桁をひとつ増やして
みんなの注目を浴びて
正義のような気がしちゃって
愛されているような気がしちゃって
真理のような気がしちゃって

もう一桁増やして
みんなのことが疑わしくなって
正 ....
【短歌】  船曳秀隆

天空に 宇宙溢れし 孔雀羽
 誰も知らない 十九の秋

言の葉は 詩の言葉さえ 忘れても 
 縋りつく葉に 葉脈は打つ

月光が 突き刺す獣に 声は無く 
 ....
すずめを追ってヒヨドリは
桜の色葉をくぐりぬけ
共に素早く弧を描く
糸でつながったみたいに

 *

落葉が元気に駆け回っている
ヌードになった街路樹の
先っちょでわずかな枯葉が千切 ....
「先週の生産状況は以上です
 次は工場の修繕計画の件ですが
 和式トイレへの改修案が出ていますので
 工場長よろしくお願いします」

「はい、なんのこっちゃと思いますよね
 社長から各事業 ....
○「投資サギ」

「そんなにもうかるなら
人にすすめないで自分でやれよ!」

「甘い言葉ともうけ話には
厳重警戒!」

「お金は昔から
汗水流してかせぐもの
楽して増やそうとするか ....
アスファルト濡れ
十一月の雨降り

行き交う人の
目の濁点、

時の残余は燃やし尽くされ

 垂直に雪崩れ落ちる
   かの様に一斉、
 黄の群れ 落ち葉達

時の未知は燃え立 ....
この雨を人にそむいてわれゆかむ

茫々とときに朗々とひかりをひとりゆかむ

雨に海に身をさらす赦されない身を

海よ空よゆるせよわがこころ人に赦されず

ふたり夜の海見るたましひと ....
足元をよく観てごらん
幸せは
あなたの足元に
野の花のように
いっぱい咲いているから

見上げてごらん
希望は
あなたの上に
青空のように
大きく広がっているから

心をすまし ....
○「必要は生きる母」
必要とされていないと感じるとき
家を出たくなる
必要とされていないと感じるとき
職場を去りたくなる
必要とされていないと感じるとき
人生をやめたくなる

○「急が ....
不器用に生きている君の笑顔が好きでたま
らない僕は、なおのこと不器用なんだろう。
そんな日々で幸せを数えてゆきたい。
 
 
 
さあおいで
僕はいつでも心のこのへんのとこ
開けて ....
立冬の朝ワイフを乗せて美容院へ行く途中で
自転車をこいでいる二人の知人に会った
一人は同級生
車の免許証は取ろうにも取れないので
八キロあまりの道を
自転車をこいで人妻にしばしば会いに行く
 ....
私はうたおう哀しみどものわけ捜す

酒にもひとへもいかぬ哀しみをこらえる

おとなりのピアノのおとに酔ってしまうよ

燃える若さもなし智慧を武器にいく

艶やかな妻の髪と鬱屈しているわ ....
夢を見るのだ

希望の夜を枕にして
明日を迎えるのだ

たどりついた朝に

さびれた心を晒すのだ
うずくまる彼の悲しみの昨日も

そうしてくれてゆく周りの人の胸にも
種を蒔いてゆ ....
あさり同士の会話がある海で
海は静かに波立ち
あなたと私は沈黙したまま
水平線の方へ目をやる。
秋の光ぽかぽかとして
雲は浮かぶ
ぽっかりぽっかり

砂浜の向こうの方で
見知らぬ人が ....
   for an album "Radio Bukowski" by Guilherme Lucas


 え?
 なんだって?
 おれは──英語がわからない。 ....
 イノチガ フト
 オモタクテ
 窓ヲ アケルト

 ヒトツ フタツ ミッツ
 カゾエテミタラ
 ココロガ カルクナッタ

 アカイノ 
 ホントニ アカイノ
 イマニ コガラシガ ....
  約束の時間にすこし遅れて
  寂しさの続きのような場面が始まる
  駅舎の街灯に羽虫が 丸く 集る


  高架下 ラーメン屋に入る
  やがて感情は数枚の貨幣に似てくる
  ....
○「まちがいや失敗から」

○人生にまちがいや失敗は
つきものだ
まちがいや失敗から学ぶ力をつけよう
「失敗は成功のもと」
「まちがいは成長のもと」
まちがいや失敗は
隠すためにあるも ....
木を公園で見る
春は桜が咲いていた
木を通り過ぎる
仰いでいた 枝を
空に 今は
その枯れかけた葉を
幹の 目に 表皮を 
僕はぼんやりと見ていた
木の一生を感じていた
僕は部屋の窓 ....
({ルビ天=てん}{ルビ使=し}の、{ルビ骨=ほね}の、{ルビ化=か}{ルビ石=せき}、じつと、{ルビ坑道=かうだう}の、{ルビ天盤=てんばん}を、{ルビ見下=みお}ろして、ゐた、……)

({ル ....
下半と上半をつなぎとめているのは腰の骨
(やれやれ腰がついに口をききはじめた)
つまりは天と地の神聖なむすび目も腰にある
(口をひらけば不自然な違和感もおきてくる)
神がつかわすロープは言葉と ....
複雑な私
だからこそ
シンプルなこころで
居たい
ありがとうと



ごめんなさい。
あなたの
思ってくれる
ように私は生きられない
あなたはあなたを生きてほしい


 ....
世界は輝いている
それは
私の中に希望があるから
世界は輝いている
それは
私の中に勇気があるから
希望も
勇気も
私の中にある
見て欲しい
今は錦秋
紅葉は今が盛り
命は燃え ....
○「師とは」
上から目線の指導者に
わざわざ頭を下げて
教えをこう必要はない
師とは
知識や技術ではなく
心の師である

○「自戒」
善い人になってはいけない
善くないのだから
 ....
さみしくて孤独の先の孤独へと橋をかけては渡っているよ

いつになく憂鬱な日に雨が降りさらにブルーに拍車がかかる

繰り返す日々に少しの曇りさえ見えないなんてそんなわけない

ずっとこう ....
青き時宵闇に秋葉溶け込んで

身に染むや孤独の病時経ちて

泣きたくて秋の夜には涙の雨

秋の朝しらじらと明け身震いし

柿の実や生らずになってもう幾年

葡萄の実母の位牌にささげ ....

だけを
私としている
魂という命よ
ありがとう
それほど
私の愛は深くは無いので
終わらせてやることは出来ません。
ただ、魂のそばに在るだけ
それしか出来ません。

ああ何故だ
何故
と今は
のっぴきならないことを
問うのは止め ....
臍帯の
とおい丘陵地を這いずる
霊魂は旅人 樹の葉の告げを
目覚めたばかりのわたしが{ルビ懐=おも}う

なにもないという天国
だれが、いますか

顕花植物というおおよそ
陰核の癖だ ....
 ほのぼのと

 開きそめし季節のすぎて

 髪洗えば抜け落ちる束 悲しきを

 湯舟浸かり両の手に 抱く乳房

 秋の晩
由木名緒美さんのおすすめリスト(3320)
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