最も幸せな人は木の上に住んでいる。風の満ち引きに体温の波をぶつけながら、細い枝とともにしなり、足がかりは隙間だらけで険しい空間を縫っていく。時たま地上に降りては大地の囚われの不幸を確認し、全て .... 夜中に音楽を鳴らし
ショーウインドウや
マンションのテナントに映る
自分の姿を見つめ踊る若い人たち

かっこよいはかっこわるい
かっこわるいはかっこよい

躍動する身体と一途な眼差し
 ....
「グループ面接で隣になった子が
 めちゃくちゃ噛んでて
 おまけに声が小さくて
 もうホントにやばくてサ
 どうしようかと思ったけど
 心の中で、頑張れって応援するしかなかったサ」

今 ....
     まっしろなカップに
     夜が満ちる
     からっぽなわたしは
     真っ暗な部屋で
     夜を見つめてすごす
     安堵のなか
     ごくり ....
青空

エッフェル塔の下に
みかづきが眠っています。

それが

      青です


ラスコー洞窟で
クロマニョン人が股割して
腕を横にピンと伸ばします。


それが ....
青い空がおいでって私を呼んでる
ずっと夢見ていた旅立ちの日

春の風が何度も私をせかして
早く早くって言うけれど

飛び立つにはけっこう勇気がいるのよ
心臓がドキドキして今にもはじけそう ....
  長い雨でたわんだ箱に注がれ
  わたしたちの影は混合される
  飛沫は獰猛なひかりを二割ほどふくみ
  素っ気ない白衣などに 付着する 未練がましく
  そして だれもが わたした ....
灰色の道の上に
ひとつの疑問が落ちていた
ずいぶん昔 この胸に生まれ
しなやかに若木のように育ち
そして出て行った
いつか答えを見つけるのだと
朝の光が包む白い道を
振り向くこともしない ....
紙箱に仕舞われた
細いヒールの靴を
何十年かぶりに取り出す
一歩
二歩
あまりの痛さに
これはもう私の靴ではないと
知る
おそらく知っていたけど
今日、知ったことにする

おそろ ....
     「生」が図太かったら
    短命でも良しとするかい
           それとも 
      長命にめぐまれたら
 「精」の脆弱さに甘んじるかい
  卒寿のおひとりさまになっ ....
紙の実が地に落ち
音にまみれる
土ぼこり
鳥の声
水の庭
鳴りつづける標


海へ 海へ
蒼は岩をすぎる
百合の耳の子
息つく間もなく染まる羽


何も ....
心を傾けたくて
首をかしげてみたりする

垂直を保っていた中身が
静かにあなたの方へ移動して

夜になれば
いっそう傾けたおして
すみずみまでもが水平になる

殻という
分岐を越 ....
結露した窓から
こっちを覗き見て
耳の上の辺りが特にひどいまるで
死に損いの四月の残雪のよう
そう言って笑った
冬の魔性は
死と均衡のとれた美貌を冷たい時間に包み
去り際には何度か振り返 ....
海は優しい
もちろん
それだけではないことを
たくさんの人が知っている
海は荒れ狂う
そんな日は
早々に寝てしまうだけ
海鳴りを子守唄にして

たどりついた
ふるさとの
今朝の海 ....
ありがとう

たくさんの遺書が
風にのってゆれる


月もわらっている
春ショール羽根を纏ひてゐる心地 ガラス窓から赤く染まる景色をひたすらに眺める
死ぬには早く
生きるには出遅れ
若干の憂いは
夕日と共に闇色に溶け
今日現在の私を構成する
口にチョコレートを含み
終わりかけの夕刻に甘い味 ....
独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む

独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない

そして回り続けるためには
己 ....
とりどりの人がいる

顔、瞳、髪の色はもちろん
おそらくは心の中や
境遇までも

透明の涙が私を取り巻く重いものを流してくれる日もある
透明の涙が
さらに粘度を増して醜いゼリイになって ....
リンゴを木の枝にうまく乗せることができない

その人は寒空に部屋着のまま 油断したのだ

やっと乗せ終えたところを見計らって挨拶すれば

かじかんだ「コンニチワ」と鼻水少々 そそくさと家の ....
冬に生まれても
春に生まれても
愛される子に違いない

星座が好きでも
闇夜が怖くても
夢を見る子に違いない

走るのが得意でも
描くのが得意でも
頑張れる子に違いない

 ....
僕は何処に行くのだろうかと
青い天を見上げた
日差しは春
幸せは

もうすぐです
喫煙所の緑は
所々穴が開いている
この細胞を奪ったのは
私だろう

欠損を埋めることも叶わず
奪われながらも唯生きる命は
美しいと
云う賛辞を受けとるだろうか

今日も
命を削る白煙を呑む
私は
私の ....
 
わたしを見て

瞳に映るわたしだけがわたし

わたしがわたしでいるために、わたしを見て




 
大陸を渡り海を越え
渦を巻き
街を空を
夜を冷気をかき混ぜる
降り落ちた闇を雪をまき上げ
小枝を折り幹をしならせ
あらん限りの嘆きを呪いを
憎しみを籠め
声を震わせ
吠える
呻る
 ....
『お母さん、最初から一緒に寝てほしいの』
『あのね、お母さんは忙しいの。
 後で行くから、最初は一人で寝ないとね』

今夜も娘は
テディベアを抱きしめて寝ている
その規則正しい寝息を確認し ....
    {引用=––フレデリック・ショパン「夜想曲第六番」に}
  球
  それはひとつあった
  それはさっきまでひとつではなかった
  あるいはこれからひとつでなく ....
 数え切れない
 手に負えないくらいの
 幾千枚の白いはなびらが
 ほとんどいっせいに
 枝という枝を離れて
 舞い踊る
 まるで蝶のように
 儚げであるのだけれど
 或る意志を持って ....
出先の喫茶店で「童心」がお題の
コラムを書いてから、自宅のママに電話した。

――じゃあ、読むよ。
――今、周に聞かせるからちょっと待って。

ママが携帯電話の音量をあげてから
できたて ....
わたしが
とても小さなこどもだった頃
なにも知らない
知らないということが許されていて
それが
どんなにか幸せだったかということさえも
知らなかった
笑うたび頬に
くぼみを作っていた頃 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
幸せな人- 葉leaf自由詩315-3-7
夜の灯りと姿見- 灰泥軽茶自由詩515-3-6
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青空- コトバス ...自由詩3*15-3-2
たんぽぽ春のパラシュート- 未有花自由詩17*15-3-2
憐憫- 草野春心自由詩515-3-1
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靴を捨てる日- そらの珊 ...自由詩1315-2-28
唄はかすれて①- 信天翁自由詩315-2-27
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流動体_【詩人サークル群青_二月のお題_「岐」への提出作品】- そらの珊 ...自由詩14*15-2-26
魔性と化生- ただのみ ...自由詩16*15-2-25
さいはて- そらの珊 ...自由詩21+*15-2-25
ありがとう- 佐藤伊織自由詩215-2-24
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交わり溶ける- 秋也自由詩115-2-24
独楽- ただのみ ...自由詩18*15-2-21
- そらの珊 ...自由詩15*15-2-20
渡り鳥- ただのみ ...自由詩15*15-2-18
命なんだね- 千波 一 ...自由詩515-2-16
もうすぐです- 渡辺亘自由詩315-2-16
白煙- 瑠音携帯写真+ ...315-2-16
見て- 殿上 童自由詩14*15-2-16
冬の嵐- Lucy自由詩16*15-2-15
テディベアと詩集とブランケット- 夏美かを ...自由詩37*15-2-15
Q- 草野春心自由詩3*15-2-14
墓所にて- そらの珊 ...自由詩2315-2-13
息子の教育- 服部 剛自由詩14*15-2-11
雨上がりのステップ- そらの珊 ...自由詩1715-2-6

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