仙台で大学院生をやっていたころ、仙台には故郷とは違った風土があることに気付いた。風土とは地形や気候だけではない。そこに暮らす人々の気質でもあるし、道路の混み具合でもあるし、交通網の整備具合でもある。市 .... 大雪の翌日

退院間近の幼い息子を迎えに行けるように
シャベルを握り、腰を据え、無心になって
門前に降りつもる雪の{ルビ塊=かたまり}を、掬って、投げた。

玄関から顔を出した、姉さん女房 ....
ブダとペストがひとつになって
ブダペストだったり
トリニダード島とトバコ島で
トリニダードトバコだったりするわけですから
市町村合併ブームのときに
佐村市と河内市が一緒になって
佐村河内市 ....
アナウンスが流れる

線路内に鹿が入り込んだため
列車は3分遅れて隣の駅を発車しました


その鹿はどうなったのだろう

寒いホームに
誰もが無言で
同じ方向をむいて並んでいる
 ....
信頼できると
信頼するとは
 違う

信頼できる は
リスクがないとか
メリットがあるに近い

信頼する は
互いに共存し
助け合うことに近い


貴兄は信頼できる方だ

 ....
野太い声が
きれいな顔の整った唇から出ていた。
好きじゃなかったので
特に気に留めもしなかった。
ただ名前だけはちょっとイケてた。

死か、生か。

踊るのもあたしは好きじゃなくて
 ....
古い曲が流れている。
詩人がそれを聞いていた。


何の疑問もなくカラオケを唄える人は羨ましい
そう思いながら、

友人に連れられて入った、古びたカラオケ♪スナックで、
水割りを片 ....
言葉の針に意図を通すのは難しい
何を繕うでもなく
きれいなシシュウを夢見ては
チクリチクリと傷つける日々


   《針子のトラ:2014年2月11日》
空もなく
風もなく
光もなく
雨も降らない
季節がない
そんなところに命があるのだろうか

あるよ。
声がした
家の建つ
ベタ基礎コンクリートで
固められた
土の中から
芽吹 ....
語弊があるような言い回しは避けて
誤解を生むような表現は消して

本当に伝えたいことだけを

傷つけないように
耳を傾けてもらえるように

心を開いてもらえるように

気分を損ねな ....
 バサラ街カオス4番地


   米ミズーリ州ホワイトマン空軍基地から、闇の中を密かに4機のステルス爆撃機が飛び立った。
同じ夜、人妻が出歩いているのは、基本、家にダンナがいないせいだ。
  ....
オールクリア!
問題は何もない
いつものように大量死
アァ、今日も空が青い(腐)
朝食はベーコンエッグス
そして缶入りのトマトジュース
パンを焦がしてしちゃったよバカ
トランジスタ・ラジ ....
童歌は遠く
匕枯れた母親に灯る
アカイ放射線の染み
緩い地盤の亀裂は埋まらず
極北から吹く風に骨も耐えきれず
見守るのは行き場のない木馬
土壁がぬくもりを吐き出せば
季節を待て ....
戦争のことやエイズのこと
野球のことを考えているあいだに
雪がどんどん降り積もっていって
家から出られなくなるくらになら
朝一に練炭をガンガンに焚いて
焼酎のんでオリンピックみながら
自殺 ....
ベランダの茎に雪が積もって
どこか雪花のようだった

西日の中でも負けずに元気だった
まだ咲いてほしくて片づけなかった

小さな花


種を落として、鳥
鉢のすみで咲いて


 ....
きみの旅が終わる時
黒ずんだザックの中には
通り過ぎてきた街の悲しみが
薄汚れた上着のポケットには
誰にも見せたくない たからもの
それはきっと
今のきみにとって
おおい隠 ....
きみが見る夢のはかなきうたかたの
まぼろし追いぬ夏のつとめて


あおによしならの都に鳴く虫の
声こそかなしきみが面影


西風にいかなるいろのこへ聞かむ
ひぐらしかまし ....
明けない夜にピザが届いた シグレタ

3月に降り始めた雨が、三年たった今もやまない。ザァザァが続く。土は流れることに疲れたのか、ずっと海の底で静かに暮らしている。大陸は削れない岩の塊、所々にある隙間は、大きく大きい。人が入 ....
昔、ちょうど今くらいの季節だったかな。

クラスに石川っていうのがいてね。嫌な奴でさ。
ちょっと小太りで、狡賢くて。
運動は苦手だったんけど、
人を馬鹿にして笑いをとるような奴だったんだ ....
{引用=
わた し は ねこ だ
な まえは ま だ ない 


殺伐とした空気が支配する部屋で、
きみは子猫に名前を付けようとしている。
子猫が産まれてからもう三日が経った。

 ....
腐る。
ギリギリのところで
なんとか持ちこたえている
としたら
死がとても怖い
かくれんぼしていて
うっかり見つけてしまった
小鳥の死骸にうごめいていたうじむし
その卵が
この空気中 ....
寒い

たった今

布団乾燥機のプラグを握りしめたまま
目が覚めた

酩酊して
コンセントを探していて
力尽きた

おい
俺よ
この六畳の部屋で
遭難死するところだったじゃ ....
さわやかな朝に
無愛想なカッターナイフ
笑いながら手首を切ると
色とりどりのビーズがこぼれ落ちて
アタシは嫌でも
自分がコンビニだと思い知らされる
だから意地でも口紅は塗らない
薄利多売 ....
ほんとうに「優」れているものは
「優」しさが、宿っています。
そうして「優」しい人というのは
どこか「憂」いている「人」です。

じぃ…と「優」を視ていると
(百の愛を身ごもる人)の、微笑 ....
取り乱したいくらい不安で辛いお別れなのに
この悲しさより出会えたことの喜びのほうが
よっぽど大きいことだよね なんて
悟りたくなかったよ

今夜笑顔でなんか
いたくないんだ
本当は
夢をつかんだ手が人を傷つけた 夕暮れの少し前の空が
薄桃色に発光している
家々の壁も
屋根の雪も

空にはまだ白い月
解き放たれた風船のように
心細げに浮かんでいる

さっきはビルの上にいたのに
おとなりの
 ....
背中に一本の薔薇を生やした猫が
窓辺に座って、ずっと外を見ていた
一度だけ晴れてみたいという
空の悩みを聞いているのか
目の前の邸宅の主人のハゲ頭の上に
苔むした狡猾を笑っているのか
隣か ....
梅の花 川に零れて 道標


小春日に 墨の一滴 鶫の尾


約束は 雪解け水と 沢に消え
由木名緒美さんのおすすめリスト(3334)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
禁止- 葉leaf自由詩514-2-17
詩人と雪掻き- 服部 剛自由詩9*14-2-16
合併- 花形新次自由詩2*14-2-16
鹿- Lucy自由詩27*14-2-16
信頼醸成装置- ichirou自由詩6*14-2-16
ParaParaInferno- 佐々宝砂自由詩5+*14-2-16
残された傷の意味- ハァモニ ...自由詩2+14-2-16
針子のトラ- ただのみ ...自由詩27*14-2-15
- そらの珊 ...自由詩16*14-2-15
本当のこと- Lucy自由詩21*14-2-15
バサラ街カオス4番地- ハァモニ ...自由詩3*14-2-15
海への過程β- 自由詩114-2-14
母子哀唄- アラガイ ...自由詩4*14-2-14
自殺- セガール ...自由詩314-2-14
次の四季- mizunomadoka自由詩614-2-14
マリア- 藤原絵理 ...自由詩4*14-2-13
閑話三首- 藤原絵理 ...短歌2*14-2-13
明けない夜にピザが届いた- 北大路京 ...自由詩414-2-13
シグレタ- 赤青黄自由詩2*14-2-13
春の源になれ。- 時子散文(批評 ...1*14-2-13
猫のいる部屋- 大覚アキ ...自由詩814-2-13
冬時間- そらの珊 ...自由詩15*14-2-13
コンセント- ichirou自由詩11*14-2-13
朝の思考α- 自由詩614-2-13
「優」__- 服部 剛自由詩9+*14-2-12
本音- 森川美咲自由詩1*14-2-12
夢をつかんだ手が人を傷つけた- 北大路京 ...自由詩514-2-12
帰り道- Lucy自由詩11*14-2-12
美しい薔薇も見ないで- ハァモニ ...自由詩5*14-2-12
梅の花- 亜樹俳句114-2-11

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