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はてなはて
はてなはてはて
ぢっと手を見る
一握の階ぶん
ちかづくか
はてなはて
はてなはてはて
はてななては
はてなきはては
はてないて
いきのはて
はてのはて
....
シャッターのおりた憂楽街
眠りに落ちた改札口
プラットフォームの底
沈んだレールから
明日が聴こえますように
きみはどこでおりるの
ないしょだよ
そっか
ほしへかかる鉄道
どれくらい経ったかい
あれからどれくらいたっただろうね
君が降りてから何年経ったかい
ぼくがおりてからなんねんたった ....
チョコレートにリキュールで
モーツァルトらしい
モーツァルトを聴かせて作られた
蔵粋らしい
酒にモーツァルトを聴かせたものらしい
くらしっくと読ませるらしい
生きてる間に聴くも ....
石垣に
すっくとたつ
つわぶきの黄色い花を見かけ
かすかにかじかむ
祖母の佃煮、匂いたつ湯気
もう一度食べたいが作り方がわからない。
つわぶき、つわぶき
もう一度私の口に入れ。
....
なにをつくっているの?
なみをつくっているよ
それはたいそうむつかしそうだね
そうでもないさ
るるるは上にいく
りりりは下にいる
ただそれだけだよ
冬枯れの
野に小雨降る
牛たちは思いおもいに
草をはんだり
寝ころんだり
長いまつげに
露がつく
草千里は今日もおだやか
おだやかです。
冬は枯れ
牛たちのつゆ
はる ....
あるきはじめてから
やっと息をすることを
感じたものだから
四つん這いにすすむことが
やっとで
匍匐前進した先で
どんなに頭を上げても
見えないものは見えないだろうなって
息が上がって ....
はやらないことはやらない琴線の
ことはことばかわからない
じゅげむじゅげむ
なんとかなるさ
にんげんだもの
しらんけど
男雛女雛
ならびて透る緋毛氈
右近左近、たちばなさくら
今 ....
それはこれのパクリやんて続けたら
いつのまにか独り
パクリでもすがりつきたい
みかづきのはじ
新月になれば落下する
不時着し
さがしもとめた
蜃気楼から
かきならせさけべ
....
今朝出したゴミがそのまま残って
「燃えないゴミは水曜日です」と張り紙がしてあった
水曜日の朝も残ったまま
「今日は水曜日です」
仕方なく持ち帰り部屋の隅に置きっぱなしにしていたら
いつの ....
色づくからすうり
いつのまにか冬
たねを取り出して綿に包み
マッチ箱に入れて待って
ほら黒いたねが黄金色に
祖母から教えてもらったあの秘密は
どこへいった
もう1回試してみたいな ....
はたせなかったやくそくが
はたされないまま
はてまで
つくられたみち
はたして
はたされないものを
はたすことが
やくそくだったのかも
わからないまま
はてまで
初出 日本we ....
朝ぼらけかすみし山の冬木立
鼓膜に残る響き息の跡
ときはかねときあかねさす井戸端の
夕餉の支度暮れのにおいは
山の中静かに凍る湖が
数億年の冬眠を守る
暖冬に明日、明後日と大 ....
慣れし故郷を放たれて夢に楽土求めたり
一度低く
故郷を放たれて楽土求めたり
一度低く
を、放たれ、土たり
いちど
を、土求めて
オクターブ
故郷求めたり
胸の奥底深く湧き水の波紋 ....
鍵をなくして
座礁した無人島の浜辺から少しせりだした夕日の淵で
釣りをするたびに地球を釣ってしまい
きれた糸の先に針をつけて
昨夜捕まえた痩せた月を餌に
じっと
新月を待っているような
....
部屋に椅子がある
隣に体育座りをした母がある
雲が青さを通り越して
手をとり椅子に導く、空は久しぶりね
玄関に並んだ靴
妻は夕食を作り、息子はトミカに夢中
1のつぎの靴 ....
投函された手紙のような
つつましい
アメージンググレイスは
手紙それ自身が読まれるまで封をされ
言葉ありき、a、α
胎の中でなくしたまま産まれ
ここが家だと、わかる
教えてくれたもの、人 ....
赤
夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく
風景に溶ける
橙
”ちかみちは ....