つながらない

   つながらない

      つながらない

きこえない    つながらない

   きこえない

      きこえない

とどかない    きこえな ....
この窓から
杉の梢の 老いた枝が何本も
風で揺れているのを見た
生きてるみたいだった いつも

枝の間を透かして
鈍く光る雲と 色あせた青空が
微塵になっていた
昨日がまた昨日みたいだ ....
一枚の写真を見せられた
それは遠い昔図書館の一番厚い本にこっそり挟んだ手紙のように
言葉にできない秘密を乗せたまま沈んだ船の位置を示すブイのように
暗い忘却の地の底へ一条の光の震える糸の繋がりを ....
列車が出る直前
ホームに目をやると
これまで出会った人たちが
一人残らず見送りにきていた
家族や友人は勿論
ほんの短期間関わりのあった人たちや
仲違いをして音信不通になった人たち
亡くな ....
花よ
いま震えている花よ
見えない風の手が怯えさせるか
それともやさしい愛撫に


花よ
人も同じ
誰かの心の中 将来のこと
見えないものに心を乱されて


わたしたちは少し似 ....
小さな古い木の
根元近くの幹にあいた洞から
白く艶やかな瓜のようなものが
ゆっくりと外へ押し出されている
周りに溶け残る雪から
雪と同じ色をした蟻に似た虫が
ぽつりぽつりと ....
あの頃、彼の人影は発光した
暗闇に跪き、両手を組んで
あの頃、彼は両手を差しのべた
背後の照明に、照らされて
顔の無い客席へ

歌だけを残して
若い彼が世を去った
あの日から――僕は耳 ....
緑を渡り
砂を運び

波を煽り
渦を巻きあげ

静かな野辺の昼下がり
焼き付けられた青空の下で
見失った行先

迷子の風は
回帰へ向かう

忘れ去られた後悔の渦が
始まる ....
ぼくは 鍵をかけるけど
果たして それは
ドア一枚を隔てた
あちら側を守りたいのか
こちら側を守りたいのか

考えてたら 遅刻した

カゴの中で今日も小鳥が歌う せかい

街の ....
青い闇の中に
うすく光って浮かぶのは
吊された
右半身だけの
白いレースの婚礼衣裳だ

その左半身を
纏って逃げ去った美しい少年は
そのまま白い流星と化したという

そもそもその衣 ....
なみなみと注がれた盃に
映る
かつて訪れたもの
掴むことも消すこともできず

ゆらり ゆらして
とけることもかけることもない

見つめれば朧
目を閉じればありありと

油絵の月の ....
東の窓は開いていて
陽のあたる床はささくれていた
暑さでひび割れた落雁と塩

花や空と比べるにはあまりにも浅ましく
水や音と並ぶには濁っていて

会えない体で生温く生きていても
 ....
右耳の中に抱えた不発弾は
頭の芯を溶かすように
熱をじんわりと継続させる
一筋の涙が頬を伝うのに気づきもしない
耳の後ろのリンパ腺は腫れ上がらない
熱は永遠に下がらないのではないかと疑いたく ....
嘆息の理由なら他にある
豊満な月に耐えきれず包み紙を脱がせただろう
子供みたいにあちこち汚して
今日がその日ならと狼みたいに祈ったね
誰かのせいだと言うのなら
それはわたしのせい(玄関前の犬 ....
薄い霧に覆われた
<幸福の谷>で
幻の羊等は草を喰み
牧場に響く  
あの鳴き声は
昔の恋の傷口さえも
…そっと覆ってゆくだろう  




  
たましいよ叫べ

美しさを捨てて
醜さを追わず
叫べ
真っ裸晒して
己が源に叫べ

脈打つ
沸騰する
胎児たちよ

ぜつぼうの前に叫んでくれ
これが生命だと叫んでくれ
 ....
生きる理由をかぞえている東京の部屋で
だけどつらいと泣いてる独りに
ふと友人からの一通のメール
一枚の花の写真に、添える言葉はなく でも
君はこのさびしい堂堂巡りに句点を届けてくれたんだよ
 ....
ふゆ
まっ白い雲のうかぶ空は
あおじろい怒りの気配
をたたえ そ

下を
煮えきらず
あるいていた
手に
侃々とたぎり
鳴る鍋は なく
白い白い
雲は浮かぶのが
「自由」と ....
遠い夏
街で見かけた少女
名前も
どこに住んでいるかも
知らないで
ただ精一杯
目で追うことしかできずに
それっきり
夢で逢えたらと願いながら
叶う事もなく


今日(四十年後 ....
光の傷 埃の羽
蜘蛛の巣の雨 風を鳴らし
昼に沈み
夜に揺れる


つぎはぎの声
低空に満ち
矢継ぎ早の虹
径を濡らす


止まっていた渦が動き出し
老いを増 ....
ものごとを特別にするのは人の心だ
ある日を他の日と区別するのも
季節と年月
朝と夜
何処から来て何処へ往くのか定かではない
時の流れは顔も姿も見分けられないが
確実に摩耗させ消し去ることを ....
この世は苦しい
この世は理不尽だ
この世は病人の集まりだ
そのことを理解するために
十代に勉強し
二十代に仕事を覚え
三十代に家族を持ち
四十代で社会を司る

そして五十代で病にかか ....
風が聞き耳を立てている
囀りは力なく水滴に跳ねて
その術を忘れたかのよう
石は本来の姿を取り戻した
木の根元をのそのそシデムシが
葬式帰りの太った男のように歩く
異変 ではなく
変わらな ....
油蝉、歩道真ん中で仰向けに
六本の足を交差させ絡ませて
己の運命、知りつつ逝く のか
 〇
油蝉、歩道真ん中で仰向けに
足を弱々しく蠢めかせて
己の運命、受け容れ逝く のか
    〇
 ....
〈ふつふつと煮えたぎる〉孤独の中で、
〈爆発と偉業の準備〉をするために帰る
  「夜の屋根裏部屋」には、
 過去を殺したナイフが、
 心臓に 突き刺さっている。

盲目の壁を背に野うさぎの ....
遠く 花火の音がする
――美しい闇の舞台
  光たちの素早い集団行動
ここからは見えないけど
どこかで
手をつなぎ
見上げている男女がいて
はしゃいだり
肩車されたり
こどもたちもい ....
夕焼けこやけで気が触れて
山のお寺に願い事
お手て見つめてみな返そう
カラスも食べないプライドを

一生涯にまき起きる
不幸と幸福量同じ
本当にそうならあの時の
幸福の値高過ぎる
心の声に耳を澄ますことは
青空に目を凝らすのに似ている
見えているけど何も見えない
聞こえているけど伝わらない

空の青に果てがないように
心の海には底がない
どんな光も届かない遥か深み ....
わたしの中の赤ん坊がむずかり出した

わたしの中の幼児が仰向けになって手足をバタバタ

わたしの中の小学生が精一杯下品に悪口を言う

わたしの中の少年Aがナイフをチラつかせ睨む

わた ....
浮かべる
もう、駄目になってしまいそうなときに
もう、何もかも嫌になってしまいそうなときに
もう、信じることができなくなってしまいそうなときに   



1つ、2つ、3つ
丁寧に ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3333)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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