夏と秋の狭間には
あらゆる変化が現れる

蜜吸う蜂に入れ替わり
黒い揚羽がやってきた

やつれて籠った極暑の日
でも愛おしい夏だった

夏の終りの寂しみを
振り向かないで次は秋
 ....
ガマンない人だ 旦那の坊ちゃん気質

半袖で暖房つけてる 旦那を笑うしかない

暖房の次は冷房か いま秋なんだけど

私よりタバコが好きか そんなに好きか

詩人とタバコと浮気して ....
これは骨
これは皮膚
血もある肉も内臓もある
食べたことはないけど
食べたら美味しいかもしれない

これはぶよぶよ
これはどろどろ
よくわからない生き物で始まった
すぐに名前がつけら ....
もうひとつの夜の街が動き出す
灯火はみな偽蛍
背筋を伸ばした猫は
糸を池に垂らしてザリガニを釣り
夢遊病者たちは公園に集い
おとがいを比べ合う
看板描きの落としていった
無邪気な絵筆は
 ....
 手をかざし見通す むこうに段々畑
 咲き揃っていた向日葵はもう
 どれも 天を仰がず

 吹き来る風に 
 あぜ道の 緑濃い草影
 ころがる日差し

 ああ、好い天気なのに

  ....
素晴らしい人に育って
素晴らしい大人になって
素晴らしいでしょ?

#短歌

りんりんとピンポンダッシュで逃げ遅れ
鳴き続けるは鈴の黄昏れ



煌々と動脈だけで生きてます
誰 ....
あなたと見た県境のダムはゆたかな思い出をたたえ
ときをへて今もわたしのもとに春の潤いをとどけてくれる
ふたりでダムのうえを歩いて堤体の縁をなぞり
底にしまわれた互いの想いを胸にだきいれたあの ....
 幵らなる平和になりて落武者へいついつ門下で再会の刻 愛着心の余りある感情に、時計の針を噛む、
キーボードは、とてもプラスチックで、かちゃかちゃ鳴るのがいいです、
待って欲しい!、って、ビーカーの赤い目盛りに声を掛けるみたいに、
舐めていく感情の舟 ....
洗濯物は洗濯機が創る。
噂は風が創る。噂話は君が創る。
伝わる。沈黙が伝わる。宇宙は大騒ぎだ。
技術は待っている。手探りを。
呪縛。
人生はproject。Mission。何処に産まれようが ....
{ルビ蟇蛙=ひき}よ、泣け。


泣くがいい。


ぎやあろ、ぎやあろと


泣くがいい。


父は死んだのか、


母は死んだのかと


泣くがいい。


 ....
ハゲはサイコパスなのかな?
悪戯に自分の髪の毛を
皆殺しにしておいて
その後藁にもすがる思いで
育毛剤だの何だのと
髪の毛を生やそうとする
そのくせ髪の毛のあるやつに対して
難癖をつけて ....
まっすぐ転がれない実 跳びはねたいふくらみ
ひそみ音にうまれ
みどりの波にたゆたう星の娘たち
まっすぐに見つめる こころをつなぐ

つないだ胸をあかるい笑顔で満たし
しなやかな手足に結ばれ ....
もさもさとはえてきますな
ふつふつとわいてきますな

なんでしょうな?なんなんでしょうな?

たかぶるたましい包む無限の慈愛 微笑み、

無言の沈黙の のびやか色づき
無機を有機を つ ....
栗の実の茹でたてほろり口に溶け

{ルビ暁=あかつき}の{ルビ八千草=やちぐさ}濡らす{ルビ夜半=よわ}の雨

今朝の秋ボアのベストを羽織りけり
静かに狂う
私を
認めつつ詩を
書いていたのであった
私は昔

こころの底に
流れていた
川の音を
ずっと聴いていた
生まれることが出来なかった私の子は
愛を知ることもなく
や ....
肌が乾燥したら
化粧水をつけるといいです

そんな言葉につられ


せっせと
めっちゃひんぱんに
化粧水つけていたけれど

なんか
お肌の状態が
あんまよくない???

 ....
私はあらゆるボタンを押してまわった。
dボタンで全てが消去された。

リズムが揺さぶる葉っぱたち。
頭の中の音楽に、全ての有線が断ち切られていく。

何もかもが静止した通りの中、揺らめく人 ....
 真夜中の草深い町はづれを
 莫進する列車に
 ふと吸いこまれる 優しい魂

 詩友よ
 貴方のやさしい魂が はがゆくなって
 流るるにまかせよとは思えども
 私の愛情が足りず
 疲れ ....
ここへ。私の上の明転の、金糸雀の鍵は
まるく羽織っている うやうやしく蝶々で
その四季は 焚き火には 目隠しばかり

またその大部分はとがり 違えていた
ブロンドの星が監禁される 玻璃のない ....
すべての人が免れ得ないのは孤独

バス停のそばに人々が釣りをする沼

だから一人でいる

秋渇き昨日すら忘れた

愛の空虚さよ空虚さこそ愛

秋の宵わたしは響くか
椅子が「座って」と言った
椅子は昔の私だった
あの時座ってあげられなくて
ごめんねと返事して
腰を下ろした

テーブルが「果物を置いて」と言った
私は温かなストロガノフが食べたかった
 ....
昼間の夢と云つたら海の色した童話ばかり。

流線形を解いて身を楽にすると

このかがやきは永遠の答案のやうに姿を消して

はかながる薔薇を秘めた僕らの仲らひに

束の間の雨滴は ....
君の言葉と沈黙をたどる
僕の言葉と沈黙とで
その感触をさぐりながら

そうすることだけで
行ける場所があると
いつからか――

記憶の海より深く
予感の空より遠く

その道のりで ....
単三電池のなかにとじこめられる感じ。思考がとめどなく溢れ出て体中を巡っている血みたいに、指先まで。とても速くて疲れるから、ゆっくりしか動けない。息をするとき、それは鉛、足元をつぶしていく。でも、た .... 書きたいなぁ~

みんなが
あまりに びっくりして
吹き飛ばされそうになるくらいの
詩が書きたいなぁ

間違って踏んづけられちゃったみたいな
悔しさと羨望に
まみれたいなぁ


 ....
太陽の深紅に眩まり
球体の輪郭くっきり定め
無音訪れる滑らかな静かさに
掛け渡す虹の鮮明な意識を歌う

 宇宙は今 透明な雨降り
 人間は今 哀しい雪降り

真紅に明るむ太陽の
くっ ....
   
僕のさみしい夢を
獏は食べててくれたのかな

獏のさみしい夢を
僕は食べてたのかな

今日
どうしてここにいるのかな


  
    
(「流れる川を、君は知っている?
 銀の川、金の川を、
 夜の底をずっと、流れる川を。」)

誰も、ここには帰ってこない、
 世界の輪郭が、藍色を保っている、
僕の目の底に焼け残った数々の ....
自分のために、自分のためだけに
この海を行け
その声をよすがに航海に出た
凪いでいる海は退屈でしかなく
荒れ狂う海に対峙している季節こそ
わたしの命は踊っていた

そうやっていくつもの年 ....
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