ゆびきりげんまん
嘘ついたら
花千本贈る
ゆび切った
バラ千本よ

謝っても元に戻らない
嘘をついたから
バラ千本を贈らずに
飲むことにした
針千本より痛くて
たぶん死ぬと
 ....
冷笑しないでください

卒寿(おいぼれ)ともなると
ゆめとのぞみは萌えにくいのです
青い年
とちがって・・・・

謳歌はうまく唄えないのです
赤い「根明」(ねあか)の齢(よわい)
と ....
  昨日 私たちは
  ぶ厚い夏の憂いの底で
  椅子に座り 黙って紅茶をのんだ
  西友で買ってきた安い{ルビ氷菓子=アイスクリーム}を
  紙スプーンで交互に食べて


   ....
天国と地獄の門にぼくはノックした
迎えた顔はどちらも不可解な顔で
ぼくを眺め
ようこそと迎える
恐ろしさはどちらも等分で

いらっしゃいませとは言われたものの
ぼくは戸惑いながら
取り ....
白樺の若葉は濡れてなお淡く
陰りの中に揺れ
畑の麦はより深く  
滲むように息づいた
日差しにかすむものたちが
雨の日には薄められず
沁みて とおる
焦げついた所まで
土の匂い 
湿 ....
  祝日、
  見あげたところに
  日の丸がはためいている
  木蔭では 優しい五月も笑う
  大切な人からの最後の{ルビ詞=ことば}のような
  陽射し…… 僕は思う、いつまでも ....
人は
ひとひらの
花のように舞い
着地するまでの
風を感じ
陽の光を浴びて

寂滅の歓びの中に埋もれてゆく

歓びも悲しみも
大したことではなく

ひとつひとつの現象がただ通り ....
黒い鉛筆で、
目にうつるすべてを黒く塗りつぶす。
塗りつぶしたものたちは、
赤く染まっていく。
鉛筆が折れた。
血豆が潰れた。
赤い血が滲み出して、
白いテーブルに滴った。
テーブルは ....
 ワルツの流れる部屋の窓から遠く海を望む。
 海は二拍子だと昔から思っていた。
 先入観を捨てた時、私の世界は広がった。
 まだ見ぬ出来事や光景がこの世には美しく溢れている。



 ....
ハラリ
腰までながい黒い頭髪
ぼくの初恋の少年の恥じらいを取り戻させるもの


――垣間見える
年上だったあの女(ひと)の面影


フワリ
仄かなリンスの香り
お澄ましのお姉さん ....
暗い夜 かの女はやって来る
静まりかえった廊下にうつろに木霊する甘い声
その濡れたような声 きつく漂ってくる麝香の香り
そのとき ぼくはいつも自然に布団の中で目覚めている


やがて襖はお ....
綺麗な泣き方ではなかったかも知れない
鼻水も流れたし ズルズルと音も五月蠅かった
それでも 気持ちの半分だけは
伝わったのではないかと 自負した
半欠の月が 怪しく 笑ってた
反抗心を残した ....
壊れかけた砂時計に話を聴くと
なんでもないと答える
壊れたピアノに
音が出ないと
聴くと
なんでも無いと答える

私に38度の熱があっても何でもないのだ

協奏曲に紛れた雑音に答えを ....
柔らかな
背中の地図を這う指先に
明日を占い
地獄を垣間見て
白蛇のような舌先で
あなたを舐めつくす
不思議なその眼差しに
見入られて
心が波立つようです

巡りあったのはレタスの ....
湿った黒髪の纏わりつく夜
子供のように無邪気な指先
で確かめる暗がりのなか憂
欝な鏡面のように光る素裸
のゼラチン質、顔を埋めて
息も絶え絶えに幾度となく
試みられる潜水、ふと見上
げれ ....
けたたましくも激しいこの静寂は
誰のものでもなく
押し寄せる濁流となって勢いを強め
驚愕の声を上げることもできず
もがき、腕を伸ばし、膝は曲がり、四肢が捩れ、足の指を広げようと
抗いはするけ ....
海になりたい

あなたの上に
覆いかぶさり

あなたの上で
おんおん
泣くんだ

あふれんばかりの
わがままで
あなたを
根こそぎ奪うんだ

行かないでって
言えばよかっ ....
海に向かって叫ぶことではなかった うすい眠りに包まれて
探っている
五月の風を手招いて萌える木々
光の纏いで取り戻す
ざわめきの形象は
淡く爪先立ち
まどろみに波紋を呼び起こす
山と山との重なりに
隠された遥かなる道程 ....
どこにもいない人
どこにもいなかった人の
残像
ひぐらしうずまくその中で
黒い影が夕日を浴びる

ですらない
どこにもいない人
行く場もなく
たった一人の夢の中
残像は生活し
 ....
静かな部屋で
茶をたて
一輪の椿を散らし
伽羅を聴く
刹那の想いと三千世界を閉じ込めるように
液体の膨張がぼくを支配する
そのしぶきが吹き零れようとするのを抑える
漁火のように照る女の
光るふたつのオニキス
そこに浮かぶ小さな彗星の軌跡
じりじりと焼き爛れる腰の捻り
ぼくの血管の鉱 ....
風の強い春の日の中を走る
この二両編成のさびしい列車は
さながら私の部屋のような
根付いた親しみで満ちている
シートに座れば座布団のようで
人が乗れば来客が来たかのよう
そう思える寛いだ春 ....
手など
近頃 じっと見たこと無いが
今朝 背伸びをしようと
上げた手を見てしまった

よじれた皮膚の連なり
幾重にもかさなった山脈のようで
これがわしの手かね

柔肌を撫でた歴 ....
雫が膨らんで
水の花を咲かせた
春というあいまいなかたまりが
名前を速やかに消し去った
ためらう太陽の灼熱に
逆らっていく風の翼が折れて
時間は無限に挫折を繰り返す
英雄の墓が芽を吹き
 ....
岩を砕き
オリファルコンを突き
水を求める
それが俺の仕事ならば
もう何処にも彷徨うことなく
水を探せ

固い地盤を爆発させて
水を得るのだ

透明な
透明な
碧い水を分け与え ....
その美しい風景に触れたい。
私はこの一瞬に触れたくて
今を生きている。

風に揺れ
光に透けるみどり。
漂うジャスミンの香り。

小鳥たちの囀りは
私のモーニングコール。
小道 ....
グランドの脇の水路に
サッカーボールは半身を浸していた

昨日も今日も橋桁に寄り添って
沈むことも飛ぶことも出来ないで
流れることさえ出来ないで
水面に出た半身が陽に焼かている

赤耳 ....
濁った僕の目に飛び込んできたのは
真っ赤な椿
はちきれそうに赤の花が僕めがけてきた

赤 赤どれも赤
ぎざぎざに咲くそれは
鮮やかにうたっている

悩んでいた
うつむいていた
僕は ....
ひとりぼっちの部屋の向こう
空は高くて雲がない
見上げる天井(うえ)は蒼く透け
耳鳴り満ちる静謐や

投げ出された蔓薔薇の髪
薄く重い空気が肺を撫で
水揚げされた金魚の気持ちを思う

 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゆびきり現在- イオン自由詩2*16-5-9
望郷(二)- 信天翁自由詩716-5-8
昨日- 草野春心自由詩416-5-8
- レタス自由詩316-5-8
雨/みどり- ただのみ ...自由詩11*16-5-7
波光- 草野春心自由詩3*16-5-7
花埋み- レタス自由詩1316-5-7
赤と黒- あおい満 ...自由詩216-5-7
ワルツを聴きながら。- ヒヤシン ...自由詩3*16-5-7
凍結- 本田憲嵩自由詩316-5-6
骨女- 本田憲嵩自由詩316-5-6
ぴぃひょろろ- 藤鈴呼自由詩2*16-5-6
微熱の中で- レタス自由詩316-5-5
刺青- レタス自由詩1216-5-5
流星- 本田憲嵩自由詩216-5-5
聞こえる- 坂本瞳子自由詩1*16-5-5
海になりたい- umineko自由詩14*16-5-4
海に向かって叫ぶことではなかった- 北大路京 ...自由詩616-5-4
混濁- ただのみ ...自由詩10*16-5-4
どこにもいない人- ふるる自由詩8*16-5-4
手のひらの黒織部- レタス自由詩5+16-5-4
沸点- 本田憲嵩自由詩216-5-4
飯坂線- 葉leaf自由詩416-5-3
百年の恋も…- イナエ自由詩7*16-5-3
Spring_Song- 葉leaf自由詩616-5-3
水守- レタス自由詩10+*16-5-2
五月- chiharu自由詩2*16-5-1
水に浸かるボール- イナエ自由詩9*16-5-1
椿爆弾- 朧月自由詩216-5-1
白い昼- 梟 由香 ...自由詩4*16-5-1

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