心はどこにあるのだろう
心は海にあるのだろう

今朝の静かな{ルビ潮=うしお}には
わたしが隠れているのだろう

そこでは無数のお魚が
シャンパン色の夢みてる

そこでは一人の{ルビ ....
終着駅までのすべての往路が足し算の暦なのだと
信じきっていたころも確かにあったことを思い出す
アネモネの蕾をみて安堵したように降りはじめる雪がある
ことはまだ知らなかった
降りつつ、積もる雪で ....
{ルビ朝=あした}が来たからもう眠ろう
夜の迷子はもうやめて
あしたが来たからもう眠ろう
この世の迷子をもうやめて
善いですね、花は
いつみても善いですね
たぶん神さまです
たぶんなんでもゆるします
きょうは特に会いたかったです

路傍の石っころは
決して言葉を使いません
でも 言葉を持っています
 ....
猫のうたをたくさん描いた日日
束の間のしあわせと平和をしる
それをしるすよろこびが 実は
のちに癒せない痛みとなっても

そのことである
そのことである
そのことである
猫はもういない ....
猫の死を看取って
父の死を看取らなかった
看取れなかった
間に合わなかった
タクシーがいけない
わけじゃないたまたま
道路が

父さんの死は私の最初の死、で
その後に仰天の連続たとえ ....
あの{ルビ娘=こ}は女の子 なのに
選べなかった積み木で建てた家には
花を飾る場所がない
わたしが贈りたいのは
やわらかな色のラナンキュラスの束なのに
どうしたらいいのかわからない

だ ....
吐き気を呼ぶバロックが
鍵盤に叩きつけられている
CDジャケットを見ればピアニスト
理由に気づき 音を消した

やすらぐためにそつなく選んだつもりだった
その曲がその曲のせいではなく
弾 ....
私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景

私は何も語りたくない
私としてのさびしさなど

私は私でありたくない
私にとって 私でありたい

私にどうして姿があるのか
多分 ....
駅にゆく道すがら
こどもがしゃがんで俯いている
俯いた背中が震えている
泣いているのだとわかった

道行く人を視ていると
みな邪魔そうに避けていく
なかには蹴とばす真似をして
薄ら笑っ ....
光りのあしたが私たちの歌を聴いているとしたら
あしたも必ず光りのあしただ
、冬の梢がうなずく

ミモザからの約束のようにみずうみの漣もほほ笑んでいる、
という日になぜか
胸のどこかしらは強 ....
ふた桁のぬいぐるみたちを所有するわたしの棺はにぎやかだろう


活けるなら白だと思い一輪のスプレー咲きのあなたを買った


歳時記の風を訪ねて父に聞く「あなたの骨はいまどこですか」

 ....
十二月はもういらない
この部屋にはいらないから
そのようにあきらめていただく
権利はこれから定めさせていただく

私は堂堂とカレンダーから十二月に辞めていただき
しあわせなバラ色の
部屋 ....
{引用=〈2013.11.12 北海道「青い池」に初雪〉}
十一月十二日でした二年前あなたに雪が告白したのは


過ぎてから纏めて破く日捲りの今日はあしたを焼べたいほどの


シクラメン ....
ポン柑の味の香りの優しさはいつか会いたい母に重なる 心は一輪の不自由な花だと思ってほしい
つまり摘まれることを拒むことができない
哀れなそれは
でも確かに一つの命だとあなたにわかることは
ないよ、ないよ、と今朝も鴉が歌ってはいるけれど
神さまが十三月もくれるなら羽毛のようなとお願いしたい 栞をはさんで閉じようとした
歳時記が
本を押さえても平らにならない
抵抗している何かが居る

、それは直感だった
それが何にせよ傷をつけて
可哀そうなことになったらと
まず案じて、本か ....
そういえば野葡萄の森には
女学生たちの笑い声が響いていた
ルージュをいまだ知らないいとけなさが
あまりにも無防備にうららかに
秋の終わりを彩っていた過日

   #

電気代・ガス代に ....
飛ぶ鳥のあれは渡りか夕近し家でシチューが待つ子待たぬ子 綴られて次の頁へゆく前に
少女はもう一度 花野へ足を運んだ
静かな色彩の秋の花花に
じっと見入っている
草の実が、
ぼくたちも居るよ
とそっと少女に言いたそう
けれども時は待ってはくれず ....
来るわけもない電話を待って
呼ばれていない場所へ出かける
いつものやり方くりかえし
たぶんわたしは終わるのだろう

降る里のない想いのことば
白い袋に詰め込んで
イブの夜にはサンタになっ ....
一.ほとり
泣きやむことを忘れ
とてもわたしらしくなったと
この夜いつまで居ようか
ここに



二.花占い
そこの{ルビ他人=ひと}は暗がりで
命を摘んでいる
気になって仕方な ....
永遠が一億を超えた島を見て 賄えない と嘆く神さま


まなざしを空へと教え導いてそのまま飛んでいってしまった


つぶやきにうなずくきみをみあげると秋の日差しのなかの黄葉


 ....
父さん居るのなら聴いて
日日ほがらかに楽しいです
あなたの最後の願いのとおりに
日日はとてもさいわいに満ちています
私の右手は人を指差すためにあるのではない
私の左手は施しを掴むためにあるのではない
はい、向いていなかったです
生きることには
まったく間違いでした
生まれてきたことは

恨んではいないけれど
なぜですかと 思っていますお母さん
申し訳なく言葉もないです
大好きな。お ....
レタスさんのもっぷさんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いたる- もっぷ自由詩1117-2-5
2017.01.21「冬が好きだ」- もっぷ自由詩317-1-21
扉のそとの明るい闇に- もっぷ自由詩917-1-2
生きる_(草稿)- もっぷ自由詩6*16-12-9
おむすび- もっぷ自由詩816-6-20
ララバイ・グッバイ- もっぷ自由詩3*16-6-17
善いですね、花は- もっぷ自由詩6*16-6-2
- もっぷ自由詩516-5-23
- もっぷ自由詩416-5-22
心の家- もっぷ自由詩8*16-5-17
バロック卿- もっぷ自由詩416-4-29
梢が春となる頃に_(「すみれ」習作として)- もっぷ自由詩1016-1-11
ふゆのこども- もっぷ自由詩11*16-1-8
ミモザと飛礫- もっぷ自由詩916-1-3
「骨」_2015.12.30- もっぷ短歌315-12-30
あきらめていただく- もっぷ自由詩315-12-26
池のほとりに柊の頃_「平成景四首」_2015.12.18~2 ...- もっぷ短歌4*15-12-18
大好きな_*- もっぷ短歌415-12-18
鴉の歌- もっぷ自由詩615-12-14
お願い_*- もっぷ短歌315-12-14
ごめんなさい- もっぷ自由詩6*15-12-11
乾いた雪- もっぷ自由詩915-12-10
飛ぶ鳥の_*- もっぷ短歌3*15-12-5
歳時記の白い栞- もっぷ自由詩615-12-5
ふゆのおさいふ- もっぷ自由詩8*15-12-2
デルフィニウムの線描をください- もっぷ自由詩11*15-12-1
「わたしのために」- もっぷ短歌4*15-11-30
往信- もっぷ自由詩615-11-30
8:00p.m.- もっぷ自由詩715-11-30
湯気- もっぷ自由詩615-11-23

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