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幾星霜
祝福の花束を作り続けるの
枯れては編んで
編んでは枯れて
まだかなあ
まだかなあ
いつになったら孵るかなあ
わたしあなたのお母さんよ
報われなくても
救われなくても
....
レタスがいのちをもっている。
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。
レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけここ ....
きょうび 灰に花に 煙に霞に
忙しくて
あなたの影ができない
光さんざ降る 窓の外にも
薄暗いお家にも
心の 海原にも 大地にも
忘れないで 忘れて 忘れないで
あなたの声が
不快 ....
空が3つあればね
1つくらい駄目でも構わないけど
音楽室は雨のコーラス
トライアングルを鳴らすと
乳頭があまく痺れた
先生はしょうのうの臭いがした
深くおじぎをするとポケット越しの ....
私達はきょうも鳥の首を絞めて
お釈迦様を雑巾でぬぐっている
星は一面凍りついてしまって
月の香りがしないと鼻をすする
ころっと犬の彫刻が転がって
心臓をノミで打たれた感じ
....
洗いたての芝生がちろちろと
脈を交わらせている
川までの道すがら
ちいさな生き物は溺れ死に
汚れた内臓は、光る命へと洗われる
車椅子に花を差し入れる
目を細めてファインダーを覗 ....
今朝、サボテンを
ちょんと切って食べてみた
泣き腫らした目の下の
やわらかい、にくのあじがした
乳白色の空を
アラーム音が貫いた
悪魔が穏やかな寝息を立てている
レースの影が頬を泳い ....
あめつちを貪り ふとっていくからだを
絞ってください。
きゅう、と絞ってください。
わたしこのまま みにくいからだをさらせません。
わたしから滴り落ちるしるは
林檎の厚い皮と 寂しい ....
(星が過多に絡まる布を
ずっ、と引き摺って歩く)
祭りに群がる
こどもらの声
茹だり茹だる旋律の
真中で がぼがぼ溺れている
(乳の道をたどり
誰かが母に辿り着く)
私 ....