どんな肉痛でも
どんなに抉られても
どんな裏切りでも
どんなに孤立しても
俺は息継ぎ息継ぎ生き続ける

肉の内なる霊性と
肉の外なる霊性が
出逢いスパークし
不可視響く 深い光の陰影 ....
長い雨のレースを開けて
六月の陽射しが顏を出す
反射して散らばる子供たち
ビー玉みたいに素早く駆けて

ひとり離れて
シロツメクサを編む
首の細い少年

意識されることもなく
満ち ....
枝から青くふくらんだ
健やかなる実をはずす
茶色いしみのようでいて
何かを主張している風の
そんな模様を持つ実は
捨てた

捨てたあと
なぜかもう一度この手に取り戻し
親指と人さし指 ....
見る、聴く、嗅ぐ、
触わる、味わう
五感に現れる世界
物質の界
人の囚われ執着スル
欲望の界

光る音、浮き立つ輪郭
震え透明に輝き響く時
五感の界はそのままに
欲望だけが浄化され ....
森の木漏れ日、揺れ
光の斑点また斑点 
それぞれの陰影を穿ち浮き上がり
あちこち異様に懐かしく
輝いている
響いている
感覚、奥まり次第に消え
光あるのは私の内
響き
残響し
木霊 ....
暗いところから出てきた
あそこはぬくかったけど
この世界はどうなってんだい
じりじり痛いんだ

あいしたいやつもいない
あいされた記憶もない
ただ
ひからびる前に
だれかを
あいし ....
霧が湧き 雲は下り
天と地の息吹が交わり合う
噛み合わされた大地 喃語の潤い

ぱせり ぶろっこり やまのみどり

熊や鹿が嗅ぐ土の匂いが知らしめる
地脈の辿り 遠く 深く 息みて

 ....
冷え切った指で太陽の熱を辿る
熱風が光と青の充満を掻き回している
柔らかな白肌は汗に滲んで
季節の変遷は雨上がりの翌日告知され
喘ぐ女に病苦を覆い被せる

爆発し続ける太陽は宇宙の透明を発 ....
産まれた国は戦争していた
父は軍人にしようと思ったかどうか
まるまるとした数え三歳のぼく
金モールの軍服姿 
腰にサーベル 右手に千歳飴
ギラギラと輝いた眼が
見ていた未来は何色だった ....
夏の暑い日に網戸にしていると
室内で流しているCDの音楽と
外で働いている工事や車の物音が
互に覆い合ってくるので
どちらがほんとうの歌なのか分からなくなる

余暇のために目的 ....
ノアの方舟に乗船拒否されたやけに激しい風が吹いてる ねぼけまなこで
冷え冷えの水羊羹を食べる
思いがけない甘さに
舌が痺れて覚醒
幸せ。

夏の夜
絵本を読んでくれた母の
白い首元を
流れる汗の玉が
とても綺麗だったのを
なぜだか ....
朝陽から刈り取って食卓に供えられた獅子の首
金色は瞬く間にとけて白い皿に蒼く翳りを残す

あるいは初めから造られなかったニケの頭部
永遠に像を持たない神聖 あらゆる問であり答え

あなたは ....
熱気動かず
もんわりした空気
掻き分け進むこの日、
個々人の好悪に関係なく
不断にその純度を上げ加速する
熱の光球よ、
この神聖なる存在よ

光の感覚に深い余韻を響かせつつ
苦痛苦悶 ....
コンタクトを初めてはめたとき
がっかりしました

ライオンはたんぽぽじゃなかった
くじらはお空を飛ばなかった
スイカ模様のネコは何処にもいなくて
パチンはしゃぼん玉の割れる音だっ ....
黄色いシーソーが二つ
同じ方を下げて
ならんで寝ころぶ恋人同士みたい 

ブランコも二つ
風にほんの少しだけこぎ出して
仲睦まじそう

のっぽの滑り台はひとり
空を見上げている 雨が ....
願いが叶ったかどうか
わからないまま
一年が過ぎて
今年も七夕は雨だった

短冊を結んだ笹は
燃やされて
煙になる

煙になったあと
願いはどこへ行くのだろう

いくら目を凝ら ....
太陽が西の地平に傾き
 雲の切れ間から橙の光の一筋を放つとき
 それはわたしの心を
深い余韻を以て響き照らす

わたしの魂は
追いかけても追いかけても届かない懐かしさと憧れに溢れ震え
永 ....
  天使は窓の縁に座り
  少しずつ透き通り 外の闇と
  見分けがつかなくなってしまった……
  バッハの遺した鮮やかなコラールが
  床の木目に 僅かな痕をのこした{ルビ後=のち} ....
またしても発光した
女の白い肢体が
光の凝集、
散開しながら
うねり震えフルフルフル
神々しく発光し続け

肉は物質、物質は光の



そしてそして、
光それじたいは
フカシ ....
故郷の水産加工場で働き始めて二年になる
腹を裂いて 卵を取り出す
完全な流れ作業
嫌な仕事 本当に
だけどこんな田舎ではまだましな方
特に何ができるでもなく
コネがあるわけでもない
男相 ....
 




ひとすじの光が
発ってゆこうとするとき
振り返り
振り返り虹を解いた


階段に映る
薄い手紙
窓の水滴
昼から午後へ
めくられる譜


何かが閉まり
 ....
終わりよければすべてよし
終わりよくなくても
途中までよければよし
途中がだめなら始めがよければよし
始めも・・なら、準備がよければよし

つまりすべてよし、

よし。
冷たい窓ガラスに
一匹のヤモリがいた
わたしとヤモリは
互いの存在を
ほんの一瞬で認め合う
空気がほんの少しだけ
動いた気がした
目が合ったのだよ
確かに
あの時

人間と虫
 ....
 
 
水のない駅でした
蝉の音がしました
産まれた日もあやふやなままに

服の端が揺れて
私たちは何か話をしました
並んでいました

指を伸ばせば届きそうなほど
影になるとすべ ....
吹き曝しの荒ら家に
青い水溜まり、
懐中時計が沈み
造形を絶えず変化させる窪みの像、
線形時間の詰む停滞を切断し切断し
崩れ開いた天井から降り込む雨に濡れ光りながら
水と水が打ち合い鳴らす ....
――卵がない!
     よりによって

妻が亡くなってから 
最初の息子の誕生日
わたしは初めてオムライスを作った
息子の大好物
記憶の中の見よう見まねで
決していい出来ではなかった ....
傘の存在しない国の雨の髪

かつて 私は素を求め手を 合わせ
智慧と祈りの谷間で不完全さの完璧を認めてもらう為
老婆の姿に斥力に撥ねる 若気と蒼穹を追いかける青の一筋を
巧みに連ね 貫いた
 ....
わたしの苦しみは
わたしの苦しみ
あなたには体験できない

あなたの苦しみは
あなたの苦しみ
わたしには体験できない

この世界の美しさは
この世界という美しさ
わたし達は体験でき ....
冷蔵庫のコンデンサと
    コンプレッサとが
ご機嫌いかが と適時にささやく
そして そのたびに
    卒寿のおひとりさまは
ぴくっとして 暮しの流れに竿をさす
過ぎた四次元の追憶を迫 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3305)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
れーぞんでーとる- たけし自由詩4*15-7-18
六月回廊- ただのみ ...自由詩25*15-7-18
キッチン- そらの珊 ...自由詩1815-7-18
清め透明- たけし自由詩3*15-7-16
点灯- たけし自由詩4*15-7-15
世界- ららばい自由詩315-7-15
巻き戻されることはない- ただのみ ...自由詩16*15-7-15
獣の夏- たけし自由詩315-7-14
サーベルと千歳飴- イナエ自由詩10*15-7-14
sing- 葉leaf自由詩115-7-14
ノアの方舟に乗船拒否されたやけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌315-7-13
うだる- ららばい自由詩315-7-12
わたしが詩の中で掻き抱くあなたは- ただのみ ...自由詩18*15-7-11
太陽- たけし自由詩115-7-10
コンタクト- にゃんし ...自由詩315-7-8
雨の日の公園- ただのみ ...自由詩18*15-7-8
短冊に書いた平和- そらの珊 ...自由詩17+15-7-8
残光- たけし自由詩515-7-6
Choral- 草野春心自由詩515-7-4
元基再認- たけし自由詩215-7-3
『遡上の果て』__卵から始まるはな詩⑥- ただのみ ...自由詩18+*15-7-1
去る日_遍歴_- 木立 悟自由詩615-7-1
よし- もり自由詩3*15-6-29
跳躍- そらの珊 ...自由詩17*15-6-29
記憶- たもつ自由詩1115-6-28
覚醒- たけし自由詩315-6-27
『年中行事』__卵から始まるはな詩⑤- ただのみ ...自由詩15*15-6-27
傘の存在しない国の- 朝焼彩茜 ...自由詩8*15-6-26
生きて在ること- たけし自由詩6*15-6-26
老いの演繹- 信天翁自由詩415-6-25

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