カオル マコト ヒカル

男か 女か

夜空で輝く星のようか
祈るようにサイコロを振る
嫌な予感は的中した
すでにホテルの建った銀座 わたしの靴は落ちた 
このままでは残りの土地を売却しても破産してしまう
なんとか逃れたくて 頭が高速回転を始める

 ....
私は緩やかに束縛されている。
色々なものを見ながら聴きながら、
色々なものを見ぬように聴かぬように。
穏やかな強烈さで
目隠しをしている{ルビ腕=かいな}は誰なのか。

私の中心 ....
空に舎に

秋光り

ほの暗き

回廊に

風立ちぬ


天高く馬肥ゆる



をのこ生まれる


空に舎に

秋光り

ほの暗き

回廊に

風 ....
       カ ン カァン カ ン カァン……



   カ ン
     カァン
        カ ン

  絶対に

絶対に電車は通らない

      ....
修善寺の源泉で
足湯に浸した
両足は
鬼の如く真っ赤に染め上がり
旅人は心に決める。

――この足で、日々を切り裂こう

娑婆の世を生きるには
時に…鬼と化さねばならぬ
が、赤い仮 ....
失敗だらけの日常を
遠いところから見ると
私は大地や雲になる

弱さや渦巻きも見えない
遠いところから見ると
私は名前の知らない星になる
名前のつかない闇になる

どんなものにも ....
家の敷居や襖の線や開閉ドアを隔てて 深い河が流れている
隣の部屋なのに、もう渡る舟の手掛かりはなくしたままだ
河の底から 十二年前に口を交わした孫の燥ぎ声が
時々聞こえてくるのが楽しみで  ....
軽トラックの
荷台から
あふれんばかりの、かや
山盛りということはこういうことだ
現役で農作業をされている人が
こんなにも近くにいるということが
無性に嬉しい
今朝スーパーで見かけた車の ....
こんな切れ者の
社員がいることは社外秘だ
そして、こんな曲者の
部長がいるのも社外秘だ

こんな特別な
技術があるなんて社外秘だ
でも、こんな曖昧な
管理方法だなんて社外秘だ

こ ....
ほほえみなさいませ
青ざめた朝日に
うらぶれた夕日に
ほほえみなさいませ
粗暴な隣人に
博識な鼠に
あらゆる予言は成就する
互い違いの順番に
船出前には誤解は解ける
思い思いの格好で ....
一段進むごとに前の段は消え去り見えなくなってしまう階段を
すぐイメージできてしまうのは毎日の生活がまさしくそういうものだからだ
風は吹かず 窓から申し訳程度にさす光は
そこをより巨大に占拠する影 ....
覚め切らない皮膚 あまおとの影ふみ
ギターはたどる言葉のない遺言を

心から剥離した音は捨て猫のように理由を探さない
薄物のヒューマニズムを着せてはまた脱がす
週末の脈略は絶たれどこか乾いた ....
始まる
無限の膨張と収縮
失踪
零れ落ちる水が歩きだした
それは天使が吸い寄せられるように
悪魔の結晶が分解されるように
のみこまれ
たたずむ城壁
迂回する回廊を  ....
今 冷静に考えればおかしなことは幾つもあった
学生服のボタンが陶器に替わったのは良いとしても
疎開先の山村に棲む父の従兄の大工小屋で
兵隊さんたちが材木を使って
角形の潜望鏡のようなものを ....
朝の川原の岩に、腰かけ
せせらぎに耳を澄ます。

{ルビ水面=みなも}には嬉々として
乱反射する、日のひかり。

一度きりであろう人生を
この流れに…まかせようか

――旅人は岩から ....
目の前の、岐路は分かれ
右の標識も、左の標識も
〇い空白のまま、立っている。

  *

私は想いを巡らせ…夜道を{ルビ漫=そぞ}ろ歩く。
立ち止まり…深夜に囁く星々に、目を凝らす。
 ....
こどものころ 戦争は いつかなくなると 思っていた
実際の話 古代や中世の時代と比べたら
安易な理由では、人は人を殺めたりはしなくなったのだろうか

むかし 中世の時代に 真鍮の牛という処 ....
とつぜん雲が現れる
泣けば楽になると傍らで誰かがいう
雨が降りはじめる
わが子を抱きしめていた腕がするり
ほどけてだらしなく砂を掴んだ
かなしみに浸ることはかんたんで
すべてを捨てる覚 ....
この凝固した時刻
叫び声は沈黙している
早朝は際限なく分解されていく
どこまでも微細に果ては無になるまで
今日死んでいく者たちへ
せめて初めましてと伝えたい
ただ出会うことが
 ....
ぶーーーーーーぶっ壊したい

ーーーーーーー学校なんか

ーーーーーーーーーーーーーー ぶぶっ壊したい

 ....
乾いている


鼓膜に打ち寄せる波に温度はあるのか
でも 飲み込んだ言葉はひび割れていた
靴音から調律までが一番好きだ
酔っていれば君を見つめていても
秘密のまま 鍵は手の中 ....
スズや、スズ、と 呼べば白猫が一匹
呆けてしまった昭和の頭に 鈴の音だけでやってくる

年老いて逝く者の生きがいのために 孤独死を恐れてか
「アパート一室につき猫一匹飼育可能」、の高邁な ....
夜の粒が
とけだしてゆく
空の底は
うすむらさき色にゆるみ

未来が滴らした
おれんぢが
静かに攪拌されてゆく

ここは
宇宙の果てなのだ
あるいは
巨大なグラスに注がれた
 ....
ナイフを手に入れろ
くすんだ景色を切り裂くために
ほら こんなに青く 世界は
青く燃えて たゆたい――

ナイフで胸をえぐれ
にぶい痛みを消し去るために
ほら こんなに紅く おまえは
 ....
 かぜが およいでいる
   広場のベンチの端っこで
 ひかりが ねころんでいる
    更地の草かげのしたで

 とある日曜のショッピングで

 おとこたちは とまどっている
 目移 ....
築十八年になる
カステラハウスと呼ばれる
小さな三階建ての家に住んでいる
毎週日曜日になると
潔癖症の夫と二人で掃除をする

掃除機を抱えて 嬉々と
バトルスーツをきた戦士のように
家 ....
ためいきの数だけ弾けるポップコーン
気持ちがまあるくふくらんでいく
o 。 ゚ o゜   。  ゜   ゚  。
母性本能をお湯で割る
汚して 壊して
泣かれたときにだけ抱きしめたくなる
 ....
いい いきかた あるなら

まがった いきかた あっても いいじゃないか。


いい人たち いるなら

ひねくれ者 いても いいじゃないか。


こっそりと、世界の軸に こがさ ....
犬の瞳に月が残っている
ブリキの犬の黒い瞳に

声をあげている
七十五日で消えそうな噂


 からだが曇ってる 
 空と海も手をつないでいるわ
 誰も気にせずに声もかけない

  ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3333)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
男か女か- 北大路京 ...自由詩615-10-29
モノポリー- ただのみ ...自由詩8*15-10-28
放流- あおい満 ...自由詩6*15-10-28
風立ちぬ- 吉岡ペペ ...自由詩12+15-10-28
遮断機の内側- 凍月自由詩5*15-10-27
鬼ノ涙___- 服部 剛自由詩615-10-27
とけてゆく- 昼寝ヒル ...自由詩415-10-27
核家族- 為平 澪自由詩915-10-27
かや刈り- そらの珊 ...自由詩1215-10-26
社外秘- イオン自由詩2*15-10-25
ほほえみなさい- やまうち ...自由詩5*15-10-25
僕は階段を置き去りにする- 山犬切自由詩6*15-10-25
理由のない虹- ただのみ ...自由詩12*15-10-24
始まりの終わりから「エッシャー論的風景画にみる宇宙」- アラガイ ...自由詩6*15-10-24
【HSM参加作品】狂気の時代- イナエ自由詩14*15-10-24
せせらぎの唄- 服部 剛自由詩215-10-23
宇宙の信号___- 服部 剛自由詩315-10-23
【HSM参加作品】真鍮の牛- るるりら自由詩15+*15-10-23
みちのり- かんな自由詩10*15-10-23
早朝- 葉leaf自由詩315-10-23
- もり自由詩4*15-10-22
観想- 凍月自由詩9*15-10-22
アパート@猫一匹- 為平 澪自由詩9*15-10-22
リキュールな朝- そらの珊 ...自由詩16*15-10-22
旧・青少年非行団の歌- ただのみ ...自由詩18*15-10-21
芥子色の北風①- 信天翁自由詩415-10-21
【_払拭_】- 泡沫恋歌自由詩29*15-10-21
七色ポップコーン- 北大路京 ...自由詩715-10-20
ゆめ_うつつ.- つきのい ...自由詩415-10-20
JokeとDanceとKissは明日- 北大路京 ...自由詩715-10-20

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