存在の寂しさに耐えきれなくなった時、人の温もりを求めるのか。



存在の優しさに泣きたくなった時、人の許しを求めるのか。
たとえば
A集落のaが
B集落のbを殺したとする
bの子b'が大人になって
aの責任を問うた時
aがこう言ったとしたら
どうだろう

当時は力のある集落の者が
力のない集落の者を殺す ....
足跡を捨てながら
帰り途を急ぐ
その歩数と
掛け算するように
夜の密度が
濃くなっていく

粘度を増して
重く絡みつきはじめた
暗闇の
後ろ姿だけしか
もう見えない

姿の見 ....
〈雨天から降ってくる雨という憂鬱〉
世界が世界一つ分狭まると雨が人々の庭に侵入してくる。
人は歩けない以上に歌が歌えない。
声は口に達する前に雨によって沈められてしまう。
電車が遠くを走ってい ....
僕は散歩でよく会う
その人の名前を知らない
顔見知りなので
すれ違えば挨拶ぐらいはする
でもその人の名前は知らないのだ



僕は15歳の初夏に
初めて見た絵に描かれている
その物 ....
まだ眠っていたいのに起きる朝

飲みたくもないコーヒーを飲む朝食

やりたくもないことをこなす昼

たいして美味しくもない昼食

クタクタになりながら作る夕飯

早く眠りた ....
明日が来るのが怖くて
眠れない 安心できない
よそ見してる間に違う場所に行ってしまいそうで
眠れない 安心できない

けど
宇宙船に乗るんだと思って
違う宇宙へ
旅するカウボーイ気 ....
僕らが幽霊を見た夜は
夜釣りの帰りに
君は
黙って自転車を漕いで
僕も
黙って
並走していた

僕らが幽霊を見た夜には
誰にも話さずに
お互いに黙ったまま
次の日に
確認し合っ ....
                 この地球を構成する118種の元素
                  水素から〜eka-ラドンに至るまで
                 この地球が作ったものは ....
初秋の晴れた朝
人間の作った柵を乗り越え
甘藷の群生する土地に入って
甘味な芋を掘り出し 食っていた

と…
大きな人間が木の杖を構えて
殴りかかってくる
逃げる間などありはしない
 ....
突然窓から入って来たかと思うと
開きっぱなしの聖書を勝手にパラパラめくり
挨拶もなしに出て行った
――相変わらずだな
きっと満開のニセアカシアの間を抜けて来たのだろう
すると今頃は下の公園辺 ....
雨の日だけ訪れるひとがいる
水を滴らせながら、入れてもらっていいかな、と
私は玄関を大きく開け
タオルとホットミルクを渡す

他愛無い話をぽつりぽつり
このひとは愚痴や怒りを表さない
た ....
 鮮やかな夕映えの中に立つと もう
 私は死を思い出すことが出来ない。
 いま目の前で繰り広げられている現象が強すぎて
 私の中に在る記憶という記憶は閉ざされる。

 沈黙の中で人が己の ....
陰惨 画賛
インクが黒く死に重視
印紙が白く二重に
死は三重に、苦は七重に
午後に10号発破 六時 勇姿
破竹、死地中に獅子獣 666 三重6
産後、重合 肉汁は血
死後に銃

クク ....
深い霧のように
飛沫をあげる
たくさんの雨粒は
花柄の傘が雨をはじく
音が聴こえるあいだに
仕事帰り乙女の
世界を群青色へと
静かに揺らぎながら
変える

遅めの夕食を終えて
す ....
ちぎれた 火の粉を雫の中にやどした言葉たちを超えて鳥が謳う
ほととぎすは 夜通し歌をもやし、カッコウは霧雨を もやし
溶接工は、鉄を燃やして繋ぎ合わせノアより巨船を創り
アリアは、魂をすく ....
月の涙を避け傘の中のふたり ことがら は 昨日の記憶

そばがら は 今夜の枕のなかで

ひとがら を 朝のヒカリで描きこむ

うまれたての雛のあたまに
残された
一片の から

どこからと問うこともせず
 ....
紫陽花になりたくない雨が寝息をたてている 植え込みの中から突き出た足
薄汚れたジーンズと穴のあいたスニーカー
ホームレスが倒れてる
覗きこむとひげだらけの男が生きているのか死んでいるのか
眠ったように目を閉じている
額のあたりを蟻が ....
鳥は羽ばたき
車は車輪を回転させ
互いに併走し
時を追いかけ
滑らかに太陽に向かう

羽ばたきと回転
鳥も車も
全く異なる動きで
自分のリズムと歌で
滑らかに太陽に向かう

 ....
きっと初めから
死を覚悟して恋をしていた

随分前のことだけれど
彼女から
死にたいのだと
こっそりと
打ち明けられたことがあった

どんなに哀しくても
明るく振舞う
気立てのい ....
未だこぼれ出ぬ涙のために
1tの鉄塊を失って
また人らしく踊れるかもな

大腸の横穴の奥で溶けない氷
夏を越えていく中で
浮き出て腐る
いつぞやの恋は
未熟な枝付枯葉

機械が核の ....
 
風呂で屁をこいでみた

すべてからの自由を約束する泡が破裂する

諸君! 解放だ! 解放だ!!



 
とりあえず
腹いっぱいに喰って
泥のように寝てみろ
いろいろ考えるのは
その次にしちまえ

じゃないと、
死んでしまうぞ
俺たちを囲む
思考の鎖に
絡まってしま ....
バーチャル世界を漂う夥しい単体から
吐き出される0と1の記号は
フェロモンを伴って 波に乗り
キーボードの前に佇む孤独な心の
隙間に入り込む

 ディスプレイの 
 向こうとこちらで ....
  桜の葉を胸に抱いて
  墨色の風は流れていく
  女に似た雨の匂いが 岩間にひそむ苔を洗う
  うつむくひとの唇から 知らぬ間にすべり落ちた
  わたしの名をだれが忘れずにいられる ....
大蛇飲み込んだ蛙が月も食べようとしている 仕上がった作品を手にとり
出来栄えを確認する
(……駄作だ)
地面に叩きつける
が 割れない
金槌で叩いてみる
が やはり割れない
もしやと思い豆腐の角にぶつけてみる
が そういう問題 ....
若稲よ
一途にのびる
若稲よ
晴れの日も
風の日も
雨の日も
迷わずのびる
若稲よ
境遇を嘆くことなく
使命を忘れることなく
ただ ただ 
一途にのび
生きる

若稲よ ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3424)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
存在- 文字綴り ...自由詩114-6-12
Vision- 眠り羊自由詩114-6-12
樹晶夜__【縦書Ver.】- ハァモニ ...自由詩2*14-6-11
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いんいちがいち_いんにがに- 中村 く ...自由詩5*14-6-7
群青色の乙女- りゅうの ...自由詩9*14-6-6
虹よ- るるりら自由詩26*14-6-6
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紫陽花になりたくない雨が寝息をたてている- 北大路京 ...自由詩7*14-6-4
_カード- アンドリ ...散文(批評 ...214-6-3
羽ばたきと回転は滑らかに太陽に向かう- ichirou自由詩9*14-6-3
愛するということ- りゅうの ...自由詩6*14-6-3
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こく- 殿上 童自由詩18*14-6-1
苦しかったら- 御笠川マ ...自由詩314-6-1
ネットの恋人- イナエ自由詩11*14-6-1
うつろい- 草野春心自由詩714-6-1
大蛇飲み込んだ蛙が月も食べようとしている- 北大路京 ...自由詩5*14-6-1
ウイルス効果- ただのみ ...自由詩23*14-5-31
迷わずのびる_その心を- ichirou自由詩11*14-5-31

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