シャツの色をわすれた
  自転車を仲よくならべた
  川沿いの道にいつもあった
  だれのものとも知れないさびしさ



  三日月にすこし濡れた
  きみの膝こぞうをそっ ....
  硝子に映った一頭の駱駝は
  あなたのまわりのどこにもいない
  オアシスには細かい霧の粒が浮かび
  かれの毛並みを気高く妖しくみせているが
  大きな{ルビ二瘤=ふたこぶ}にか ....
尾鰭も背鰭もない者だから
スクラップブックから拾ってきました

この気怠さの海を泳ぐ
艶めかしい夏の生き物たちを横目に

白い爪痕も心地よい
日焼けした空をまる齧りにします

スイカ ....
昨夜ブランコを聴いた公園に
再び立ち寄ったら
子供たちの笑い声がした

見ると
遊具も砂場もない
公園の中心で
小学生くらいの子が三人
はしゃいでた

青っぽい砂の地面 ....
まんまるのお月様に手を伸ばして
掴めるはずよ ほらもう少しよ

散らばった星を払って退けて
目を輝かせて 持って

時間は有限 心は無限

そんな時が好きだった


空も ....
      朝刊に折りこまれた
     それは裏面が真っ白な
    パチンコ屋のチラシ広告
(メモ用紙にと気をきかせたのか)
            そして
     無聊に明け暮れてい ....
言葉を持たない
ほどけゆくはなびらに顔を寄せる
月曜日のこんにちはが
金曜にはさようならになって
まだ夏は来ないというのに
固い棘に触れた
わたしの指先に
染みのような血だけを残して
 ....
空き地にはヒメジョオンの花盛りラブアンドピースアンド猫

     ヒメジョオンってその名のとおり、可愛らしいいでたちで
     あるのですが、群生していると、なんだかガールズトーク
    ....
義姉の手を握った
痛くない程度に強く
妻以外の女性の手を握ったのはいつ以来か
兄と義姉が結婚したとき
わたしは高校生だった
男二人兄弟だったから
「{ルビ義姉=ねえ}さん」と呼ぶのも恥ずか ....
よく見ればそれは

青く光るホタルイカ

ほの字 ほの字 ほのイカ字

逆さにするとトテモ

恥ずかしい


ひらがなの群れ

よくよく見ればそれは

アリの群 ....
夢の中のように
重い スローモーション
息も絶え絶えの
全力疾走
お父さん
飛び立ちたいですか
長すぎる
父の滑走路
捻れ踊れよ怨念の煙
朽ちよ滅びよ千年の嘘

我白き骨を
カタラクタの底に添え
我が黒き心臓を
ゲヘナエに捧ぐ

其は犠牲
地の中枢で融けうねる
鋼鉄の奔流に

落とされ ....
僻み根性のかけらも持っていない人の
笑顔はほんとに美しい
心まで透き通ってみえるよう
周りの人まで
幸せにしてしまう

あなたは日差しの中に咲く
どんな花にもよく似合う
あなたが少しも ....
薄闇の中に残された
       一つの林檎から

向かい合い互いの髪を切った
鋏で剃刀で鑿で鋸で

欲深く嗜好を相手に負わせ続けた 
二体の異形は言葉を上擦らす

「わたしたちは互 ....
晴れだ

汚れた車を洗おうと
バケツに水を汲み運ぶ
曲がり角で
バケツが少し回転する
バケツの小さな遠心力が手に伝わる
あっ
懐かしい感覚
身体に染み込んでいる楽しい感覚

 ....
あの不安定だったひととき
この人のためなら
自分が持っているすべてを
投げ打っても構わないと思った

自分はこの一時、血迷っているだけなんだろうな、とは気付いていた
一晩も経てば、正気に戻 ....
{画像=140712005301.jpg}





あれは5月の終わり
小学生のぼくは
一人で仲間から離れ
体育館の横の鉄棒の側の
紅いダリアに見入っていた



転がり ....
寿退社する君へと
パッションフルーツを
プレゼントする昨日
月末に送別会があるようで
退社するときに演説する
練習をまたしている

揺りかごから
墓場までと云う言葉を
知っている?と ....
いつか空が墜ちる時
地球が融けたようなこの地上で
僕は誰に祈るのだろう

空が迫り来る
黒い黒い裂け目が増える
不自然な黒がウイルスか何かのように巣喰う

空は海の青を映してい ....
私の重みで、凹んでいる
タイヤの椅子のブランコが
ぎっしり…ぎしり…と{ルビ軋=きし}んで、ゆれる

軋んで、ゆれていくほどに
ぷらたなすの樹は、詩いだす
ざわつく若葉も、踊りだす

 ....
冷たい海の中を、
ふわふわと漂うクラゲの
その美しさに魅かれる

誰にでも愛される
そんな存在でも無く、
ただ、
生きる為の術ではあっても

そのふわふわとした
透明で自由な浮遊感 ....
雨が降ったあとだけ
わたしは
この世に生まれます

黒い空から
産み落とされたというのに
見上げれば
 ――おもいわずらうことなど最初からなかったように
 ――おもいわずらうことは誰で ....
太陽が見えない
月も星も輝かない
この地上は暗く濡れたまま
夜が明ける

夏の黒富士に残雪の傷
目前の山肌は湯気立ち霊気を放つ
この血は静かに震え
夜が明けた

この命が熱り立 ....
三面鏡が浴びたのは女の末期

ティッシュが火ぶくれ

肌に青いミミズの這い回る

鉛の紅の差しかけに


口から毒のあぶくのあふれだす

はりつめ尽きる瞬間に

女は子午線を ....
最近妻が山に行こうと言う
アウトドア派でもないのにだ

急にどうしたんだと聞くと
この間
友達と高級フランス料理を
食べに行ったとき
トリュフの香りに
魅了されたから
と答えた

 ....
しろく




影を反射させながら


日射しを融かした水を馴染ませ



一足飛びの夏が




17歳の僕の

すぐ



そばにあった
ひと押し
ふた押し
み押しするたびに
深いところから
吸い上げられてくる
手応えがあって
ほとばしる
夏でも冷たい水、水、水

水という命を手に入れるために
用意された
一連の単 ....
ショッピングモールで
娘たちと七夕の願い事を短冊に書き
楽しんでいると

ふと目に飛び込む
誰かが書いた短冊


  もう二度とこの世に
  生まれて来ませんように


見知ら ....
詩 舌足らず
詩 知ったかぶり
詩 失敗ばかり
詩 四苦八苦
詩 死んでたまるか
詩 しらけちゃダメね
詩 しっかりしろよ
詩 叱咤激励
詩 獅子奮迅
詩 試行錯誤の
詩 支離滅裂 ....
小雨の中
モンシロチョウが
ヨロヨロと飛んでいる

どこかの葉陰で休めばいいものを
そんなになってまで
なぜ飛ぶのだ

腹が空いて蜜を探しているのだろうか
子孫を残すために相手を ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
恋は三日月- 草野春心自由詩814-7-20
硝子に映った駱駝- 草野春心自由詩414-7-19
夏の幽霊- ただのみ ...自由詩21*14-7-19
4秒でいち- 凍月自由詩5*14-7-19
- 瑞海自由詩11*14-7-18
折り紙- 信天翁自由詩714-7-18
おもかげ- そらの珊 ...自由詩13*14-7-18
梅雨の晴れ間にミスターハロー- そらの珊 ...短歌11*14-7-17
義姉- ただのみ ...自由詩17*14-7-16
ひらがなの群れ- 月形半分 ...自由詩414-7-16
滑走路- Lucy自由詩14*14-7-16
犠牲- 凍月自由詩1*14-7-15
- Lucy自由詩16*14-7-13
反愛- ただのみ ...自由詩17*14-7-12
遠心力と太陽と- ichirou自由詩12*14-7-12
誠実と暴挙の交差点- クナリ自由詩10*14-7-12
想い出__/__ゴム鞠毬は暗がりを跳ねて落ちて- beebee自由詩24*14-7-12
ラストメッセージ症候群- りゅうの ...自由詩15*14-7-11
柔らかい杞憂- 凍月自由詩3*14-7-8
ぷらたなすの樹__- 服部 剛自由詩614-7-8
ふわふわ- 猫の耳自由詩214-7-8
水たまりのひとりごと_【詩サークル群青_六月の課題『水』への ...- そらの珊 ...自由詩15*14-7-8
この命が熱り立つ- ichirou自由詩8*14-7-8
怪談- 月形半分 ...自由詩314-7-8
俺はブタじゃない- 花形新次自由詩2+14-7-7
流体の陽炎- オリーヴ携帯写真+ ...214-7-7
古井戸__【詩サークル群青_六月の課題『水』への提出作品】- そらの珊 ...自由詩14*14-7-7
見知らぬ人の願い- ichirou自由詩9*14-7-7
おれの……- ただのみ ...自由詩17+*14-7-6
生きていること- ichirou自由詩914-7-6

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