必然
ひだかたけし

無風に花瓶、押し倒れ
転がる転がる、少女の手許

受け止める幼手、花瓶は砕け
甲高い笑い声、さも当然に

さも当然に、笑い声響くなか
花瓶は完璧に粉々に、亀裂走る円卓

少女は意識していない
少女はただ観てしまう
大きく深く開く亀裂の空洞に
暗い赤紫の光彩輝き渦巻き燃え
地球が真っ二つになるその光景を

[なんてきれい]

少女は呟く


自由詩 必然 Copyright ひだかたけし 2016-06-21 22:03:43
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