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夜風
白銀色の月光り
かじかむ指先の、爪に落ちて、ちいさく照らし返す

甘い潮の香

はなうら 花占 花占ら
月明りの浜辺に咲き
揺れている花々を
一本一本摘んでは花びら千切り
時 ....
すこし朽ちかけたクチナシの白い花 濃い緑の葉のなかに
銀色の籠を
蜘蛛が編んでいて
そのつましいようにみえて
ほそうい ほそうい レース糸でできた瀟洒な籠のなかに
澄んだ雨粒が ころんコロン ....
はく っ、 りっ

耳を塞ぐと虫の音が耳のなかに響き渡る、鈴虫が皮膚をぞろぞろぞろぞろ這っている。
そも、これは、すずむしか。でも鳴いているだろうが。

り、りりりりっり、りりり
鳴くよ、 ....
「黄色い傘」

きいろい傘が咲いていて
わたしのうえに 屋根になっている

かさついた
この指は
皿を洗い刺繍をし文字を打ち

自由になりたくて
書いていたはずの文字に
とらわれ ....
ほら、わたしの胸のまん中に光をすいこむような闇があいていて、
そのうちがわに、花が咲いているでしょう。

ときたま目ぇつむってかおりに訊くんだ、
ああ、この花がうつくしく咲いているのはね
わ ....
わたしのみていた きれいなそらを だれもがみていたわけではない と
おしえてくれた ひと がいる

お金もなく居場所もなくからだ しかなく
ゆびさきはかじかんでいて いつもうまれてしまったこと ....
いつくしみを
ぼくに いつくしむこころを

ひとの知の火がなげこまれた
焼け野が原にも
ひとの予期よりうんとはやく
みどりが咲いたことを

 アインシュタインはおどけながら呻いている
 ....
きみのかあさんになりたい
お洋服を手縫いしたり
陽に透けるきれいなゼリーをつくったり
おひざにだっこして絵本を読んだりする
いつも子育てのことで
はらはらと気をもんでいる

きみのとうさ ....
ねぇ、おとうさん

なんで 戦争反対をするの / 次世代のこどもたちが徴兵されるからだ / なんで そんなふうに思うの / 新聞を、読んだからだ、たくさんの人にあって活動していたからだ / なんで ....
to belong to
ということばのひびきはあこがれだ
(父のキングス・イングリッシュはほんとうにうつくしい)

遠い、遠い
名も知らぬ
国を想うように
to belong toをく ....
庭の柿の木は ざらりとしたぬくい腕で
小さなころからずっと わたしを抱きしめてくれました

おばあちゃんがわたしを
だっこもおんぶもできなくなったころから
わたしはランドセルを放り出して
 ....
いつか完成するだろうか
あばらの中のいくつかの空洞は
満たされて、微笑んで眠るだろうか

脂肪に埋もれる柔和な女になれるだろうか
昔は違ったのよ
と笑って言うことができるだろうか

抱 ....
冬のあいだは閉じていた即売所に
春の野菜が並ぶのをみにいった

空に白い梅の花が
燃え上がるように咲いている

ハンチング帽をかぶった老人が杖をつきながら
老犬とゆったりと歩いていた
 ....
朝、制服
うすい雨のなか
ビニール傘をさして
バス停まで
拒食の脚であるいてた

傘の向こう
こまかな雨粒の向こう
紫陽花が鮮やかに
青色ににじんでけむる
ブラウスが肌にはりつく
 ....
由木名緒美さんの田中修子さんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
はなうらら- 田中修子自由詩21+*20-11-8
クチナシと蜘蛛- 田中修子自由詩9*19-7-6
虫を飼う- 田中修子自由詩8*19-5-16
ちいさなちいさなことばたち_二- 田中修子自由詩1518-11-12
花束とへび- 田中修子自由詩8*18-10-26
きれいなそらの_かげ- 田中修子自由詩1318-9-13
永遠の雨- 田中修子自由詩16*18-6-21
きみのとなりにユーレイのように- 田中修子自由詩18*18-6-10
滲む記憶- 田中修子自由詩9*18-5-8
名も知らぬ国- 田中修子自由詩16*18-5-4
庭のおかあさん- 田中修子自由詩12*17-9-11
女のすてきなあばら骨- 田中修子自由詩16*17-7-25
人と犬は枝と花- 田中修子自由詩10*17-3-23
あおの中から- 田中修子自由詩5+*16-6-20

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