さよなら黄金比
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disるか無視
そういう奴らに興味はねえ
全くわかっていない
自らの運のよさに胡坐をかいているだけの
能天気なマジョリティ
いわんやおれは
サイレントの無口なマイノリティ
隠されたマイノリティ
打ち明けることのない傷もの
いるだけの価値のない存在
白いキャンバスも灼けて黄ばんでいる
心臓は止まることなく動いている
暗がりの中で眠る昼
血を流す、眠りの内で血を流す
冬の蠅のように緩慢な動きで
飛ぶ余力もない
歌っても虚しさが残るだけ
余りある時間もいつかなくなる
意味のある燃焼も
いつか骨になる日のための序章にすぎず
あなたに脂肪をあげる
膨らんだ体に針を刺してあげる
暗がりの昼もこれで朱に染まる
しかし心臓は止まらない
知らない間に参加してるチキンレース
止まれば負けよ
止まれば負けよ
いきつくところまで
いけば勝ち組
いきつくところまで
我慢できなければ負け組
でも、いきつくところでは
勝ちも負けもなくなる
弛んだ寒さも
低気圧といっしょに痛みだす
痛みを消すために飲みはじめたロキソニンも
効かなくなってきた
養鶏場から
鶏たちの阿鼻叫喚が聞こえるなら
俺はまだ正常か
卵が積まれたスーパーの片隅で
血の流れない戦争が続いている
戦争が終わる日は、来そうにもない
丸い戦争が続いている
苛立っても無駄さ
さよなら黄金比
青い痛みは消えそうにない


自由詩 さよなら黄金比 Copyright within 2013-01-24 12:21:11
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