新聞の死亡欄に小さく載りたい
葬儀の予定など一切無しで
ほんの数えるほどの文字
ひとつの死 ひとつの終わり
シンプルで飾りのない
わたしの死 わたしの終わり
事実だけが落ちている


 ....
しかくい夜のなかに
青ざめた月が座っている
どうしたらこの空を落とすことができるだろう
眠る 鳥たちを起こさずに

さよなら
あたらしい街で
あたらしい夢を踏んで生きていく
アフリカ鍋には
キリンさんの首と頭がまるごと入っている
そういうと、
動物愛護協会から
クレームが来るかもしれない

キリンさんも可哀そうだが、
それならなんで戦争がなくならないんだ
 ....
深井戸を掘り水脈を探り当て
始原の意味を飲み干そうとする

ひそかにかくしもっている消しゴムで
日々の痕跡を抹消してゆく

整理できないものを片付けてゆく生活
アクチュアルな墜落が気持良 ....
全ては言葉で始まるのかな。


ものは言葉で存在し言葉で言えないものは存在しない・

絵にかけなくても言葉になって、人の間を漂って・

人の気持ちも言葉になって、言葉が無ければ気持ちも無 ....
  私は死にます
  毛羽立った蜘蛛猿を
  折りたたみ、鞄に詰め
  雨降りの後の細い小路を
  私は気軽に駆けていきます
  お元気で
  どうか、お元気で。
蝿叩きを振り下ろした瞬間
血混じりの叫びが聞こえる
えんえんと叩いているせいで
あたり一面が血の池のよう
この生ぬるい悪所に横たわって
深く眠らねばならない
歯で舌を噛み切らぬように
枕 ....
月は満面の白い笑み ピリッとして
私の耳 桜色でしょう
このままいつまでも夜道を辿って行きたい
ふたりの息が白く 交じり合う
それだって 初めてだから
私は精一杯 お人形のようにいい顔して  ....
 陽はやわらかにあふれいで
 光はしずかにふりそそぎ
 こがねのなみがおさまった
 神楽月は わびしい街はずれ

 原っぱの片隅で おとなにとっては
 意味もなく くりかえされる
 こど ....
有効径0.1㎜+-3%以内
均等係数1.1以下

正確な砂時計をどうする
滅ぼしてしまいたい欲求不満が
電気のように
身体を貫ている

水道も
下水も
建築基準も
道路も
 ....
そして
翳りなく空はかがやきを増して
ゆくりなく月日をもちさる
あなたの舵でもって



トー
という音がきこえて
それは地鳴りのようでもあった
つられて飛びたつ鳥 ....
誰かを磔にしたまま錨は静かに沈む
 泥めく夢の奥深く月の眼裏火星の臓腑まで
黒々と千切られた花嫁が吹かぬ風に嬲られる
 カモメたちは歓喜と嘆きをただ一節で歌った
私刑による死刑のための詩形おま ....
木々の天蓋
墓標

隙間から降る明確な透明

風が髪を揺らしている
日が地面と繋いでいる

細く


  弛まず消えていく時間は薄く
    薄く体に積もり根を張る
     ....
万国旗は青い風にはたはた…揺れ
園児等が駆け回り、賑わう
秋の運動会。

染色体が人より一本多く
まだ歩かない周と、並んで坐る
パパの胸中を{ルビ過=よ}ぎる、問い。

――僕等はあわ ....
  



言葉を
全力で守る

シュプレヒコールを唱える事が
ハロウィンのパレードと
どれだけ同じに見えようと

発言するほど
唇寒く
弱点を突かれ
攻撃されることになる ....
きっと、
数えきれない罪のうえにある私だ

きっと、
その甚大さに耐えられる私だ

それゆえに、
概ね後ろめたいのが、私の「ありがとう」
赤い羽根の天使はリュートを抱き
ふくやかな指を、無数の弦に滑らせる
世にも美しい音楽を探るように  
流れる清流のかたわらに佇み
透明な魚影を静かに眺めていた

雨の降る秋の午後
みずならの葉脈たちが
ぼくを守っていてくれる
静寂な一刻を与えてくれた

透明な 透明な
青い 碧い ....
朝起きて、のびをして
飯を食い、厠に入り
玄関のドアを蹴っ飛ばし、
彼の一日は始まる。

日は昇り、やがて暮れゆく迄の間を働いて
単調なる繰り返しの、気怠さの…
口をへの字の忍耐の(時折 ....
鉄は不可思議の組み合わせ
ひとつにひとつ
燃えさかる蛇
器の海を呑み干すけだもの


灰の駅 灰の汽車
川底を浚い
放る羽
光を終えた光に群がる


凍えた青空 ....
太陽のようにほどける髪が
小さな鈴の樹を隠している
地から昇るたくさんの音が
空に晴れを運び込む


虫から生まれる滴が
霧のなかの径を見ている
銀の歪みに映る
碧い ....
  秋晴れの
  空に、境界線
  ……らしきものが浮遊している
  長いのも短いのも 互いに絡まり合って


  私は 時期外れの薄着をはおり
  アイスクリームを食べながら人 ....
銀杏の葉が落ちる
一葉 また一葉
かすかな気配がする(するはずだ)
木との繋がりを絶たれる
そっと地に触れ横たわる
――オト

わたしには聞き分ける耳もなく
世界は喧噪に満ちていた
 ....
すきなひとに気軽に
すきと言えないように

きらいなひとにきらいと
言えるはずもない

一緒の鍋をつついても
心にふれないよう気をくばる

湯気があたりをぼやかして
ほんとのことが ....
素粒子の中に存在する大宇宙
宇宙の果てに存在する大宇宙

極大と微塵が交わる交差点に
僕らは何をしているのだろう










すべてにそなわっ ....
女性専用車両に乗る女性は
不愉快な男性を
避けることができる

女性専用車両に乗らない女性は
不愉快な女性を
避けることができる

女性専用車両に乗れない男性は
不愉快な男性を
避 ....
夢の尾はいつだって手からすべりはなれてゆく
そして明けて
朝、
つかみそこねた少し乾いたその手触りを思い出している
どんなにこごえても
血液は凍らないやさしい不思議だとか
たとえ凍ったとし ....
耳を澄まさなくても
聞こえてくる世の中の音

生活の音が
あちらこちらから聞こえる
「幸せの音」と言い替えてもいい

数限りない音楽がある
聞く人の心に溶け込む潤い

音のある世界 ....
山椒はけなげな樹だ
人に若芽を摘まれ
実を横取りされても
再び芽を出し花をつける

山椒は優しい樹だ
青葉に隠して
揚羽の幼虫を育て
幼虫に臭いをすり込ませ
ああこの臭い
幼虫はこ ....
季節をなめらかに接続するもの
日の落ちる時刻を厳密に推移させるもの
樹の葉を色づかせ稲を実らせるもの
それがゆるしというひとつの着陸
世界にはあまねく壁がはびこり
次から次へと棘が生 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3333)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死亡欄- ただのみ ...自由詩23*15-11-11
さよなら- はるな自由詩415-11-10
アフリカ鍋- atsuchan69自由詩16*15-11-10
菌類図鑑- 梅昆布茶自由詩1615-11-10
また、ことばはことば- ……とあ ...自由詩715-11-9
kumozaru- 草野春心自由詩215-11-8
寝床- 春日線香自由詩215-11-8
愛は実体- ただのみ ...自由詩16*15-11-7
光のまつげ_③- 信天翁自由詩615-11-7
悲鳴- レタス自由詩7*15-11-7
光と時間- しもつき ...自由詩16*15-11-4
あんぐれら- ただのみ ...自由詩19*15-11-4
ルーツ- はて自由詩215-11-3
秋の運動会- 服部 剛自由詩915-11-3
沈黙が力を持たない時代に- Lucy自由詩17*15-11-3
ありがとう- 千波 一 ...自由詩415-11-3
無題- 服部 剛自由詩415-11-2
水守- レタス自由詩715-11-2
シネマの日々- 服部 剛自由詩415-11-1
ノート(冬の蝶)- 木立 悟自由詩615-11-1
ひとつ_曳光- 木立 悟自由詩415-11-1
sakai- 草野春心自由詩315-11-1
沈黙へ捧げる秒針- ただのみ ...自由詩15*15-10-31
土鍋のこころ- 朧月自由詩1215-10-31
インスピレーション- レタス自由詩115-10-31
女性専用車両- イオン自由詩2*15-10-31
ノースバウンド- そらの珊 ...自由詩2015-10-31
- 夏川ゆう自由詩315-10-31
山椒は優しい樹だ- イナエ自由詩15*15-10-30
ゆるし- 葉leaf自由詩315-10-30

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