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当時、病院夜勤が
月に十回を超える勤務体制では
入院するだけの休暇が取れなくて
肛門科で切開して貰って
注入軟膏を挿していたが
排便の度に出血するのは
いつまで経っても
切開部位の創傷が ....
「そりゃ、がっちゃきだべさ。」
久し振りに電話を掛けて
話のはずみで
排便の度に出血すると話したら
母親が言った
「ほっといても治んないんだから
ちゃあんと病院さ行け。
ほんで、診て ....
「どうしたのさ?それ。」
厨の上部の隅
かけてあった梯子を床から上げる
おゆうの さぐり目が
三畳間の小窓
竹表皮も渋くなった簾の軒へ注がれて
「弱っているからって。 ....
あじずしが浜町出店に並ぶ頃
親っ様の漬けた馴れずしがふるまわれ
キリコの灯が浜町をねり歩く頃
虫送りの火が畦道をねり歩く
やがて日が沈む頃
月が出るのを待っている
廃線脇で
次の電車 ....
ズズズズズズドンッと
とつぜん、学校が
手足をのばして
立ち上がる
で、ドドドドドッスン
ドスンと、しこを踏むと
走り出した
窓から、扉から
子供たちがこぼ ....
素っ頓狂な音で目覚めた
冬の朝、
意識の視界に映る
弓形の細い木橋の伸びる向こうは純白
ベランダに出れば、
零度の万華鏡に
太陽の光熱 入射して居る。
宇宙でかけがえのない地球
宇宙人も二の足を踏む美しさ
いつの時代から陣取り合戦が始まり
こんなに汚れてしまったの
人間以外の生物は自然のなかで生きて
自然 ....
ひたすらに
意識の大洋を泳ぐ意志、
時を穿ち佇み
名を言語を
超脱した
何かを
観る
花々の野辺に揺蕩い
魂の霊性を謳歌して
閑か野辺に降り注ぎ
異邦の地にて ....
{引用= object. }
人の手
に依る。
風雨の蒼に堆積した
埃を払う
木肌
に触れる
涼しげな冬
の絵に
雪が降っている
窓の外には
いつもの
静かな朝
....
雪は
春に
解ける
こう知りながら
冬を生きる
・
今
今があれば
これでいい
ありがとう
あなたへ
○「詐欺フェイク時代」
情報化社会は
貨幣のように
言葉を信用することによって
成り立っている社会である
が
近頃言葉の偽札が増えている
私たちは言葉の偽札を
どうやって見分けていけば ....
もしもの時は
もしもの時です
私が居なくなっても
地球は回る
あなたと共に
脳裏で吹き荒ぶ嵐を、飲み干して制圧したい、闇雲に振り回した拳は、触れてはならないものだけを破壊した、影の中に隠れ、目論む感情のリカバリー、人差し指の傷を舐める、舌にこびりついた血は堪らなく苦かった ....
冷雨止み 仕事始めの午後の空
休憩室の窓から見つけた
みずいろ に、
同僚と分け合い食べる紫芋の蒸籠蒸し
素朴な甘味も清々しい
不条理錯綜しながら
生き抜き息継ぎ、
やはり其処に条理
在るらしと、
今の私は想う。
能登半島地震、羽田空港の事故火災
壮絶な始まりだ
多くの当事者がいる中
ぼくは表紙のような顔で
誰かに道を譲った
汗も涙も塩辛い
胆汁は苦い
寒さに震えるネズミ
呼吸を忘れたネズミ
肉体と精神の糸のほつれ
つぶれたトマト
窓から飛び出した冷蔵庫
氷嚢をあたためる心臓
入れ子状の死
ゴミ箱 ....
大樹の明るむ根元
脈打ち地から隆起し
幾筋も走る意志の輪郭、
光を追い求め光に望まれ
高みへ高みへ伸びる幹を
支える根元の活動する力、
太々と地より浮き立ち在り
支柱の創造する力 ....
見よ、この一行をわが蠕動にかたどる背景として魂の炎はやおら踊る
○「コンビニ考」
コンビニは
買い物は来る人だけじゃない
トイレを使いにくる人
タバコを吸いに来る人
お金をおろしに来る人
振り込みに来る人
コピーに来る人
息抜きに来る人など
さま ....
夜泣きも少なく何でも食べて
聞き分けが良くてそつなくこなし
安定した仕事に就いて
出世が見込めるよう作られた
子どもがデザインベイビーです
夜泣きが酷くて好き嫌いが激しく
聞き分けがな ....
自業自得だな
私の場合は
大体のことがね
でもね
感謝の念を忘れ去りたくない
・
はちゃあ 私の
悪と
善が
仲良くしている
ケンカしながらも
わたしのふるさと
還るべき処、
私 わたしの故郷
ぎゅっとぎゅっと抱き締め
(私は子を生まない、
凛として涼やかに
冷徹威厳の匂い
柔らか漂わせ
石女と告げ
....
有り難い
有り難い
こころの声は
光も闇もささやく
私が在るために
無い
ということを
得て
永遠となった
零
・
終えることが出来る
ありがたさよ
その時その時に
ほっとする
最後にもおつかれさま
新年を迎えた
すっきり目が覚めた
今年最初の朝を全身で感じた
何もかもが新鮮に見える
新しい世界に包まれた身体
室内の雰囲気
家族の雰囲気
外の雰囲気が新鮮
目標が自然 ....
レタスの先端
心音のひずむところ
温度の終わりに
少し触れる
つめたさ
教室みたい 、
と思う
穏やかな湾の入口を
句読点が航行する
健康的な食事
その後で
わたし、 ....
きみに逢うために
踏んだ路を歩きなおすのは
唯是西行
不左遷
と かの詩神ほどの気概や嘆きを抱いていた訳でも
まして花の匂いに誘われたからでも
ない
梅が枝を
敵意のす ....
アクビ出た ふっとね、
張り詰め反復の日常に
アナタの綴る声ヒビキ
赦し赦され 力抜き
私の声、掬い取られながら
異国の言葉とびかう
井戸は若狭につながっている
帰省していた彼は
重い瓦に押しつぶされた
壁は厳然とそこにあって
何が起こってもくずれない
宇宙が一点に収斂しても
また膨張して壁 ....
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