ひとつの終わらない薔薇がある
幾重にも幾重にも
内面から開き続け
外側の花弁が枯れて
次々と散り落ちても
秘められた未知なるものが
沸き上るように 艶やかに捲れ
芳醇な色香を放ち続ける
 ....
  辛抱づよく 壁を背にし
  紺いろの布巾をみつめている
  とじた唇のなかで くちづけの記憶が
  解かれた積荷のようにころがっているが
  やがて堰き止められる
  いずれ壊れ ....
毎日人が死んでゆく
墓だらけの世界
スーパーヒーローは言う
もう誰も殺してはいけません
もう誰も死んではいけません
毎日人が死んでゆくはずの
墓だらけの世界が
毎日人が産まれるだ ....
武蔵野のクヌギ林にわけ入り
落ち葉の絨毯を踏みしめる
聴こえるのは小鳥のさえずり
静かな一日が過ぎてゆく
木の幹に耳を当てても
冬に水の音は聞こえない

ぼくは帰る路を忘れて
時計の森 ....
冬を冠した花が
ささやかに咲いて
雪まじりの風を抱くよう
手を広げた
広げるほど薄いひだが
いたむのも厭わず
さあ
揺らしてくれ

そのひとひらは
君に散らされるため
 ....
2015年がもうすぐ終わる
2015年は死んで過去になるのだ
2015年は1月1日に生まれ
2015年は12月31日に死んで往く
2015年の寿命は一年と定められている
2015年の前の年も ....
口から耳を吐き出す。
耳は目になって排水口を流れていく。
目になった耳は明日の壁を踏みしめて
雑踏を突き進む。

耳が吸い込む声は、
いつだって罵倒と嘆きだ。
けれど耳は、
罵倒の皮を ....
椅子に例える人がいる
その場所が
そこにあるだけ
つらいのだ、と

痛みに例える人がいる
ひりひりと
やけどのように
滲みるのだ、と

私は
知ってしまったよ

あなたを持た ....
 時の歩みに歩幅を合わせると見えてくる現実。
 
 真夜中に息を潜めると聞こえてくる騒音。

 眠りを妨げる得体の知れないものたち。

 そろそろ今年も終わる。

 新たな年には新 ....
時は忍び足で通りすぎる
それを知ったのは
先週の水曜日

ぼくは疲れて
回転する部屋の椅子に座った
それから
頬に手を当てて眠った

ひたひたと階段を下りる足音
屋根裏の空を
飛 ....
幕開けに
ことばを持たずに臨みたい
髪を切って女という味を色濃くしたなら
フリックで弾いた間奏で涙をながして
愛をいただく年の瀬に助走する
底には濁りがある
ひとさじ掬ってわた ....
久々訪れたこの夜の静謐
は、
昼間街中 よろめいてぶつかった男に
謝罪する間もなく殴られ 黙した
その無抵抗の余韻。
アンタガワルイノヨ、
ゼンブアンタガワルイノヨ、
アンタガ、
アンタガ、

三半規管を往来する
嗄れたあなたの声が、
私の耳から喉に谺する。
私は何故か言い返せない。
なぜなら私はあ ....
地球の温暖化はね
だんだん化の兆候であって
地球自身が
だんだん人が住めないように
仕向けているんだよ

人の冷淡化はね
だんだん化の兆候であって
地球自身が
だんだん人が減るように ....
 「師走」というと
 通り一遍の味けは凡庸だが
 「年積月」などと言い換えると
 陰陽五行説を想起して
 なんとなく 芳香が
 五臓六腑から湧きあがってくる
 かくして・・・・
 老眼を ....
またねと
明日にでも会う装いで
きみはいなくなった

どこからか君が芽吹いた

またねと
夢の中でも幾度となく
きみはいなくなった

どこからかまた君が ....
君の相棒が16年着た
体を脱いで、天に昇った。

あまりにも静かに消える
湯気の後に――消えぬもの。

透き通ったビー玉の瞳
あの日のままの鳴き声

呼んでいる
いくども、いくども ....
 卒寿の軽薄となってしまった想いは
       足踏みを繰り返しては
      うしろばかりをふりむき
まったく前を憑こうともしなくなった

     かくして あぁ・・・・・

  ....
シルヴィーがよみがえる
花々が一斉に掻き毟られる
足ひとつの孤島が 点々と

シルヴィーが落ちて来る
貪婪なクジャクの爪
わたしは乾いたペンキ缶 

空間だらけの女から抜け落ちた
う ....
   芥子色の北風をついて
       冬至の太陽が
    レースのカーテンに
   無味乾燥の原版として
      いろつや褪せた
  庭木のかげをはりつける
       卒寿と ....
私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景

私は何も語りたくない
ひととしてのさびしさなど

私は私でありたくない
私にとって 私でありたい

私にどうして姿があるのか
多 ....
ハッピークリスマスイブとまだ
誰にも云っていないイブ
陽光が不安定な
そとを想う

と、光りがこの部屋に訪れた
わたしはしあわせの意味を視る
光りの色は光り色
あなたの骨の、色のその次 ....
 いまごろになって
         やっと
 起床直後の呪文が 
         癖となった
 仏壇にたてかけた
         亡妻の遺影に
 「おはよう」と
        口 ....
真鍮製の羅針盤は
あまりにも正確な方角を示し
一等航海士は舵輪をゆっくりと回し
船長は満足な頬笑みを湛えていた

明日は金曜日だから
今夜のメニュウは
特製のカレーライス
久々の上陸に ....
一年に一度
ピアノの屋根は開かれて
確かめられる
狂っている、ことを

どうやら
人の営みから生まれるノイズが
そのうすぐらい闇の中にあった
木や羊が暮らす小さな世界を
ゆるがせなが ....
この広い宇宙のなかから地球を選び

多くの生命のなかから人間を選び

そのなかから選んだのです

お父さん お母さん

子供は 親を選べないなんて

私は選んだのです

愛の光 ....
新しいメッセージが一通ありました
このまえ
やむにやまれず書いた言葉に
一度は
お気に入りのふせんも
消えてしまった人から
あまりに
懐かしすぎて
そのひとつの
たったひとつのポ ....
詩人はアーティストなのだろうか
気持ちの代弁しているのだろうか
気持ちの大便をしているだけではないのか
  翼をゆるされたとき
  わたしたちに空はなかった
  あおい 哀しみのかたまりが
  遠い 海のうえに浮かぶだけで
    

  いつか わたしたちの何もかもが
  優しげ ....
くぐるのか
こえるのか
あたりまえに
たのしげに
なわの向こうへ
消えてしまった

きっと時代や風にも乗れるのでしょう
できない者にはいつまでも不思議

なわは蛇のようにうねり
 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3424)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薔薇とハナムグリ- ただのみ ...自由詩17*16-1-2
kitsune- 草野春心自由詩316-1-2
毎日人が死んでゆく- 縷々流 ...自由詩116-1-2
冬の散歩路- レタス自由詩516-1-1
花に嵐- フユナ自由詩3*15-12-31
老俳優- ただのみ ...自由詩15*15-12-31
すべりだい- あおい満 ...自由詩815-12-31
ブラック・スワン- umineko自由詩9*15-12-30
ご挨拶の詩- ヒヤシン ...自由詩10*15-12-30
時は- オイタル自由詩515-12-29
詩忘(しわす)- かんな自由詩15*15-12-29
暴力_反対- たけし自由詩4*15-12-28
いのり- あおい満 ...自由詩615-12-28
地球だんだん化- イオン自由詩4*15-12-28
光のまつげ_八- 信天翁自由詩415-12-28
朝のハーモニー- 溶融自由詩215-12-28
愛し仔を送った、君へ- 服部 剛自由詩515-12-27
風の舌_九- 信天翁自由詩215-12-27
シルヴィ―の夢- ただのみ ...自由詩18*15-12-26
風の舌_八- 信天翁自由詩415-12-25
すみれ(即興)- もっぷ自由詩3*15-12-25
ハッピークリスマスイブ_2015- もっぷ自由詩4*15-12-24
風と光の変奏_⑤- 信天翁自由詩415-12-24
捕鯨船長- レタス自由詩215-12-24
ユニゾン- そらの珊 ...自由詩24*15-12-22
選びました- 佐白光自由詩7*15-12-22
新しいメッセージが一通あります- フユナ自由詩1015-12-20
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なわとびあそび- ただのみ ...自由詩20*15-12-19

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