桜の花は満開で 君は一つの時代を卒業した。
 休むまもなく 新しい時代はめぐる。
 心の準備は出来たかい?
 いま少しだけ 幼い君でいてもいいんだよ。

 健気に咲いている花を見て君は ....
闇色のコートの肩に刺さる
いくつもの銀糸の雨を
拭ってあげることもできないままで
私は冷たい夜を行く

棘のある視線を伏せて
唇だけを動かして見せたけど
今さら何を伝えたかっ ....
「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」


「みんなが私に夢 ....
雨上がりだから
道がぬかるんでいるだろう
長靴を履いて外に出た
商店街を歩いていると
なんだかクスクス
視線が痛い
美容室のガラスに映してみると
長靴をはいた猫
これは一体
どういう ....
空き箱を捨てようとすると
捨てないでと
声がする

ほうら
よく見て
案外魅力的な箱でしょう
中身がなくなったからって
存在価値がなくなったって
ことじゃないのよ
むしろ
そこか ....
祝砲に実弾使うバカがいて隣の村が地図から消えた 道の途中の四辻にて
{ルビ運命=さだめ}のように、二人は出逢う

――旅に出るか
――はい

芭蕉と曾良の同行二人は
見送る人々のまなざしを、背に
(川の畔に風は吹き抜け)
旅の小舟 ....
十字路を曲がる
手前の道で
お洒落な堕天使たちは
漆黒のハートマークを
隠している

小さな機械仕掛けの電話機を
白い手のひらで
握り締めていて
まるでレザーの
ロングブーツを
 ....
匂いもない

水色でも灰色でもピンク色でもない

うすっぺらな花びらを

わたしはなぜ好むのだろう

日本人の殺人事件は

その半分が親族殺人だという

そういう遺伝子とくっついて

匂いもない

水 ....
さっき買ったばかりの
ペチュニアの苗にあった
つぼみが
うらうらとした
ひなたの中で
もう咲きかけている

そうやって
ほどけ始めた
濃紫のはなびらは
見せかけより何倍も
ふくら ....
敵対者には花束を送れ
上等のやつが良い
色も香りも惜しみなく
リボンもしっかり選ぶが良い
和解のため?
平和のため?
とんでもない

刃物は優美さに隠される
獣は息を潜めてじっと待つ ....
痴態は演じられるものではなく
晒してしまうもの
ネズミを焼く匂い
霞の向こう兜を脱いだ少年の
老いを孕む眼差し
生を一巡りしたかのよう
遺灰を踏み しめる
空を模した青磁器/亀裂の風
 ....
残雪に春のひかり溢れ
谷の椿、メジロ飛びかう
遠く福知山(ふくち)は霞み
山の色ほのかに青し

小雪舞う寒さ和らぎ
季節の香、かすかに甘し
白き雲、のどかに漂い
鳥の声、野山にこだます
私は小学生高学年の頃
ものもらいを患った
瞼の下がぷっくらと腫れ膿んできたので
近くの総合病院に行くと
診察台に抑えつけられ
はんだごてのようなもので
じゅうと焼かれそうになったので
必 ....
モナリザの目は、妊婦の目。
腹に掌をそっとあて
――遠い明日をみつめるような
――胎内の子を、見守るような

モナリザの目は、母なる目。
絵画は幾世代も旅をして
今日も世界の何処かで、出 ....
神様に見落とされている わたしと彼は
必要以上に
相手を干渉しないことで
バランスを保っている

言いたいことを言わない
訊きたいことも訊かない
分かっていても黙っている
そんな風に
相手に対して深入りしな ....
  柄杓の水は
  揺れていた 一つの言葉のように
  だが青い空の深みに俯き
  だが石たちの慎ましい薫りに愕き
  私たちは 黙っていた 私たちは
  小さな山羊たちが
  ぬれた坂をおりていく
  夕暮れ時は、浜からの風が
  舞いあがる砂と 金いろに踊っていた
  こんなことも すぐに わすれていくのだろうが
  私たちは  ....
  春のうえに あなたは
  静かな芝生を残していった
  私は眠りたい
  私はもう、何も歌いたくない
  建物の影が私たちを押し潰す
  月の光が埃のように降って落ちる
  あ ....
防潮堤や海抜のかさ上げ工事を思い浮かべて冷たくなってゆく気持ちを抑えられなかった

防潮堤は二段構えにする

防潮堤と防潮堤のあいだに松原を復活させる

居住区を高台につくる

もとも ....
一羽の鷺が 
  ふわり 弧を描き 
    降り立った 見えない川辺 

出来事との距離は
程良く 霞となり
コンマ何秒か遅れ
波紋は伝う
  記憶の水面を

現実よりも
純白 ....
かすかな
秒針の音を聴く

いくつかのうち
狂った時計が
ひとつある

狂った時計は
トリックスター

存在価値の
有無をはなれて
いかにここに
現わるか

時を ....
林に入り、風に呼ばれ
目の前に立つ
木の中に渦巻く、年輪と
私の中に渦巻く、運命は
{ルビ縁=えにし}の糸で結ばれ

――遠い記憶は甦る

渦巻く宇宙を身籠っている
木の心と
人の ....
この春さいごの日曜日
鎮守の森の桜花
こぼれるほどに満開で
甘いピンクの春風に
はらりはらりと髪に舞う。

花の便りにさそわれて
野越え山越え谷越えて
老人だけの里山で
300年も生 ....
もう二度と心から笑える日は来ないと思います

見たところ私よりも一回りも若いあなたは
これから半世紀以上続いていくであろう
(続いていってほしい)あなたの人生を
一度も心から笑うことなく歩ん ....
この道を歩いて行く事 恐れないで

知ることを恐れないで

伝えることを恐れないで

聞くことを恐れないで

立ち止まることを恐れないで

一人になることを恐れないで

自分の ....
裏切りの夜に
怒りより
落胆

子らも同意
お父さんの味方

快楽の甘美さを
知らぬ俺ではないが
あまりにもひどい

せめてもの救いは
子供を連れ
逃げた事だ

そうでな ....
帰宅すると妻がキレていた
子供が泣いている 上手にお座りしながら

帰りが遅いとキレていた
仕方のない理由 会議とラインしたが既読スルーだった
育児中のストレスを二人で割っているつもりだけれ ....
私が存在しない世界
いつもより綺麗な気がして
怖くなって目が覚めたよ
まだ震えが止まらない

忘れたいことは覚えてるのに
思い出したいことは途切れてく
遊園地の名前とか
あの子の電話番 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3324)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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