古本屋
月形半分子

金魚 金魚
可愛い 金魚
ビー玉たくさんお城のように
ご褒美貰っておおはしゃぎ

金魚 金魚
可愛い 金魚
お手々もあんよもなくてね
お口つかって生きてるの
ほらね ほらね お上手お上手
そしたらご褒美貰えるの

金魚 金魚
可愛い 金魚
赤いの 赤いの お尻も首も
赤いの 赤いの お口もおべべも
ほら ほら 手のなるほうへ
イヤイヤしながらいかなくちゃ

金魚 金魚
可愛い 金魚
あの子本当に可哀相って
言ったあの子は宵待ち草よ
いつも独りの変わり者

宵待ち草よ 宵待ち草よ
だから毎晩 宵待ち草よ
ある日
ひとりぼっちと涙のバカヤロー
って叫んだの
そしたら忘れな草になりました

金魚 金魚
可愛い 金魚
ご褒美欲しさに今日もクネクネ
水の中で過呼吸気味で苦しんで
笑ったあの子は
一輪挿しの佗助よ

佗助 佗助
すいもあまいも佗助よ
泣いてる佗助甘い男の下心
前に後ろに舟漕いで
イキたやイキたやとイキなこと

金魚 金魚
可愛い 金魚
言葉を知らない可愛い金魚
お舟にのれない可愛い金魚





自由詩 古本屋 Copyright 月形半分子 2013-01-25 02:28:01
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