かなしいがいっぱいになって
泣きだした
よくとおる声で
しゃくりあげ
虐たいではなく
とおり魔でもない
がんぜない
わがまま
しわのない顔をせいいっぱいゆがめ
大つぶの涙おしげもなく ....
鎖骨を引き抜いて、
あなたの喉に刺してやりたい。
乳房をもぎ取って、
あなたの口に押し込んでやりたい。
陰部をくりぬいて、
あなたの尻に捩じ込んでやりたい。

俺のオナニーを ....
嫌なことなど

いつも
幾らでも
側にあるから
気づかないで生きたりも出来る

大人になると
不条理にいちいち驚かない

透明な何かが
濁ってしまったように見えるけど
違う ....
林の中に、ふりつもる
無数のつややかな枯葉を
踏み拉き…
幾世代もの祖先を想い
自らの重みを、歩いていた。

――遠い空では、飛行機の音が
  長い長い尾を引いていた…
  
  何 ....
フロントガラスの向こう
傘をさした女が滲んでいた
雨にうなだれる花のように
あれは昨日のことだろうか


瞬間の感覚の飽和を無限と呼ぶしかなかった
悲しい詩人の形見 憂鬱
古い壜のよう ....
#捕まえる為に
まず綺麗に梳いた。
きらきらと剥がれる、
わたしとわたしの証明を
食事のように、
口に運ぶように、
摂取するように、
喰らい尽くすように、
そこを梳いた。
それを ....
    愛犬が吠えたてるなか
        東隣りからは
  車庫シヤッターの上昇音が
        西隣りからは
     二階雨戸の開放音が
平和なかぜとひかりを包みこみ
  梅雨 ....
その名は釈迦という
森羅万象に眼を奪われ
哀しみと美しさに
その眼差しを静かに落とす

彼は旅を続け
悲しみを喜びに変えて
今も我々を救済し続けている

彼は神や仏といった
遠い存 ....
  なにかに似たなにかが
  わたしの緑色を這って{ルビ滑=ぬめ}る
  朝陽も入り込めない太い闇を
  しずくのような眠りが円く湿らす

  
  葡萄味で棒状の鬱
  なにか ....
石鹸は温かい紅茶だ
ぐるぐるオレンジ色にくるくる溶けていく
カーテンが柔らかく揺れた朝。ラジオ体操をする老人の笑顔が眩しい
男は女に幻想を持ち
女は微塵も持たない

男が絶望したとしても
女は決して心中したりはしない

少年だった頃に
すでに月から降りて来る物を
知っているんだ君たちは

三角ベースで野 ....
緑の繁栄を聴いている
ただ、ただ、
聴いている

ひとに
負担をかけないような
当たり障りない言葉たち
ひとの
望みを絶たないように
むやみに明るい言葉たち

緑の繁栄が ....
行倒れの男のように
靴が片方 ぽっかり見上げている
我慢しきれず漏らしてしまう
重苦しい空はぽつりぽつり
悲哀をくすぐりながら
見定めていたはずの世界を沈め
アトランティス   
瓶の蓋 ....
ボトルの中で、夜が揺れている。
 
月が千切れて浮いている。
 
街灯も同じく千切れてて、
 
河口で静かに唄ってる。
 
ボトルの中で、夜が揺れている。
 
微かに潮の香りがして ....
霧雨がひび割れた心を濡らす

      優しく 優しく 降り続く

   「もっと気楽に生きなよ 楽しみなよ」って

囁きかけられているようで

 堪えきれず 涙が溢れた
     ....
つい最近シジュウカラに 単語を組み合わせて  
文章をつくる能力のあることが 発見されたようです
 
チンパンジーなどにもない能力で 統語能力といわれています

ピーッピは警戒  ヂヂヂは集 ....
どす黒い雨が降る

重いストレスが沁み込む肩

既に透明な感覚は失いかけている

ひたすら受け止め 空を見上げると 

怒りの暗雲が立ち込めている

愛の武装もできない

でく ....
静寂

   
街の喧騒から離れ
柔らかい羽根の中 疲れを癒す

遠くから誰かの放つエナジーが波形となり伝わる
独り蛍光色に染まり
人工ワールドの球体を転がる

浮遊するこの世の細 ....
(呼び名は市道というのだが)
 
 わが家に接した舗装路は
  歩道と車道の区分なく
     往きかうかげは
       乏しく淡く

   そのうえ しばしば
  三毛猫さえも巡 ....
覚めない感覚が

私を苦しめる

何が欲しいのか

興奮と葛藤の中

諦めきれないものがある

価値のないものに懸命になり

本当の宝をないがしろにしている

後ろめたさに ....
ある日夢を見た
大統領専用機をハイジャックして
銀翼のブーメランは肥えた豚の脇腹をえぐる
全ての核が夜明けのように地球を照らし
先史時代の遺跡に月が冷たく口付ける
砂場で遊ぶこどもの和毛が音 ....
  見えつつ
  あるものの内壁へ
  つたう光へ、冷えた天使をみつめていた
  腫れ房を成す、{ルビ硝子景=ガラスけい}の、あなたがたの
  優しさから眼をそむけた
  見えつつ  ....
今朝あなたの手紙の上
木漏れ日が踊りました
強い日差しは濃い影を生み
風のなすまま掻き乱されて
静止なんてありえたでしょうか
いつも新鮮で
動揺は隠せなかった
なのに
身じろぎもせず
 ....
星座の煌めき

乳白色の宙

小波が寄せてくる

脈打つ鼓動

白い肌を染め

堕天使が誘うメロディーに

抑えきれない欲望

ふらつく足をさらわれる

堕ちて行く官能 ....
左右に大きく揺れる電車は
僕らを強引に引っ張って
のろのろ走る父の車を
ぐんぐんと追い抜いた
隣で姉が呟く
泣いてたまるかって
僕は答える
泣き虫は嫌いだって
そうやって僕らふたりで溢 ....
  一機の ヘリコプターが
  交わりをひとつずつ置いていく
      海色の稜線、わたしたちの
      茹だり、かげ沿いに膿んでくる、疼痛の粘り気
      冷えすぎた{ルビ ....
あなたへ、

人の顔を見るのが怖かったね

中心にポッカリと空いたブラックホールに吸い込まれて
2度と帰れないと思っていたね
きっと宇宙の中に私はいないと思っていたね

臆病な ....
明滅がせわしなくてうつくしい

渡されたまま 騙されたふりをして
わたしたち
殺された草を食む
なんという動揺のあとの
なんという静寂

 〈たくさん毒を食べるから
  たくさん薬が ....
春の日差しに照る光
影と陽の二重音奏は
日常というリズムを奏でている

自然の一つ一つに
咲き始めた根を張る花弁に
青空のキャンパスを渡る一片の白雲に
私達の一つの想いに
無数の生活に ....
路面に、跳ねた
鳥の糞すら
書家の一筆の如き、あーとだ

――この世界は
  詩に充ちている
由木名緒美さんのおすすめリスト(3305)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
がんぜないもの- ただのみ ...自由詩11*16-6-15
- あおい満 ...自由詩1+*16-6-14
伏流水- ガト自由詩4*16-6-14
緑の懐より- 服部 剛自由詩516-6-13
音楽が聞こえる- ただのみ ...自由詩9*16-6-11
- 梥本 サ ...自由詩616-6-11
鳴神月(三)- 信天翁自由詩316-6-10
- レタス自由詩516-6-9
- 草野春心自由詩316-6-9
石鹸- 水宮うみ自由詩2*16-6-9
女が男を恋するとき- 梅昆布茶自由詩416-6-9
緑の繁栄- 千波 一 ...自由詩216-6-8
ホロウ- ただのみ ...自由詩12*16-6-8
ボトルの中で。- 元親 ミ ...自由詩216-6-8
優しい雨- 星丘涙自由詩3*16-6-7
シジュウカラの統語能力_- st自由詩2*16-6-7
黒い雨- 星丘涙自由詩1*16-6-6
再生の巣- 星丘涙自由詩4*16-6-5
王道- 信天翁自由詩516-6-5
瞳は守れ- 星丘涙自由詩4*16-6-5
夢見ぬ人- ただのみ ...自由詩8*16-6-4
冷えた天使/見えつつあるものの内壁へつたう光- 草野春心自由詩816-6-4
紙のドア- ただのみ ...自由詩11*16-6-1
放蕩- 星丘涙自由詩3*16-6-1
大人はすぐに嘘をつくから- 縷々流 ...自由詩116-6-1
交わりを置く/そらという球体/見ることの稜線- 草野春心自由詩3*16-6-1
あなたへ、- ゆるこ自由詩716-5-31
窒息する- 伊藤 大 ...自由詩216-5-29
忘却- 鷲田自由詩316-5-29
路面の文字- 服部 剛自由詩216-5-28

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