政治と若者についての放言
ただのみきや

十八歳はまだ子供だが
大人が思っているよりは遥かに大人だ

たぶん
若者が政治に関心を持つのは良いことだろう
だが若者を自分の陣営に引き込むための諸々の画策は
わずかばかりの党員予備軍を生みはするが
結局長い目で見れば政治不信を募らせるだけだろう

一回の選挙が
あるいは今回の選挙が
どれほど大切だったとしても
彼らに考える時間をどれだけ大人は与えたのだろう
与党と野党の二項対立でマスコミも煽ってはいるが
それも毎度毎度のこと
露出と隠蔽はどっちもどっち
耳触りのいい言葉と互いに悪口ばかり

今の世に育った若者が
そんな話を鵜呑みにするだろうか
情報を掌で出し入れする彼らが

大人が彼らにしてやれることは
政党の主義主張を宣うことでも
賛成か反対かの二者択一を迫ることでもなく
表も裏も内も外もかつても今も
詳らかに見せてやることだろう
彼らの質問に答えることは出来ても
解決はできない
我々の愚かさと弱さもありのままに

まあ たぶん 無理だろう
政治について熱弁を振るう大人が
政治的に中立であることはまずないのだから

十分な情報と時間そして機会さえ与えれば
彼らは決めるだろう
強く押さなくても
あれこれ言い諭さなくても
軽く促すだけでいい

これ以上何を刷り込もうとするのか
彼らのまだ行使されてはいない
まっさらな権利に対して
投じる者は己の意思で投じ
投じない者もまた然り
共に心責められることなく自由であるように

どのみち未来は彼らのもの
良くても悪くても彼らのもの
相続しなければならないのだ
あらゆる困難と共にこの世界を




             《政治と若者についての放言:2016年6月25日》









自由詩 政治と若者についての放言 Copyright ただのみきや 2016-06-25 21:55:12
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