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時間は無いと考えている?

でも時間はいっぱいあるのだ

日頃の所作の大半は無駄な時間潰しで
大事なものは何も無いのだ
マネキンが ....
古い手紙を炎が読んでいる
泪を引き摺った星屑の海を見ながら
夜が月を口説きつづけている空に
たち昇り煙る記憶が渦巻いて踊る
醜く膨らんだ雲が濁らせた景色を
冷静に見つめる硝子窓は沈黙を守り
 ....
この世とあの世を隔てる川
その川の向こうには案内所があって
そこには一台のはかりが置かれている

川を渡ってきた人は誰もが素裸で口もきけないから 
一人ずつ網羅に手をひかれてそのはかりにのる ....
ほんにおおきに すまんかったね
お茶が入りましたけ どうぞここにすわらんね

建具の調整を終えたボクにオババは座布団を勧めた
どうぞ
差し出されたのは先程まで仏壇にお供えしていたおはぎである ....
弱音を吐きだした私は

がんばれ

より

がんばったね


が欲しかった
赤い紐
君への想い
絡まるばかり

上手に微笑えない
ひとりぼっち
指と指で切なさが
無数に作られる

ひとりあやとり
現場の製造のトラブル対策について計算する
私はオペレーターでもエンジニアでもないが計算する
力、空間、時間について感じながら
私の思考は原液バルクの中に溶けていく
私は充填ノズルで液ダレする液 ....
透明な風は心を揺らす
風鈴の鳴き声は自然体だ

古い硝子に透けた空が
波打つ海に似ていた

思わずあなたを呼びたくなるのは白い心のせいだ

晴れやかなそらが描かれている硝子に触れている ....
日本の法律は「ざる」ですねとある国の方に言われる
その国の方は続けてこう言う
我が国ではやってならないことは法律上明確です
日本のように曖昧ではありません

確かに日本の法律は事実「ざる」だ ....
夏の星戦火はよもや遠からず                                                                   無名C級《戦犯》辞世           .... 最近私は夜毎

生の人参一本齧っている

皮を剥いて縦に七等分ぐらいに切って

何もつけずに無心に齧り咀嚼する

生ゴミのような味のときも

柿のような淡い甘みのときも

ジガ ....
ようやく咲き始めた
耳たぶを
かすめるように
散ってゆく
くたびれた
きのうの薔薇

美しい季節はいっとき
残酷な
まやかしのようでもあるけれど
改行される刹那こそ
愛おしい
 ....
担架の中で目を覚ます
運ばれる直前の
記憶が定かではない
どこで何をしていたのか
今日がいつなのか
答えられない
なぜかはわからない

倒れるということは
命のともし火が消える
手 ....
車窓から見える
取り残された小さな雨雲
遙か上空には羊雲
下から覗き込みながら
西へ西へと私の視点が移動すると
小さな雨雲は立体的に体を見せながら恥じらう
そして雨を降らす間もなく
すぐ ....
よそへいくための服は
襟のレエスがまぶしくて
びろうどのスカートが重くて
ぴったりしずぎてきゅうくつで
母さんが
帰宅するやいなや
着替えさせてくれるとき
ほっとして
わたしは
すこ ....
 
あたいは泣かない

全身全霊をもって感情を押し殺す

空が泣くまで、ぜったい泣いてやらない



 
  耳のなかから歯が{ルビ一片=ひとかけ}こぼれてきた
  それを拾い洗面所に行き鏡で自分の口のなかを見ると
  欠けている歯はひとつもなかった
  歯は依然わたしの手のなかにあった
 ....
湖で
平たい小石の水平投げ

6度跳ねて沈む石を想像して投げた
3度跳ねて沈む石
未来と今で遊んだ

3度跳ねて沈む石を思い出して投げた
2度跳ねて沈む石
過去と今で遊んだ

5 ....
コーヒーカップを持ち上げただけで走る衝撃
要はこんな時にも陰で働いていたのか?

くしゃみでもしようものなら
まるで電気ショック
要は体中に回線を這わせて
あらゆる身体活動を統率していたの ....
小林峠の近くで
狐が轢かれて死んでいた
珍しいことではない
狐も 狸も 猫だって
だけど道路の端の方で
轢かれたばかりらしく
まだ そのままの姿で
顏だけが歪んで血まみれで
瞬間の ....
いやさなくて
いいよと
それはいう

かなしみは
いやされることなど
のぞんでやいないさと
筆先でなでていく

涙の成分は
瞳に必要なものだという

いわさきちひろの描く
こ ....
悲しみの深さは
ずっと後になって
分かるもの
今は感情の欠片すら
なくなった
空っぽの胸に
風に似た風が吹き抜けるだけ

もし風に表情があるのなら

微笑んだように見えたのは
あ ....
梅雨の晴れ間に、ひときわ
紫陽花は朝陽に輝いていた、その朝

報せの電話が真夜中に鳴った
冷静と言えば、聞こえはよいが
私の応対は驚くほど事務的であった
どこかに、安堵が潜んでいた

 ....
光が少ししか
届かずに
かすかに耀く
とても小さな
砂漠だけの星へと
旅行をする
少女を描く
ある絵本を作ろうとする
少年がいるのでした

はるか彼方の銀河への旅を
描いた絵本を ....
精神科のスタッフルームで、
あっち側にはいきたくないと、
面接を終えた上司が呟く。

あっちとこっち
異常と正常
障害者と健常者
病人と医者
クライエントとセラピスト
助けてもらう人 ....
母親は、普通、恋なんてしない
安定した家族の中
子どもを育てることに
ちからをそそぐ

子ども達からもらう元気

それだけで
どうして満たされないんだろう
母親である自分自身が
甘 ....
つたったあとを
つたうものあれば
つたったあとを
つたわないものもいて

誰かのまなざしのあとを
なぞるものもあれば
誰かの言葉のあとを
なぞらないものもいて

きょうのまことが
 ....
さあ、どうぞと皿が私に差し出される
その上にきれいに盛られている
とてもいい匂いのする料理は
食べやすいように切り分けられている
中には苦いものもあるけれど
健康でいたいでしょう?
それを ....
アスファルトに残された雨
今は水溜りと名を変えた
干上がりかけたわずかな身に
懐かしい空を映す
風の愛撫にさざなみながら

二羽のすずめが水浴びする
天と地といのちが戯れ交じり合う
明 ....
 
燕 空をきりとり

風 わたる


空騒ぎの春は、とうに昔


 
由木名緒美さんのおすすめリスト(3333)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時間は無いと考えている_/_君は時間を止めている- beebee自由詩24+*14-5-31
朝の心臓- ハァモニ ...自由詩3*14-5-31
_はかり- アンドリ ...自由詩414-5-30
よかおなご- アンドリ ...散文(批評 ...214-5-30
こぼれるなみだ- cidle自由詩214-5-30
ひとりあやとり- 虹香自由詩314-5-30
計算の美- ichirou自由詩9*14-5-30
風硝子- うみこ自由詩4*14-5-30
ざるのプライド- ichirou自由詩7*14-5-28
lla_guerre- 織部桐二 ...俳句114-5-28
人参健康法- 灰泥軽茶自由詩1314-5-28
ことづて- そらの珊 ...自由詩1214-5-27
倒れるということ- りゅうの ...自由詩10*14-5-27
遠近法- ichirou自由詩11*14-5-26
よそいき- そらの珊 ...自由詩22*14-5-26
泣かない- 殿上 童自由詩15*14-5-25
迷いこんだ歯- 草野春心自由詩914-5-25
時の不思議に負けたような遊び- ichirou自由詩10*14-5-25
私の要- 夏美かを ...自由詩32*14-5-25
狐の死- ただのみ ...自由詩21*14-5-24
水彩- そらの珊 ...自由詩22*14-5-24
マイセックスライフ- 花形新次自由詩814-5-23
紫陽花- 山部 佳自由詩1114-5-22
こんぺいとう- りゅうの ...自由詩10*14-5-22
あっちとこっち- ららばい自由詩8*14-5-22
夜が明けない- はなもと ...自由詩214-5-22
流跡- そらの珊 ...自由詩17+*14-5-22
差し出された皿- そらの珊 ...自由詩23*14-5-20
……雨- ただのみ ...自由詩20*14-5-19
- 殿上 童自由詩13*14-5-19

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