萎んだ心に息を吹き込む
空気のように目には見えない
大切なものが漏れて往く
紙屑の皺を伸ばすように
 歌い出す 
いのちの輝きは遥か
記憶の地平の彼方
燃え落ちる花のように笑っていた ....
亡き母に買ったワインをひとりで飲んで寝る 生の私を丸飲みにしてはいけません
春の潮の中でふやけて
米酢の中で骨も軟化し
渦巻く流れに皮膚もすり減って
卵のように丸く滑らかになっていても
どこかに人を呪う棘を隠しているのです
胃に刺 ....
向かい風は願ったり叶ったり
よく上がるぞ
追い風なんて当てにするな
向かい風を受け止め
駈け上がれ

多少の雨なんか放っておけ
雨雲は低いんだ
すぐに突き抜けるさ
雨粒を弾き飛ば ....
先輩の肌に初めて触れたのは卒業式の胴上げでした そのコンビニは街外れにあった

面接に来たぼくに店長は履歴書を見ながら言った
ーう〜ん果たして君に務まるかな〜
ーまじすか?自分ははっきしいってコンビニもバイトしたことあるし スーパーだって居 ....
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた

私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
 ....
団地の狭い庭に桃を植えて
安くて新鮮な桃を食べようなどと
欲を張ったのだが
日当たりは良くないので
おいしい実がなったかどうか
それも分からないまま…

たっぷりの肥料と 
水やりをし ....
飴を取るときはひとつ
飴を頂くと手のひらにふたつある

言葉の意味を調べてひとつ知る
誰かと話をしていると
いつの間にか言葉の意味をふたつ知る

買い物帰りに今川焼きを買うときは
ひと ....
まだ見ぬ不安に

コントロールされる

動悸

圧迫

冷静

死ぬのがこわい

死ぬときはひとりだ


外灯にみどりが鮮やかだ

バスとすれ違う

夏の夜がにじ ....
ああ神よ どうか
四十五パーセントくらいの誤解をお与えください
少なくても三十五 三十は行き過ぎです
勝手な想像と思い込みで
悩んだり喜んだり
怒ったり主張したり
素敵な誤解を捧げあって
 ....
おお、おお
やってくれるとは思っていたが
ここまでとは思わなかったぜ、安倍ちゃん
いかすぜ
鳥肌ものだぜ
憲法の解釈変更で集団的自衛権を行使しようとする
噴飯のお坊ちゃま

だって、僕 ....
ある日私のもとにSRと名乗るものがやってきた
あなたにぴったしの職場をご案内にまいりました
男はそう言って名刺を差し出した
   SRとだけ書かれている
あんた誰?、怪訝に思った私は尋ねた
 ....
慈愛の糸でできた繭のような部屋は、安心だ。
管制塔のように 耳の中の音を分析する。


母の補聴器の購入のために 街にでた
街は祭り日。
耳の不自由な母と 私の世界は どれだけちがうのか
 ....
あの信号が変わる前に渡れたら
きっと うまくいく

ありふれた願を懸けた



決して走ってはならない

ありふれたルールを課した



早歩きがどんどん早くなる

早歩 ....
父の手をさする

硬く曲がったままの指を
一本ずつひろげ
滞ったものが
少しずつ流れていくように
強張ったものが
僅かにほぐれていくように

節くれだった
頑丈な父の手

鍬を ....
シマウマの光と影や稲光 何も隠せない快晴の或る日
昼でも夜でもない街の中を
わたしは 俯いて歩く  
恐れられる吠えない犬のように そして
世界の綻びを拾い上げ  何もない空を見上げる


機械仕掛の戦略を支持 ....
最近
中二の娘が笑わない
あまりにも無愛想なので
お前最近目付きがゴジラに似てきたな

言ったら
本当にゴジラみたいな目で睨んできた

あまりにも怖かったので
さっさと自室に逃げた

翌日
静岡に帰 ....
仕事でヘマをして、凹んで帰った。
さっさと布団を被って、寝た。
早朝にぱっちり目が覚めた。  
おもむろに立ち上がった僕は、外に出た。

西に沈むでっかい満月に
思わず、足を止めた。

 ....
私は知っていました
あの林檎に毒が入っていたことを。
隣国の王子様が
私を見つめていたことを。

私は知りながら食べました。
毒の入った赤い林檎を。
倒れた私に王子様が
キスをくれ ....
再び

二つに裂かれた心を癒すのは
まぼろしでないよ
嘆くでないさ
僕たちが置かれたこの場所は
再び再生するに適している

遠い宇宙は頭の上
叫び声は腹の中
足の下には冷えた墓
 ....
異臭のする道に耳の長いネズミ
齧歯類は常に齧る。はを減らさなければ、死ぬまで、歯が伸びて行く。
猫は爪を研ぐ。爪の鞘を引き離す。死ぬまで、爪が伸びて行く。



人間は自惚れる。いろいろ挫 ....
おしるしが来てから二日後
夜、下っ腹に引きつる痛みがあった

陣痛 前駆陣痛か はたまた胎盤が剥がれてしまったのか
ネットで調べる仰向けの オロオロ妊婦

これは我慢できる痛みだから 陣痛 ....
なんとなくせかされる気持を
落ち着かせようと
傘を開くように
立ち上がる

肩から力を抜き
仙骨を立て
腹から息を出し
前を視ると
スクリーンが
ワイドになる

混雑する電車を ....
蹴破る足はないが
閉された扉の前で待つ気もない
おれ自身が監獄
   だから言葉は旅人だ
去り行く背中に
   翼など無く
     タダノモジノラレツ蟲は

   預言の首飾りの哀歌 ....
海の匂いがする風が

過ぎていく時に
光と
圧と
匂いと
音で
描く



   飛ぶ

 
鳥は
海風に向かい
まるで静止しているように飛ぶ

鳥は
生きる ....
青い時を濡らすように
 赤い空を泣かすように
  白い風を脅かすように
   黒い光をなだめるように
   (梅雨の雫が一滴また一滴)
   ベランダの樋からの滴りを
老いたおひとりさまは ....
何も失うことなく
すべてを放棄するには
消えるだけでいい
だけど、すべてをこの胸に
留めおくことは
どうしてだか、こんなにも難しい

過ぎ去っていくこの春を
刻みこむようにイメージする ....
金属製の留め金は
時折きしむ

わたしを
ここに
留めておくもの
家族とか
四季咲きの薔薇だとか
増えていくばかりの本棚とか
愛すべきものたちばかりなのに

長雨のあと
造成地 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3333)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
歌いたい- ただのみ ...自由詩17*14-6-22
亡き母に買ったワインをひとりで飲んで寝る- 北大路京 ...自由詩714-6-22
老いた私を食材に選んだあなたへ- イナエ自由詩9*14-6-22
凧になって駈け上がれ- ichirou自由詩10*14-6-22
先輩の肌に初めて触れたのは卒業式の胴上げでした- 北大路京 ...短歌514-6-21
_コンビニエンス- アンドリ ...散文(批評 ...214-6-21
星を食べた少女- 小原あき自由詩13*14-6-20
夢を食う- イナエ自由詩19*14-6-19
ひとつよりもふたつ- ichirou自由詩11*14-6-19
死ぬのがこわい- 吉岡ペペ ...自由詩414-6-18
イノルフリ- ただのみ ...自由詩25*14-6-18
血迷ったな安倍ちゃん- 草野大悟 ...自由詩5*14-6-18
_SR- アンドリ ...散文(批評 ...114-6-18
透ける_風嘯_(すけるとん_ほいっする)_- るるりら自由詩17*14-6-18
早歩き- ichirou自由詩18*14-6-18
父の手- Lucy自由詩22*14-6-17
シマウマの光と影や稲光- 北大路京 ...俳句214-6-17
一輪の日々- ハァモニ ...自由詩4*14-6-17
犯罪者の心理- ichirou携帯写真+ ...10*14-6-16
夜明けの散歩- 服部 剛自由詩614-6-16
童話- chiharu自由詩11*14-6-16
再び- まきしむ自由詩414-6-16
齧歯類- ……とあ ...自由詩10*14-6-15
痛みに強い女がうつ伏せで眠るまでの記録- 朝焼彩茜 ...自由詩24*14-6-15
落ち着く- 殿岡秀秋自由詩614-6-15
今はこんな気分で- ただのみ ...自由詩18*14-6-14
海風- ichirou自由詩16*14-6-14
錆ついた風見鶏_八- 信天翁自由詩314-6-13
五感に、刻みこんで- 茜井こと ...自由詩6*14-6-13
とめがね- そらの珊 ...自由詩13*14-6-13

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