コロコロココロコロガッテ

何処かへ行きたくて

誰かと出会いたくて

コロコロココロコロガッテ

新しい匂いを吸い込んでみたり

柔らかな生まれたての感触を

頬にあててみた ....
三月のかた雪の上を歩いて
湖を行くと
半分水につかったまま
凍りついた樹の枝に
ふくろうがいた
ふくろうは目を閉じていたが
やがてゆっくり見開くと
私をみつめた

ひらべったい猫に似 ....
かわいた音を
かなでる弦、を
はじいて始まる
はかない白日


恥じながら生き
端っこ歩み
ゆめゆめ思わぬ
夢を見て


とっくの昔
とっぷり
暮れ切り


 ....
一本の桜樹の隣に佇んでいる
赤いスカートの少女の笑顔は
難しくてきっと誰にも
読み解くことはできないだろう

花は満開で風から逃げながら
逃げ切れずに儚くしている
舞う薄桃色に歓喜する
 ....
聞こえるだろうか? 一枚の、

絵画が

まるで、狂喜の

舞踏会 そして 夜のしじま

戻りなさい  

描くように 描くように 

微笑みを浮かべながら

描くように
 ....
僕の通っていたひかり幼稚園は
お寺の中にあって
墓地は恰好の遊び場だった

4月8日は花祭り
お坊さんの園長先生は
あまりおいしくない甘茶をみんなに飲ませて
毎年自己紹介させる
め ....
合気道の稽古で
左目を傷つけた
痛風の発作が
右の親指の付け根に出た
車庫入れのときに
自動車を壁でこすってしまった
黒皮の財布を失くした

それでもぼくは
幸せであると唱える
 ....
乳児用の細軸綿棒で耳掃除をすると
耳の奥深くに綿球が入り込み
ふつうの綿棒では届かない部分で感じるわずかな痛みと恐怖が
心地よい

目には見えぬ自分の鼓膜付近で
薄い皮膚と細い紙軸の綿棒が ....
10代の終わりころ、私はろくに人としゃべれない少年だった。ごく限られた友人と家族だけを相手に会話し、それ以外の広大な人の群れに対しては固く口を閉ざした。自分の言葉はすべて不適切であり、自分の言 .... 狂ったようにいくつもの音が頭の中で鳴り響く、魚眼レンズを覗いたように景色は不確かだ、俺はゆがみのみで現実を把握しながら、真っ直ぐに歩こうと今生に根差している、靴底が踏みしめる地面は誰かの血で赤 ....  
月夜の桜にご用心

照らされた花吹雪に心をもっていかれるという

そんな夜はおひとりになりませんように



 
我が社に知的障害持った青年が入社した
長い期間研修で頑張って入社した
彼は我々の新しい仲間だ

18歳の彼は真面目で優しい
彼を見ていると
健常と障害の違いは紙一重だと思う

彼の ....
木蓮の近くに寄せる車いす 海の色が黄土色だったのを見て
僕はそらが分裂するような眩暈におそわれた

やまももを今朝、摘んでから胸ポケットにいれたことも
忘れ果てて、じんわりと果汁が胸のなかにひろがっていた
目が覚めて ....
私に背中を見せたまま
茫然と立ち尽くしている人を
振り向かせたいから
静寂の悲しみを震わせるために
遠くまで聞こえるように
私は心を刻むのです


私の影に隠れてしまって
ひざを抱え ....
父がハーモニカを吹く
孫らに
子らに
万感の思いを込めて
「花の街」を吹く

私は父が奏でるハーモニカが好きだ
80歳になっても奥深い響きは変わらない
何十年経っても変わらない響き ....
僕は以前住んでいたマンションに帰ってきた。
駐車場でたくさんの女の人が踊っていて、おしりが丸出しだったけど、あけすけで魅力がなかった。僕は部屋に帰るのをやめて、持っていたはずのない車に向かった。僕の ....
窓を開けると練馬インターが見える
皆ここからどこかへ行き
或いはどこかから帰ってくる
けれどこの街に立ち寄るわけではない
行き過ぎる人たちの中心に僕らは住んでいる

引っ越してきたばかりの ....
残雪の道凍りつつ
晩冬のいともきびしく
行人だちはひたにもだせり
ふと町猫のゆき過ぎぬ


街道に樹木つらなり
冬芽ゆたけく小草睡れり
むら鳥の地啼ほぬかに
翠なす春とほからじ

 ....
毒づきたくて見あげたはずの
夕焼けが綺麗で
たとえわたしがポエマーでも
言うことなんか何もないくらい
それはあらかじめ完成された一編の詩となって
目の前に広げられていたから
もう死にたくっ ....
 眠れ
 眠れ
いまは
亡き者よ
 眠れ

遠くへ
遠くへ
行って
そこで
 眠れ
 もう
 帰る
ことの
 ない
遠くで

 眠れ
 眠れ
 ....
私の顔は古い写真のようだ
いや
私の顔は古い

このアパートに来たときにトイレの棚に置いた手鏡は
ほこりまみれで
何の役目があったのやら

ほこりまみれであること以外
何も特徴の ....
おいで、

すべてを捨てる必要なんてないから
一時しのぎでいいから

おいで、

聴いてほしいことだけを
一緒に忘れてあげるよ

おいで、

誰だって孤独なんだって ....
そして
げんこつが口から出なくなっている
そして
窓もない玄関もない俺の部屋
そして
掃除してエアコンつけて誰もこない
そして
スロー再生しておっぱい見えない
そして
口裂け女の胸を ....
よく晴れた朝
新しい職場へ向かう
昨日の特訓で疲れているけど
今日も頑張れる
覚えなくてはならないことがありすぎて
頭がぱんぱんになる
あまり眠れなかったけど
ちょうどいい緊張感だ

 ....
短い夢の中で
大声で泣いた
会いたかった
探した
追いかけた
夢の中では
心が息を吹き返す

例えば
一日の疲労にゆらゆら身をまかせ
バス停まで歩く道
夕焼けでもない
うす曇り ....
きみが必要とされる理由がある
文句も言わずに黙々と働く
周りの人間にいつも親切である
トイレが詰まっても
餅で年寄りの喉が詰まっても
ささっと器用に処置してくれる
つまり
いろいろと便利 ....
まだ夏という季節が
迷いのない子ども
(のよう)だった頃の
残り香だけを頼りにして
つりがね草の
茎の中を歩けば
規則正しい配列の褥で
寝返りをうつ命たち
不完全な器を抱え
危ういバ ....
たまねぎの
ちゃいろの
うすかわを剥く
のり、で
はったわけでもないのに
なかみのかたちに
ぴたりとはりついて
かわいてしまった
うすかわは
もう
うすかわ以外の
何者でもない
 ....
初めておばさんと呼ばれたのは
娘を保育園に預けて働き始めた頃だった
仕事が終わって迎えにいくと
小さな子どもたちが
今度は自分の親の番かと
わくわくしながら遊んでいる

時間外保育の部屋 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3334)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
コロコロココロ- 灰泥軽茶自由詩814-4-3
ふくろう- Lucy自由詩20*14-4-2
たった今- シホ.N自由詩614-4-2
桜の若樹と赤いスカートの少女- もっぷ自由詩614-4-2
薄紅の炎- ハァモニ ...自由詩5*14-4-2
花祭り- ichirou自由詩10*14-4-1
ぼくは幸せである- 殿岡秀秋自由詩914-4-1
細軸綿棒- ichirou自由詩9*14-3-31
責任- 葉leaf自由詩314-3-31
俺の今生という名の道標- ホロウ・ ...自由詩1*14-3-30
ご用心- 殿上 童自由詩22*14-3-30
新しい仲間- ichirou自由詩14*14-3-30
木蓮の近くに寄せる車いす- 北大路京 ...俳句514-3-30
色褪せた後日譚- rock自由詩314-3-30
触発- 寒雪自由詩814-3-29
音の和_春の和- ichirou自由詩1214-3-29
後の祭り- なをり自由詩414-3-29
練馬インター- 馬野ミキ自由詩6*14-3-29
郊外- 織部桐二 ...自由詩1*14-3-28
絶望はいつもまぶしい- ユッカ自由詩714-3-27
三月の子守唄- 岡部淳太 ...自由詩914-3-26
私の顔- ichirou自由詩12*14-3-25
おいで。- 千波 一 ...自由詩414-3-25
禁断の北大路京介引用詩- 左屋百色自由詩15*14-3-25
バイオリンを弾く猫の絵のついたマグカップ- Lucy自由詩22*14-3-25
短い夢- Lucy自由詩11*14-3-24
ある忠告- 山部 佳自由詩114-3-24
覚醒五分前- 自由詩914-3-24
うすかわ- そらの珊 ...自由詩20*14-3-24
【_おばさんラプソディー_】- 泡沫恋歌自由詩22*14-3-24

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112