眠れない未明に
仕方もなく起きだして
ふと開けた引き出しから
懐かしくて熱いものが

彼女がのこして
そうするしかなかったままの
断片がみんな
雨の雫色をしてる

それらは歌で
 ....
虫の声が逆さまに鳴いている
逆さまの虫の声はどこか自壊の音のようで
奇妙で遠い自壊が草むらで起こっている

太陽が逆さまに輝いている
逆さまの太陽は少し気が狂っていて
一面の大 ....
ぼくがぼくであるために
かろうじてバランスの中で生きている

アンドロメダの女神は言った

終わるまで夢をみなさいと

でもね  何時かは終結して

記憶はリセットされて

 ....
暗い夜の底から
柔膚を剥ぐように奪われた
土と草の匂いと、
家族の笑いを灯した明り

 安穏な日々
   を
  揺さぶり壊して
一瞬が、
      全てを奪った

星々をも掴 ....
祈りって
なんだ。

どうやって祈る。

同じだ。

跪いても
酔いどれても

神には聞こえてる。

聞こえないのは
私のほうだ。

幾度となく語りかけるその返事を
私 ....
公園のベンチに座っていた
そよ風が恋人のように寄り添っていた
古いノートの中で
ことばは悶えた
それとも窮屈な服を着せられて
詩がのたうち回っていたのか

その時ひとひらの蝶が
記憶に ....
何処にも見つけることは出来なかったはずだ
そう訴えているかのように
私の視覚を証言台に立たせ尋問する
画家であれば画材は其れまでに蓄えてきた感情の十色
上手く言葉を塗り付けようとするが
もう ....
北風の只中を防寒靴で歩いた、僕は
あの日の旅路を手にしたペンで、筆記する

   *

――記憶に蘇る、海の匂い
遠くに見える、断崖に近づくほど
潮の香りを鼻腔に…吸いこみ

断崖の ....
オリオンを確かめて
冬と悟る空に
白い吐息を吹きかけて
部屋に戻る少女たち

残された結晶たちは
さまよった末に
辿り着くのだろう
この夜も 夢へと

赤いバレエシューズ姿の女神が ....
深い森の中を彷徨っていた あの頃
草木の名も 花の色さえも知らないで
認識は ぽっかりと開いた陽だまりの草地に
唐突に現れて 「境界」 を教えた


黒い雲の切れ間から洩れる 血のよう ....
雨の夜
国道には死があった

帰り道を急ぐ車の
その一台一台に生があるその対極に
或いは
その隣りに

ぴくりとも動かない人間の脚はまるで
精巧なマネキン人形の部品のよう
アスファ ....
  玩具は既に壊れており
  木張りの床に見棄てられていた
  夕陽から親しげな香りが溢れ、
  窓辺に置いた花瓶に纏わりつく
  私たちは 壊れていた 跡形もなく
  {ルビ抑=そ ....
恋の果実を
収穫することを待ちながら
暑かった夏空は
熟れた林檎を
真っ赤な彩りに染めている
大切な人へと
恋を想って約束を
するときのように

真夏に夕焼けを
埋め尽くしたばかり ....
澄んだ水溜りの傍で
ずっと待っていた
水溜りは濁っては また
澄み
その度に違うものを映す

扉が閉まる音
近づいてくる猫の足音 どれも
聞いたことがあるような気もするし
初めて聞く ....
社員旅行で
人が寝ようとしているときに
レジ袋をシャリシャリするな
シャリラー追放!
と言いたかった

電車の中で
人が本を読んでいるときに
レジ袋をシャリシャリするな
シャリラー追 ....
息子は鉄道マニア
寝ても冷めても鉄道好きで
勉強しないで鉄道の本を読む
いくら鉄道の勉強をしても
鉄道の仕事にはつけない
鉄道の会社に入るには
普通の勉強ができないと
入れないのだよ
 ....
皮を剥くことばかり求めて、
実の味を忘れた
林檎みたいな私の肌に、
あなたは歯をがりり立てました。
私はその痛みに歓喜し
ちいさな翼を羽ばたかせ
あなたの心のなかの
小さな ....
あなたは
逝ってしまった、
三十年前の来月今日
永遠に
永遠に追いつけない
のは
だから解っている

けれど、

この願望は濃くなる
ばかり
この思いは想いは
オモイ

 ....
絵のない絵葉書が届く
ことばのない詩が書かれていた
ピアノソナタが雨に溶けて
コスモスはうつむき顔を覆う
山の精気が少しだけ薄められ
ものごとを前にしてふと
過去からの声に手を止めている
 ....
     わたしは帰る
     猫の住む我が家へと
     服も靴下も脱ぎ散らかし
     ひんやりとしたベッドへ
     もぐりこむ
     鼻先の生温かなけものの匂い
 ....
 左手にヘアアイロン、右手にスマホ。高校生の娘は朝の忙しい時にも、そんな習慣を欠かさない。前髪がそんなに重要なのか、ラインでどんな大切なメッセージがあるのか、聞きたいところだが、朝から言い合いたくない .... ただ電車が通り過ぎていくのを
意味もなく微笑んで見送った

誰に語りかける言葉もなかった
本当の言葉など要らず
偽物の言葉で構わないのに
偽物の言葉すら持ち合わせていない
も ....
空の見えない
白い夜は
籠ったため息で
爆発寸前
限界を越えてふくらむ不満
針の先程の穴でもいいから
抜け道を頂戴
生ぬるい夜風が
髪を湿らせてもいいから

祈りも宅配便で
時間 ....
枝葉に付着した
無数の小さな丸い水滴      銀の透明
は、
照らしだす光に 光を通し輝く

光そのものは見えずに
只、
銀の透明響かせます

無垢なる人の魂に
あなただけに告げる「ワタクシの秘密」と言う台詞が
どうも くすぐったくって 仕方が無いのです

地図に無い場所を求めて 彷徨う旅人だとか
誰も受信できぬ電波を 感じる肌が

むず痒くて ....
恥ずかしそうにして
横たわる真白い身体の
すぐ近くにある
誰も知らない部屋で
あの扉を開くことができる鍵穴に
ぴったりと
はまり込む
秘密の白い鍵穴に
鍵を当てはめる

Eroti ....
箪笥の奥深く秘められていたいくつかの小箱
おそらく母の物であろう歯の欠けた櫛に
出合ってわたしの心が波立つ

そして 夭折した兄たちの名に混じって
ボクの名が乾ききった小箱

それは ....
夏のあいだ僕らは
危うさと確かさの波間で
無数のクリックを繰り返し
細胞分裂にいそしみ
新学期をむかえるころ
あたらしい僕らになった
けれど
ちっぽけなこの教室の
ひなたと本の匂いとザ ....
たぶん僕は理由を見つけたかったんだ 
笑える理由を 
涙をこらえる理由を 
そして 
負けられない理由を欲しがっていた
雨が続いて
秋になる

祭りの後のような
一抹の寂しさ

子供の声が聞こえない

でも
静かな静かな
長い夜もまた良い

季節を受け入れる人々の心に

幽玄の
月が近づく
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今宵の使者は- もっぷ自由詩915-9-8
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うつうつ- そらの珊 ...自由詩915-9-7
玩具- 草野春心自由詩615-9-6
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廃人の唄- 葉leaf自由詩615-9-4
instant- 真歩自由詩315-9-3
叡智- たけし自由詩715-9-3
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コピーアンドペーストエンド- そらの珊 ...自由詩23*15-9-2
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長雨- ガト自由詩4*15-8-31

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