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見る影もなく
下垂の一途を
たどっています
この両の房の中にある
喜びと寂寥、
この歳になればそれはもう
....
ひとりでは
立てないと ....
今夜わたしは玉葱を刻む
包丁の切れ味は鈍いが
こんな夜にはちょうどいい
指先と玉葱と踊る包丁
それだけを見つめ、不器用に
....
おやすみとクロネコの頭なでながら光らぬスマホ強制終了
疲れたねと話す相手は猫ばかり、そのうちニャーと泣いてみるかも
ごろごろとすり寄っては喉鳴らし猫かぶりをする腹 ....
あれは空だろうか
それとも海だろうか
わたしが欲しかったのは
あの青だったのだ
体中の骨を関節を筋肉を
すべてを伸ばし
掴もうとす ....
わたしは帰る
猫の住む我が家へと
服も靴下も脱ぎ散らかし
ひんやりとしたベッドへ
もぐりこむ
鼻先の生温かなけものの匂い
....
かなしみはいつだって
握りつぶされた
缶コーヒー
むけられた怒りは
やり切れなさと
くやしさの色をにじませ ....